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おぢばにおかえり

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第六十話 朝早くからその二十八

 それで阿波野君に携帯で時間をチェックしてから言いました。
「もうお昼だから」
「帰りますか?」
「お昼どうするの?」
 阿波野君に顔を向けて尋ねました。
「それで」
「何も考えてないです」
「そうだったの」
「コンビニとかに入って」
「それじゃあお金かかるでしょ」
 このことが気になって阿波野君に言いました。
「だからね」
「コンビニじゃなくてですか」
「午後も案内させてもらいしね、この町」
 それでと阿波野君に言いました。
「だからね」
「それで、ですか」
「お昼は一旦お家に戻って」
 そうしてとです、阿波野君に提案しました。
「お昼はうちで食べて」
「そうしていいんですか」
「ええ、私はいいから」
 こう阿波野君に提案しました。
「どうかした」
「先輩のお母さんのお料理ですか」
「そう、どうかしら」
「そうですか、悪いですね」
「悪くないから」
 何か遠慮する阿波野君の背中を押す感じで言いました。
「よかったらお家に戻りましょう」
「それじゃあ」
 阿波野君も頷いてくれました、そうしてです。
 二人でお家に帰りました、するとお母さんがすぐに私ににこにことして言ってきました。
「どうだったの?」
「どうだったって?」
「だから二人で一緒にいてよ」 
 それでというのです。 
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