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夫婦の妬み合い

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第三章

「だからいいだろ」
「じゃあ二人で二匹を可愛がるのね」
「そうしないか?」
 夫は妻に提案した。
「これからは」
「そうね、それじゃあね」
「ああ、考えてみたら子供は両親が公平に愛情を持って接しないと駄目だしな」
 二匹を自分の子供達と見ての言葉だ。
「それじゃあな」
「そうよ、じゃあね」
「チビもチョコもな」
「二人で平等にね」
「接していくか」
「そうしましょう」
「ああ、それじゃあな」
 二人で話してだった。
 夫婦はこの時からチビとチョコを二人で可愛がり平等に接する様になった、するとさとこの不満はなくなった。それでだ。
 さとこは弥生にまた会って話をした時にこう言った。
「今はチビもチョコもね」
「一緒になのね」
「二人で可愛がってるわ」
「それは何よりね」
「ええ、今は満足しているわ」
「それは何よりね」
「それで夫婦仲もね」
 こちらもというのだ。
「二人で二匹のことをいつもお話して育ててるから」
「色々買ってあげて病院にも連れて行ってあげて」
「そうしていってるからね」 
 だからだというのだ。
「余計に仲良くなったの」
「それはいいことね」
「ええ、それで今度ね」
 さとこは弥生にさらに話した。
「子供もね」
「いよいよなのね」
「そう話してるの」
「そうなのね、私もね」 
 弥生はここで自分のことを話した。
「彼氏とね」
「結婚するの」
「そうようかしら」
「いいじゃない、じゃああんたもね」
「今以上に幸せになることを考えるわね」
「それがいいわ、じゃあ今度はね」 
 さとこはさらに話した。
「出来たら子供のことをね」
「話してくれるのね」
「そう出来たらって思ってるわ」
 さとこは弥生に笑顔で話した、そうしてだった。
 今度はあらためてチビとチョコの話をした、その時のさとこの笑顔はとても優しく明るいものだった。


夫婦の妬み合い   完


                 2020・10・21 
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