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新オズのオジョ

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第一幕その九

「楽しんできてね」
「はい、僕にとっては久し振りの冒険ですし」
「じっくりとね」
「そうさせてもらいます」
「そうしてきてね」
「後でお話聞かせてね」
 臆病ライオンと腹ペコタイガーもオジョに言います。
「一体どんな旅だったか」
「是非共ね」
「旅は最高の学問だよ」
 教授はにこりとして言います。
「そこから得られるものは非常に多いからね」
「皆と仲良く楽しんで」
 モジャボロは今もにこにことしています。
「食べることも飲むことも出会いも満喫してきてね」
「そうさせてもらいます」
「ではね」
「そうさせてもらいます」 
 こうお話してでした。
 オジョもオズマも皆と暫しのお別れの挨拶をしてでした、皆で笑顔で冒険の旅に出ました。するとです。
 オジョは皆にこう言いました。
「僕のお家までの案内は任せてくれるかな」
「道のことは知ってるのね」
「はい、お家から都まで何度も行き来していまして」
 こうオズマに答えます。
「ですから」
「それじゃあお願いするわね」
「そうさせてもらいます」
「ではね」
 オズマも笑顔で応えます、そうしてでした。
 皆はオジョの案内を受けて彼のお家までの道を進んでいきました、マンチキンの青い服を着た少年を見てです。
 神宝はオジョにこう言いました。
「僕達オジョさんと一緒にこうして冒険したことなかったですね」
「うん、会うこともね」
 オジョは神宝に笑顔で応えました。
「滅多にだったね」
「なかったですね」
「君達は何度もオズの国に来てくれているけれど」 
 それでもというのです。
「こうしてね」
「一緒にいることもですね」
「なかったね」
「そうでしたね」
「そう思うとね」
 さらに言うオジョでした。
「今回はいい機会だね」
「そうですね、それじゃあ」
「今回の旅は心ゆくまで楽しもうね」
「そうさせてもらいます、そういえば」
 ここで、です。神宝はこうも言いました。
「僕達オズの国の冒険でオジョさん位の人と一緒になったことなかったです」
「殆どの人が大人ですし」
「船長さんもモジャボロさんも」
「かかしさんや樵さんや大尉さんもそうですし」
「教授やカエルマンさんもそうした感じですしね」 
 五人でオジョに言います。
「特に魔法使いさんがそうですね」
「あの人は気さくでユーモアがあってしかも頼りになる人ですけれど」
「僕達にとってはお父さんよりも歳の離れた人で」
「オジョさんから見てもですね」
「リンキティンク王やボボ王子も大人の人ですし」
「僕はどうかな」 
 ボタンが五人に聞いてきました。
「オジョと同じ感じかな」
「ボタンは弟かな」
「オジョさんをお兄さんとしたら」
「僕達より三つ位下のね」
「オジョさんが三つ位上のお兄さんで」
「僕は弟なんだ」
 そう聞いてまた言うボタンでした。
「そうなんだ」
「そんな感じだよ」
「僕達から見たボタンはね」
「最初会ったときからそんな感じで」
「今だってそうよ」
「私達から見れば弟よ」
「成程ね、じゃあね」
 ボタンはこうも言いました。 
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