レーヴァティン
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第百七十九話 渡河その五
「それでだよ」
「古来より栄えてきたな」
「そうだよ」
「だからだな」
「おいら達も効果的に使って」
そうしてというのだ。
「やっていこう」
「それじゃあな」
「それとね」
淳二はさらに話した。
「今言ったけれど川は経済活動にもね」
「使えるよな」
「おいら達もライン川で移動したね」
「そうだったな」
「人もものもね」
「多く素早く手間をかけずに移動させられる」
「このことは大きいから」
だからだというのだ。
「平和になってもだよ」
「上手に使えばな」
「かなり役に立つから」
それでというのだ。
「是非ね」
「使っていくべきだな」
「そうだよ」
平和になってもというのだ。
「ドナウ川もボルガ川もね」
「そしてライン川もな」
「川という川はね」
「そうだな、何か日本だとな」
自分達が起きた国ではどうかとだ、久志は話した。
「川も使うけれどな」
「海だな」
正が言ってきた。
「四方を海に囲まれ多くの島々から形成されている」
「そうした国だからな」
「だからどうしてもな」
「海だよな」
「海の水運を使ってきた」
「そうだったな」
「瀬戸内にしてもな」
瀬戸内海もというのだ。
「そうだった」
「あそこの水運が西日本に大きいしな」
「まさに大動脈だな」
「昔からな」
「だが水運という点ではな」
「同じだよな」
「川とな、どちらにしろ水運を効果的に使う」
「戦でも平時でもな」
「それが重要だ」
「国を動かしにあたってな」
「そういうことだ、ではな」
「今度の戦いではな」
「その水運を使ってだ」
そのうえでというのだ。
「戦うぞ」
「そうしていこうな」
「そして勝つな」
「ああ、東方の諸侯を降すな」
「ではな」
「まずはドナウ川と黒湖だ」
こう言ってだった、久志はその二つの地域の水軍を動かしてだった。ドナウ川に艦隊を入れて黒湖に多くの艦隊を集結させた。
そして自身は大軍と共に川を渡ってだった。
ガラツに向かいその街を囲んだ、ここで正は久志に問うた。
「この街をどうして手に入れる」
「そりゃやっぱりな」
久志は正に笑って答えた。
「出来るだけな」
「穏健にだな」
「手に入れるさ」
「ではだな」
「ああ、まずはな」
何といってもというのだ。
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