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八条学園騒動記

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第五百八十四話 何もない様にその三

「いるわね」
「残念なことにね」
「この学園にもいるでしょうね」
「B3組の仲河ってのが酷いらしいよ」
「ああ、あの太って黒髪をセンターに分けた」
「アジア系のね」 
 その彼がというのだ。
「何でもね」
「そうした人なの」
「それで上には諂ってね、頼む時とか」
「それ以外は横柄なのね」
「随分図々しいらしいし」
「かなり嫌な人みたいね」
「それで嫌われてるみたいだよ」 
 そうなっているというのだ。
「それもかなりね」
「まあそんなのだとね」
「嫌われるよね」
「私その人よく知らないけれど」
「僕も聞いただけだけれどね」
「そんなになの」
「吹奏楽部にいるらしいけれど」
 部活はこちらだというのだ。
「そこでもね」
「嫌われてるのね」
「人の鞄平気で漁るらしいし」
「うわ、酷いわね」
「それで普段は横柄でね」
「頼みごとの時は諂うのね」
「そんな人間性らしいから」
 だからだというのだ。
「本当にね」
「嫌われてるのね」
「浅ましいって言われてえ」
「浅ましいって」
 その言葉を聞いてだ、アロアは言った。
「また随分な言われ方ね」
「そうだよね」
「ええと、二年B3組よね」
「そのクラスだよ」
「そこでも嫌われていて」
「部活でもね」
 両方でというのだ。
「そうらしいよ」
「成程ね」
「まあそういう奴がいなくて」
「うちのクラスには」
「よかったね」
「皆進んで動くからね」
 アロアも言った。
「文句言わないで」
「そうだね」
「本当にね」
「皆勤勉ってだけで」
「かなりいいわよね」
「本当にクラスにその中川みたいなのいたら」
 その場合はというのだ。
「もうね」
「それだけで嫌よね」
「浅ましい怠け者って」
 こうした人間はというのだ。
「あれこれ不満を言うかも知れないけれど」
「その不満がね」
「そのまま自分に返るよ」
「そうなるわね」
「そんな人がクラスにいないと思うと」
「それだけで高ポイントね」
「世の中色々な人がいるけれど」
 それでもというのだ。
「中にはね」
「そうした人もいて」
「そうした人がクラスにいたら」
「それだけで嫌ね」
「うん、というかね」 
 ネロは考える顔になって述べた。 
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