ヘタリア大帝国
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TURN47 東洋艦隊全滅その八
「ネルソンの仇だ!やってやれ!」
「はい、見ていろ!」
「やられてばかりじゃないからな!」
そのエイリス軍の集中攻撃を受けた。それでだった。
ネクスンの艦隊は吹き飛んだ。まさに一瞬だった。キャシーはその吹き飛んだ有様を見てぽつりと言った。
「だから言ったんだよ」
「何、あれ」
ハニートラップが呆れ返った顔でキャシーに尋ねてきた。
「一瞬で馬鹿みたいなダメージ受けたけれど」
「あいつはね。靴紐が切れたらね」
「運がなくなるのね」
「そうなんだよ。ああしてね」
「全艦撃沈よ」
普通では考えられないダメージを受けてだ。
「どういう訳か総員脱出できたみたいだけれど」
「それが不思議なんだよ。どれだけダメージを受けてもね」
「生き残りはするのね」
「そうなんだよ。特にあいつ自身はね」
ネクスンは何があっても死なないというのだ。
「不死身みたいにね」
「あいつも特技あるのね」
「あたしは見極めだけれどあいつは運なんだよ」
本人の資質とはまた別のものだというのだ。
「そこが違うんだよ」
「そういうことなのね。とにかくね」
「ああ、あいつが集中攻撃を受けたからね」
本当にエイリス軍のビーム攻撃の殆ど全てを受け持った。それでだった。
「あたし達は攻撃を受けなかったね」
「それ考えるといいことね」
「じゃああらためてね」
「ええ、今度はミサイル攻撃ね」
「そうしようかい」
キャシーとハニートラップもこう話して今度はミサイル攻撃に入る。それでも敵艦隊を倒していく。その中でだった。
イギリスは歯噛みする顔で戦局を見てこう自国の将兵達に漏らした。
「やばいな」
「はい、ネルソン提督は捕虜になった様です」
「それに敵の攻撃で」
今ミサイル攻撃を受けた。周囲はダメージを受けた艦艇があちこちにある。
「全軍の損害が無視できなくなってきました」
「これはどうされますか」
「魔術の艦隊はどうなってるんだ?」
イギリスは将兵達にまずはこのことを問うた。
「そっちの方はどうだ」
「はい、四個艦隊のうち一個が敵艦隊の攻撃で消え去りました」
「そして今」
エイリス軍のミサイル攻撃も行なわれたがネルソン艦隊の壊滅による指揮系統の混乱と全軍のダメージのせいで効率は悪かった。太平洋軍に思う様なダメージを与えられていない。
そこに今度は鉄鋼弾攻撃だった。それがはじまろうとしていた。
「また一個消え去りました」
「あれはどうやら」
「セイレーンだな」
イギリスもわかった。その敵艦隊のことを。
「それがあっちに行ってるな」
「はい、魔術の艦隊もセイレーンには為す術がありません」
「姿が見えないので」
「本当にまずいな」
イギリスは表情にある苦々しげなものをさらに強くさせていた。
「これはな」
「ネルソン提督も捕虜になりましたし」
「頼みの魔術もこれでは」
「くそっ、まさかな」
イギリスの脳裏に不吉なものが宿った。それはというと。
「この戦いでもな」
「敗北ですか」
「遂にですか」
「かもな。これはな」
そのことを考えるしかない状況になっていることは確かだった。
「本当にまずいな」
「あの、祖国さん」
ここでクリオネがモニターからイギリスに言ってきた。
「ミサイル攻撃は凌ぎましたが」
「それでもかよ」
「はい、鉄鋼弾攻撃が来ます」
見れば太平洋軍が接近してきていた。そのうえで。
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