レーヴァティン
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第百七十五話 冬が終わりその三
「これはな、このままだ」
「さらにですな」
「降る者を増やしていく」
「その様にしますな」
「そしてな」
そのうえでというのだ。
「出陣の時はだ」
「出来るだけ、ですな」
「戦をせぬ様にする」
「そうしますな」
「そのことを第一にする」
戦を出来る限りしない様にすることをというのだ。
「その様にする、いいな。そして民や田畑はな」
「手を出さぬ」
「一切、ですな」
「一銭も奪わぬ」
「そうしますな」
「戦をしてもだ」
それでというのだ。
「民は幕府の民になる」
「だからですな」
「これまで通り一切手を出さぬ」
「そうしますな」
「若しそれを行う者がいれば」
その時のこともだ、英雄は話した。
「容赦するな」
「切る」
「そうしますな」
「そして魂も消す」
「そうしますな」
「そして完全に殺すのだ」
魂まで消してというのだ。
「よいな」
「では」
「その様にしましょう」
「我々は」
「そうしましょう」
「是非な、そして兵達には常にたらふく食わせる」
飯の話もした。
「いいな」
「それもこれまで通りですな」
「その様にしていきますな」
「左様ですな」
「その様にな」
こうしたことも言いつつだった、英雄は政を進め春を待った。だが春はまだ遠く仲間達にはこう言った。
「時が経つのが長く感じる」
「春になるのがのう」
当季が笑って応えた。
「待ち遠しいのう」
「今はな」
「その気持ちわかるぜよ、しかしじゃ」
「待つしかないな」
「そうぜよ」
今はというのだ。
「だからぜよ」
「俺達としてはだな」
「待つぜよ、それと」
「それとか」
「美味いものを食うこともぜよ」
「することか」
「わしは昨日は河豚を食ったぜよ」
そうしていたというのだ。
「それでぜよ」
「俺もか」
「美味いもんを食って」
「そうしたこともしてか」
「時間を過ごすぜよ」
そうすればいいというのだ。
「待ち遠しいならのう」
「そういうことか」
「だからぜよ」
当季はさらに言ってきた。
「おまんもじゃ」
「美味いものを食ってか」
「そしてぜよ」
さらにというのだ。
「酒もじゃ」
「飲めばいいか」
「政もいいがのう」
「飲み食いもか」
「楽しむぜよ」
「女も楽しんでいるが」
「それもいいがじゃ」
それに加えてというのだ。
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