| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条学園騒動記

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第五百八十三話 文化祭スタートその九

「もう立場がね」
「ありますね」
「だからね」
 その為にというのだ。
「もうね」
「そうした次第です」
「よくわかったわ」
「ですから」
「物価のこともなのね」
「そうしたことはです」
 全く、というのだ。
「そうした次第です」
「そうなのね」
 ウェンディも納得して頷いた。
「そうした事情ってことね」
「左様です」
「王族だとね」
「そして皇室でもです」
「迂闊に自分がお店に行ったら」
「色々セキュリティの問題もありますね」
「世の中色々な人がいるから」
 ウェンディはこうも言った。
「テロリストとかね」
「はい、やはりです」
「テロリストが一番問題ね」
「何といいましても」
 ベッキーはこのことについては深刻な顔で述べた。
「彼等はです」
「何するかわからないわね」
「要人がその辺りにいますと」
 それこそというのだ。
「暗殺なぞです」
「普通にしてくるわね」
「実際にそうしたお話もありますね」
「ええ、あったわね」
 ウェンディは紅茶を飲みつつ応えた、彼女にしてもそうした話走っていて今その話を実際に出したのだ。
「ハプスブルク家ね」
「十九世紀のことでしたね」
「あそこの皇后さんがね」
「バイエルン王国の出の」
 この時代では王家として復活している、バイエルン王国の。
「ヴィッテルスバッハ家の」
「舌噛みそうになるわね」
「そうでしょうか」
「私としてはね」
「そうですか、とにかくです」
「そのヴィッテ何とか家のよね」
「ご出身の方で」
 ベッキーはさらに話した。
「エリザベート様でした」
「その人がよね」
「悲しいことですが」
 ラメダスも言ってきた。
「あの方が」
「暗殺されてたわね」
「無政府主義者に」
「もう要人なら誰でもよかったっていう」
「そうした者によってです」
 まさに丁度目の前にいてだ。
「針の様なナイフに刺され」
「暗殺されたのね」
「血は流れませんでしたが」
「奇麗なまま死ねたのね」
「それはそうですが」
 それでもというのだ。
「残念なことに」
「暗殺されたわね」
「はい」
 そうなったとだ、ラメダスも話した。
「そうなりました」
「そうしたこともあるから」
「王族そしてそれ以上の立場であられる」
「皇族ともなると」
「迂闊に市場に出るということは」
「出来ないのね」
「お忍びなぞです」
 それこそというのだ。
「全くです」
「実際は出来ないのね」
「お忍びと言っても」
 その実はというのだ。
「周りにです」
「ガードの人達がいるのね」
「左様です」
 まさにというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧