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夢幻水滸伝

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第百六十七話 正攻法その十一

「死んでてもな」
「そやから思いきり切ったな」
「敵なら全力で戦う」
「そして勝つんやな」
「そういうことや、ほな基地とか工場叩くで」
「徹底的に壊してええな」 
 狐は自分の背に乗っている芥川に問うた。
「わしも」
「むしろそうしてくれんと困る」
 これが芥川の返事だった。
「自分にもな」
「そういうことやな」
「いつもの神通力頼むで」
「承知したで、後飯はやな」
「ああ、ちゃんと食う」
 これは忘れないというのだ。
「持ってるから安心せえ」
「わしの分もやねんな」
「揚げあるで」
「それがあったら最高や」 
 揚げと聞いてだった、狐は思わず笑顔になって述べた。
「あんな美味いもんはないわ」
「自分ほんま揚げ好きやな」
「狐やからな」
 それでというのだ。
「何といってもな」
「揚げが好きやな」
「他のもんも食べるけどな」
「揚げは大好物やな」
「狐だけあってな」
「もう狐やとやな」
「揚げが大好きや」
 狐は自分から言った。
「最高のご馳走や」
「そういうことやな」
「そや、それでや」
「腹が減ったらやな」
「揚げ頂くわ」
「ほなな」
 芥川も笑顔で頷いた、そしてだった。
 芥川は軍勢全体の采配を執りつつ敵軍の工場や施設を攻撃していった。その彼を見て佐藤は妹に言った。
「流石師匠やな」
「ほんまにな」
「敵の後方の基地や工場を破壊する」
「まずはそこからってな」
「戦がわかってるわ」
「師匠がおってくれたら」
「今回の戦も勝てるな、そして」
 ここでだ、佐藤は。
 自分達の前を見た、そこにはフェリペがいる。佐藤はその彼を見つつ妹に話した。
「今から行って来るわ」
「ほな頼むで」
「ああ、戦って来るわ」
「私もな」 
 香菜はガブリエラを見て話した。
「今から闘って来るわ」
「勝てるな」
「絶対にな」
 香菜は兄に不敵な笑みで返した。
「そうしてくるわ」
「そういうことやな」
「ただインペル君強いからな」
「あいつ自身はどう思ってるかわからんけど」 
 それでもとだ、佐藤は妹にさらに話した。
「実際な」
「強いわ」
「実力ある、そやからな」
「兄ちゃんも気が抜けんな」
「ああ、それで自分の相手も強いしな」
「気を引き締めていかんとな」
「そうそう勝てんわ」
「そういう心づもりでいくで」
「そうしよな」
 こう話してそしてだった。
 彼等も一騎打ちに入った、星の者達の一騎打ちもはじまっていた。その中で中里もそれに入ろうとしていた。
 アレンカールを前にして彼は言った。 
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