ドリトル先生と牛女
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第三幕その七
「正気を疑われますね」
「そうだね」
「発言の内容もその前後から見ても」
「異常だね」
「それもテンションが高くて」
「だから僕は確信しているよ」
「あの作品のキャラクター達は実在していたら」
その場合はというのです。
「確実にですね」
「狂気の域に陥っているとね」
「断言されますね」
「電波という言葉があるけれど」
先生は日本で使われているこの言葉も出しました。
「まさにね」
「あの人達は、ですね」
「それを受信しているどころか」
それで済まないで、というのです。
「自分達でね」
「出していますか」
「その域だよ」
「そうですよね」
「日本には数多くの漫画があるけれど」
本当に数えきれないだけあります。
「その中でも屈指の狂気に満ちた漫画だよ」
「屈指ですか」
「うん、小説やアニメやゲームでも」
他の創作のジャンルでもというのです。
「あの漫画程狂気に満ちた作品はないよ」
「そうでしょうね」
「うん、特に主人公は」
このキャラクターはといいますと。
「絶対に精神病院に入ってもらって」
「治療を受ける必要がありますね」
「極めて深刻な状況にしか思えないから」
だからだというのです。
「本当にね」
「描いていた人達はどう思ってたんでしょうか」
「作品を創る中で」
「一体」
「わからないね、本当に正気とはね」
「思えない作品なので」
「だからね」
それでというのです。
「僕としてもね」
「わからないんですね」
「原作の人も作画の人も」
「他の携わった人達も」
「わからないよ」
本当にというのです。
「正気かどうかね」
「何があっても人類滅亡とかね」
「考えてみれば凄いね」
「そんな作品読んでるとね」
「それで心が支配されたら」
「よくないね」
「だから予言もね」
これ自体もというのです。
「どうするかでね」
「囚われない」
「それが大事なのね」
「いい予言なら実現する」
「悪い予言なら避ける」
「そう努力することだね」
「そう思うよ、僕はね」
先生は動物の皆にお話しました、そしてです。
日曜日朝ご飯を食べるとチャイムが鳴りました、すると。
玄関に口裂け女がいて赤い乗用車が停まっていました、するとです。動物の皆はその車を見て言いました。
「うん、口裂け女の車だね」
「はい、そうですよ」
口裂け女は先生ににこりと笑って答えました。
「言われていますよね」
「実際になんだね」
「口裂け女って赤い車に乗ってるんだ」
「そうしているんだ」
先生と一緒にいる動物の皆も応えました。
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