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レーヴァティン

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第百七十六話 雪溶けと共にその三

「まことにだ」
「かかるな」
「だからだ」
 それ故にというのだ。
「佐渡が全て降ったことはだ」
「よかったな」
「実にな」
 まさにというのだ。
「そう思う」
「その通りだ、もう佐渡では金山を掘ってだ」
 幸正はこの話もした、この浮島でも佐渡は金山で有名だ。
「そしてだ」
「その金をだな」
「幕府のものにしている」 
 その様にしているというのだ。
「有り難いことにな」
「多くの金が手に入っているな」
「そうなっている」
「そうだな、ではな」
「それではだな」
「佐渡の金は送っている」
「それも全土が手に入ったからだな」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「その為だ」
「佐渡が既に全土が手に入っていてよかった」
 英雄は心から述べた。
「まことにな」
「そして能登のことだが」
「ああ、水軍を使ってな」
「あの半島の北にもだな」
「軍勢を向かわせてだ」
 その様にしてというのだ。
「そしてだ」
「上陸させてだ」
 そしてというのだ。
「攻めていく」
「そして加賀を攻めて能登にまで達した兵と合流させる」
「その様にする」
「そちらは任せた」
 英雄は話す幸正に告げた。
「能登の北から攻めてもらう」
「ではな」
「あの辺りにも幕府に降った国人達はいるな」
「あちらは四割程だ」
「ではその国人達ともだ」
 英雄はその話を聞いて述べた。
「連携してだ」
「そうしてだな」
「能登を掌握し」
「そしてだな」
「越前から加賀に攻め入る軍勢と合流を目指してもらう」
「それではな」
「七尾城はまずは置いておいていい」
 攻めずともというのだ。
「それでもな」
「いいか」
「そうだ、あの城は後にしてな」
「まずはだな」
「能登から加賀に向かってもらう」
 こう幸正に話した、そしてだった。
 英雄はここで茶を飲んだ、そうしてからあらためて述べた。
「飛騨の道は険しいが」
「越中に入るまでもな」
 耕平がその道について英雄に応えた。
「随分や」
「高い山々が連なっているな」
「馬で進むのもしんどいで」
「そして大砲も運べないな」
「あの道はな、しかしな」
 耕平はその目の光を強くさせて述べた。
「それでもや」
「空船を使うとな」
「大砲も運べるで」
「そうだな」
「それでやな」
「あの道はな」
 英雄も話した。
「空船を多く配していたが」
「もうそのことをやな」
「既に考えていてだ」
 そうしてというのだ。 
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