ドリトル先生と牛女
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二幕その七
口裂け女と名乗った人は先生にお別れの一礼をしてから去りました、その後で動物の皆は先生のお家に帰りながら言いました。
「口裂け女ってね」
「研究室でお話していたね」
「日本の妖怪じゃない」
「この学園にもいるって聞いてたけれど」
「本当にいたんだね」
「うん、この学園は世界屈指の妖怪心霊スポットだけれど」
先生も皆に応えて言います。
「実際にね」
「出て来たね」
「僕達の前に」
「何でもない感じで」
「六甲にお誘いかけてきたね」
「そうだね、今度の日曜日に」
まさにその日にというのです。
「なったね」
「そうだね」
「何ていうか急にね」
「日曜行くことになったね」
「口裂け女さんの車で」
「そうなったね、しかしね」
ここで先生は皆にこうも言いました、夕暮れの道を彼等と一緒に歩きつつ。
「口裂け女さんは色々言われていたんだ」
「そうだったんだ」
「別に悪い感じじゃないけれど」
「そんな妖怪さんだけれど」
「最初はあの姿で出て来てね」
マスクをした姿でというのです。
「あたし奇麗?って聞いてきたんだ」
「ああ、そのお話聞いたことあるよ」
「それでいいえって言ったら何もなくて」
「はいって言ったらマスク取ってね」
「耳まで裂けたお口見せて」
「これでも美人かって言うんだね」
「最初はそれだけだったのが」
皆が言う通りだったというのです。
「それがね」
「変わっていったんだ」
「そうだったのね」
「最初はそんな風でも」
「それが」
「男女二人連れになったり」
それかというのです。
「姉妹三人とか赤い車に乗って移動するとか」
「確かに変わっていってるね」
「どんどんね」
「何でそうなったのかな」
「不思議だね」
「襲ったりする様になって」
驚かせるだけだったのがです。
「いいえって答えてもそうなって」
「狂暴になっていったんだ」
「次第に」
「最初は驚かせるだけだったのが」
「そうなったんだ」
「そう、鎌とか鉈持ってね」
そうした刃物をというのです。
「口を裂いたり殺したり」
「それもう事件じゃない」
「人殺されてわからないの?」
「普通にわかるよね」
「切り裂きジャックみたいに」
「そしてどんどん凄くなって」
その狂暴さのお話がというのです。
「それでね」
「どうなったのかな」
「一体」
「今の時点で凄いけれど」
「人殺す様になったっていう点で」
「死神が持つみたいな大鎌を振り回して」
そうしてというのです。
「電話ボックスを真っ二つにしたとかね」
「もう滅茶苦茶だね」
「漫画でも物凄い迫力だよ」
「どんどんお話が大きくなって」
「遂にはそこまでいったんだ」
「これは皆があれこれ噂して」
先生は皆にお話しました。
ページ上へ戻る