| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

レーヴァティン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百七十四話 冬の嵐その十

「そうなっていた様だな」
「機械が動いていたとか」
「そして大砲もより多くです」
「船も蒸気で動いていた」
「そう言われていますな」
「そうだ、二つの浮島の文明の程度は落ちている」
 世界が海に沈む前と比べてというのだ。
「そこも変えていく」
「では、ですか」
「書を調べてですか」
「この浮島ではなくなっている技術を復活させる」
「そうもしていきますか」
「そうも考えている」 
 実際にというのだ、英雄はこの世界の服を着ているがそれでも起きた世界のその時代の感覚から見て言うのだった。
「俺はな」
「左様ですか」
「それではですね」
「書を調べ」
「そのうえで」
「学者達にそうさせてな」
 そうしてというのだ。
「進めていこう」
「そしてですね」
「その技術もですな」
「海の魔神への力とする」
「左様でありますな」
「使えるものは全て使うことだ」
 それこそというのだ。
「だからな」
「それで、ですね」
「技術を蘇らせ」
「国を発展させ」
「海の魔神もまた」
「倒してだ」
 そのうえでというのだ。
「世界を救う」
「では」
「そちらもですね」
「進めていきますね」
「海の魔神のことはわからないが」 
 書を幾ら調べてもというのだ。
「しかしな」
「技術は違う」
「それで、ですね」
「調べてですね」
「蘇らせますね」
「その様にする」
 こう言って実際にそうさせた、兎に角だった。
 英雄は戦が出来ない間もやるべきことをしていった、そして冬が終わる時が来ることも待っていたのだった。


第百七十四話   完


                     2020・8・15 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧