ドリトル先生と琵琶湖の鯰
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第十二幕その八
「優しくて公平だからね」
「こんなにいい人いないからね」
ガブガブは心から思いました。
「他には」
「そう、その先生がいてくれるから」
ジップも言ってきました。
「僕達もいつも助かってるしね」
「それで琵琶湖の皆も助けてもらって」
今度はチーチーが言います。
「水族館や動物園にいる皆もだね」
「何かあったら先生がいてくれるから」
獣医さんであるだけでなく皆の言葉がわかるので何処がどう悪いかがわかる先生がとです、ダブダブは言いました。
「有り難いわ」
「若しも先生がいなかったら」
どうかとです、トミ―も言ってきました。
「沢山の生きものが困っていましたよ」
「だから先生はね」
本当にとです、王子も先生に言います。
「皆から慕われているんだ」
「皆を助けてくれますから」
「それも優しいし公平で温厚だから」
「そんな先生誰もが好きですよ」
「慕わない筈がないよ」
まさにというのです。
「皆の友達なんだよ」
「そのことは有り難いよ」
「そうだね、それと先生」
王子は先生にあらためて尋ねました。
「またサラさん来日するよね」
「今度の日曜にね」
「そうだね」
「何かと大変な時期だったからね」
「それでだね」
「久し振りの来日になるけれど」
それでもというのです。
「今度の日曜にね」
「来日するんだね」
「ご主人と一緒にね。それで暫く日本に滞在して」
そうしてというのです。
「お仕事をするよ」
「そうなんだね」
「それでうちにも来るよ」
先生達のお家にもというのです。
「そうメールで言ってきたよ」
「それは何よりだね」
「うん、じゃあね」
「今度の日曜はサラさんと会おうね」
「そうしようね」
笑顔でお話してでした。
皆はその日曜日にサラと会いました、サラはお家に来て西瓜をご馳走になってそのうえで先生に言いました。
「美味しい西瓜ね」
「気に入ってくれたかな」
「ええ、とてもね」
サラは先生に笑顔で答えました。
「幾らでも食べられるわ」
「それは何よりね」
「滋賀県の西瓜なんだ」
「滋賀県っていうと」
そう聞いてです、サラは先生に言いました。見れば先生達は四分の一に切った西瓜をスプーンで食べています。動物の皆もそれぞれ切った西瓜を食べています。勿論トミーと王子も西瓜をスプーンで食べています。
「京都府の東の県ね」
「知ってるんだ」
「そちらにもお仕事で行ったことがあるの」
それでとです、サラは先生に笑顔で答えました。
「実はね」
「そうだったんだね」
「関西はもうどの府県にも行ったわ」
「お茶を求めてかな」
「そうなの、いいお茶の葉を探して」
そうしてというのです。
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