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戦国異伝供書

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第百九話 白から水色へその一

                第百九話  白から水色へ
 氏康は話を終えてこう言った。
「いや、こうして語らせてもらいますと」
「北条殿もですな」
「色々あったとです」
 こう羽柴に応えた。
「思う次第です」
「確かに。北条殿もまた」
 羽柴もこう返した。
「何かとです」
「あったとですな」
「思った次第であります」
「お話は聞いていましたが」 
 明智も言ってきた。
「実際にご本人から聞きますと」
「それで、ですな」
「はい」
 まさにというのだ。
「あらためてわかりました」
「左様ですな」
「そしてです」
「そしてとは」
「北条殿は今はお茶をですな」
「よく飲んでいます」
 実際にというのだ。
「そうしています」
「そうなったのですな」
「あの頃から」
「やはり茶はよいですな」
「ですな、もう東国でもです」
 こちらでもというのだ。
「その様にです」
「茶を飲まれて」
「そうして楽しんでいます」
「それは何よりです」
「茶器もです」
 これもというのだ。
「よくです」
「集めておられますか」
「はい」
 そしてというのだ。
「その様に」
「いや、茶器もです」
 幻庵も言ってきた。
「よいものですな」
「ですな、戦の世も終わりましたし」
「これからは武士も文です」
「それに通じるべきで」
 それでというのだ。
「茶もです」
「はい、親しみ」
「そしてです」
 そのうえでというのだ。
「何かと学びましょう」
「これよりは」
「ははは、文となれば」 
 今度は政宗が笑って言ってきた。
「それがしもです」
「何かとですな」
「興味がありまして」
 そしてというのだ。
「学んでいます」
「そうですか」
「茶の道に和歌に」
 それにというのだ。
「包丁のこともです」
「そのこともですか」
「しておりまして」
 それでというのだ。
「学んでいます」
「そうですか」
「ではですな」
 柴田が笑って言ってきた。
「次はですな」
「それがしですな」
「はい、伊達殿のお話をお聞きしたいですが」
「それでは」
「まさかです」
 氏康は今度はこう言った。 
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