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レーヴァティン

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第百七十六話 雪溶けと共にその七

 三日目の夕方に本丸の門を全て壊したところで城主から降ると言ってきた、彼はその申し出を聞いて述べた。
「よし、では城主と会ってだ」
「降ることを許す」
「そうされますか」
「これより」
「そうする、またこれまでの敵の戦いぶりはな」 
 英雄はこちらの話もした。
「見事だった」
「そうでしたね」
「実に」
「まさに一歩も退かない」
「そうした戦いでしたね」
「これだけの戦を出来たからにはな」
 それならというのだ。
「城主の力量もある」
「それは中々のもの」
「だからですね」
「これからは幕府の下で働いてもらう」
「そうしてもらいますか」
「俺は才あるものを用いる」
 そうするからだというのだ。
「城の者は誰も命を奪わずな」
「城主殿はですな」
「この辺りを収める領主共でもありますが」
「越後最大の大名でもある」
「そうした御仁ですが」
「この辺りは政もよく民も幸せに暮らしている」
 英雄は戦の前にそうしたものも見てわかっているのだ、そうしたものを見ることも政の一つであるからだ。
「ならな」
「そちらからもですね」
「城主殿を用いてもいい」
「そうお考えですか」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「だからな」
「会われて」
「お命を救われ」
「そうしてですか」
「幕臣とされますか」
「その様にする、では会おう」
 こう言ってだった、英雄は実際に春日山城の城主と会った。城主は自身の切腹を申し出たが英雄は彼に告げた。
「よい、だが従ってもらう」
「幕府にですか」
「これからはな、幕臣としてだ」
 その立場でというのだ。
「そうしてもらう」
「そうですか」
「そしてだ」
 英雄は城主にさらに話した。
「この地もこのままだ」
「それがしがですか」
「治めてもらう」
「そうして宜しいですか」
「見たところいい政だ」
 それを行っているからだというのだ。
「だからな」
「そうですか」
「それもいい」 
 幕府の将軍として述べた。
「ではこれよりはな」
「それがしは幕府の下でこの地を」
「大名としてな」
「そうですか」
「働いてもらう、それとだ」
 英雄はさらに言った。
「次の戦では先陣をやってもらう」
「それがしが」
「そうだ、そこで功を挙げてもらう」
 こう言うのだった。
「いいな」
「それでは」
「うむ、ではな」
 その様にというのだ。
「それでいいな」
「わかりました」 
 城主も頷いた、そうしてだった。
 戦のことも決まってだった、英雄は春日山城の修復も命じたうえで次の動きに入ることにした。だが。
 戦の後の修復に入った城を見て幕臣達に話した。 
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