ヘタリア大帝国
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
TURN47 東洋艦隊全滅その二
「わかるわよ。あんたよりもね」
「艦隊の方がいいか」
「艦隊を出してもらったのは有り難いけれど」
だがそれでもだというのだ。
「ロボットには期待してないから」
「悲しいことだな」
「悲しいも何も事実でしょ」
クリオネの眉を顰めさせたうえでの言葉には微塵も容赦がない。
「銀河での戦いは艦隊で行なうものよ」
「ふん、俺はそんな常識には捉われないからな」
「勝手に言ってなさい。とにかくね」
ここでクリオネは前を見て言った。そこにはモニターがある。
そのモニターには太平洋軍が映っている。やはり魚が主力だ。
その魚達を見てだ。クリオネは言った。
「今回は絶対にね」
「勝つんだな」
「これでアラビアの権益まで失ったら面目丸潰れよ」
クリオネにしても意地があった。そして誇りもだ。
その誇り故にだ。彼女も言うのである。
「絶対に勝つわよ。今度こそね」
「そうか。それじゃあな」
「それじゃあって何よ」
「あんた顔もスタイルもいいからな」
ゴローンはクリオネのその顔立ちとスタイルを見て言う。
「コスプレとか似合うな」
「あんなの二度とお断りよ」
「普通のコスプレとかする気はないか」
「そんなのないわよ」
クリオネはきっとした顔になってゴローンに言い返した。
「ある筈ないでしょ」
「ブルマとかチャイナドレスとかバニーガールはどうだ」
「マニアックね」
「そういうのは好きじゃないか」
「ブルマってね。私はもう」
自分の年齢を考えるとそれはとてもだった。
「三十よ。三十でブルマって」
「しかしスタイルには自信があるな」
「胸もお尻も垂れてないし」
全て日頃の血の滲む様な努力の結果だ。
「ウエストだってね」
「引き締まってるな」
「これでも苦労してるのよ」
「それならそれを俺に見せる気はないか」
「ある筈ないでしょ」
クリオネはまたゴローンにこの言葉で言い返した。
「あんな恥ずかしい格好はね」
「全く。嘆かわしいな」
「あんたに言われたくはないわよ。それだけの魔術があって」
「俺は魔術の天才だ」
「代々の財産でヲタク趣味に没頭して」
「誰にも迷惑はかけてないからな」
「働く気ないの?占いなりして」
魔術といえば占いだ。それ故の言葉だ。
「そうした気はないの?」
「ないな。考えたこともない」
ゴローンは胸を張って述べる。ここでも胸を張っていた。
「全くな」
「それが駄目なのよ。つまりあんたニートじゃない」
「働かなくても生きていけるならばそれでもいいだろう」
「あんたはやり過ぎ。怠け過ぎじゃない」
「俺は怠け者ではない」
「怠け者でしょ」
働いていないからだとだ。クリオネは少なくとも勤勉なので彼女から見ればゴローンはそう見えるのだ。それ故の言葉だった。
「何処からどう見ても」
「全く。何処まで言われるのだ」
「体格もあるのに何やってるのよ」
「だから趣味に専念して生きている」
そのヲタク趣味にだというのだ。
「俺はそうしている」
「そういうのが駄目なんでしょ。とにかくね」
「太平洋軍が来ているな」
「頼んだわよ」
「任せろ。俺の魔術の艦隊は無敵だ」
その無敵の艦隊を入れて戦いに挑むエイリス軍だった。今両軍は対峙に入った。
砂嵐の中エイリス軍は見事な陣を敷いている。その先頭の艦隊を見てサフランが言った。
ページ上へ戻る