レーヴァティン
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第百七十七話 七尾城攻めその七
「あのカレーは最高だと思う」
「あのカレードライカレーに近いっちゃが」
「カレーの中で一番好きだ」
「そうっちゃか」
「だから今度な」
「食べに行くっちゃな」
「そうする、難波まで行ってな」
大阪のそこにというのだ。
「そうしてだ」
「それでっちゃか」
「食いに行く」
そうするというのだ。
「あのカレーに他のものも食うがな」
「他のものもっちゃ」
「そこから法善寺横丁に言ってだ」
そうしてというのだ。
「善哉も食う」
「夫婦善哉っちゃな」
「あそこの善哉も好きだ」
そうだというのだ。
「実にな」
「だからっちゃか」
「まずはカレーを食ってな」
「その足で法善寺横丁に行くっちゃな」
「そしてな」
そのうえでというのだ。
「善哉も食う、だが」
「だが?」
「俺は道頓堀や新世界も好きだが」
「あのお店っちゃか」
「なくなったことはな」
英雄はこれ以上はないまでに苦い顔になって述べた、そこには深い悲しみさえあった。なくなってしまったものを残念に思うものだった。
「それはな」
「残念っちゃな」
「大阪という街の象徴の一つだった」
「確かに」
その通りだとだ、愛美も述べた。
「あのお店はそうっちゃな」
「そうだった、他にも象徴はあるが」
「それでもっちゃな」
「なくなったことはな」
「そうですね、復活してくれたら」
謙二も苦い顔で述べた。
「いいのですが」
「そうだな」
「大阪になくてはならないお店ですから」
「その一つだからな」
「何とかです」
謙二も心から言った。
「もう一度」
「復活して欲しい」
「時代が変わっても」
「あの店そして看板はな」
英雄は強い声で述べた。
「何としてもだ」
「必要ですね」
「そうだ、だからな」
だからだというのだ。
「俺も思う」
「復活して欲しいと」
「そうな」
まさにというのだ。
「思っている、そしてあのカレーはな」
「永遠にですね」
「難波にあって欲しい」
そうだというのだ。
「心から願う」
「そうですね」
「そして善哉もな。大阪に必要だ」
まさにというのだ。
「何があってもな」
「全くです」
「だからな、今度な」
難波のカレーをというのだ。
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