八条学園騒動記
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第五百八十四話 何もない様にその十
「常だろうね」
「ロシュフォール先生みたいな先生が」
「その軍隊でもね」
「怖い先任下士官がいて」
「それでね」
「引き締まるのね」
「憲兵さん達もいるし」
軍隊の中の警察である、軍隊の中で事件が起これば彼等が出て来てそのうえで捜査をしたりするのだ。
「そうした風紀を引き締める」
「そうした人達がいないと」
「逆にね」
まさにというのだ。
「まとまらずね」
「引き締まらないのね」
「どんな組織でもね」
「ううん、怖い人がいなかったら」
アロアは考える顔で述べた。
「それでね」
「平和にだね」
「なるって思ってたけれど」
「子供の時とか思うよね」
「担任の先生でも」
そうした人でもというのだ。
「優しい先生をね」
「願うよね」
「そうだったけれど」
「それでもね」
「怖い人もなのね」
「必要なのはね」
このことはというのだ。
「やっぱりね」
「世の中ってことなのね」
「そうだと思うよ、例えばね」
「例えば?」
「お菓子だけだと」
例えは食べものだった。
「甘くなり過ぎてね」
「口飽きするわね」
「けれどね」
そこでというのだ。
「お茶もあればね」
「渋かったり苦かったりの」
「そうしたのがあると余計にいいよね」
「お菓子がかえって進むわね」
「そうだよね」
「言われてみればね」
「だからね」
それでというのだ。
「怖い人もね」
「必要なのね」
「うん、しかし苦いものだけだと」
「嫌になるわね」
「怖い人ばかりでも」
それはそれでというのだ。
「そんな場所いたくないよね」
「絶対にね」
「部活の顧問が一人で」
ネロは今度はこう例えた。
「その顧問の人がヤクザ屋さんみたいだったら」
「逃げたくなるわね」
「そうなるよね」
「そういうことね」
「だからね」
それでというのだ。
「怖い人は必要でも」
「全員がとはなのね」
「いかないよ」
「そこは程度ね」
「うん、世の中はね」
「深いわね、ただね」
「ただ?」
「いえ、こうした時に風紀部がいてくれて」
そして頑張っていてくれてというのだ。
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