レーヴァティン
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第百七十五話 冬が終わりその五
「その頭も食う」
「頭も美味しいっちゃな」
「そうだ、だからな」
それ故にというのだ。
「刺身にしたならな」
「残った頭はっちゃな」
「もっと言えばあらもだ」
この部分もというのだ。
「吸いものに入れてだ」
「食べるっちゃか」
「そのあらもだ」
魚のそこもというのだ。
「実に美味い」
「隅から隅まで食べるっちゃな」
「魚はな」
「そうするっちゃな」
「内臓もだ」
これもというのだ。
「俺としてはな」
「食べるっちゃな」
「残さず食べることだ」
食べられる部分はというのだ。
「だからだ」
「頭はあらはお吸いものにして」
「内臓はな」
こちらはというと。
「焼いてだ」
「食べるっちゃな」
「全てな、そしてだ」
「楽しむっちゃな」
「その味の全てをな」
「そうするっちゃな」
「河豚は出来ないがな」
そうしたことはというのだ。
「どうしても」
「毒があるっちゃからな、河豚は」
「この世界でもな」
「種類によるっちゃが」
それでもとだ、愛実も話した。この世界でも河豚は結構な種類があり種類によっては毒がなかったり毒がある場所や強さも違っているのだ。
「内臓はっちゃ」
「毒があるのが大抵だ」
「肝は特にっちゃ」
「河豚の肝は美味いそうだが」
それでもというのだ。
「やはりな」
「毒があるっちゃ」
「それもかなり強いものがな」
「だからっちゃな」
「河豚も好きだ」
英雄は言い切った。
「かなりな、しかしな」
「それでもっちゃな」
「毒がある、生き返ることが出来ても」
それでもというのだ。
「そこまでして食おうとはな」
「思わないっちゃな」
「俺はな、だからだ」
「河豚の内臓は食べないっちゃな」
「特に肝はな」
そうするというのだ。
「そうする」
「それがいいっちゃな」
「そういえば自分内臓好きやな」
耕平は英雄のこの嗜好のことを言ってきた。
「生きものの」
「牛や豚でもな」
「鶏でもな」
「内臓、特に肝臓がだ」
「好きやな」
「内臓のあの癖がある味がだ」
まさにそれがというのだ。
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