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ドリトル先生と琵琶湖の鯰

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第十一幕その十

「僕がどうしても実践出来ない学問があるね」
「そうだよね」
「先生スポーツについてはね」
「研究や検証は出来てもね」
「先生自身がやるとなると」
「出来ないのよね」
「あらゆるスポーツがね」
 どうしてもというのです、とにかく先生はスポーツについては実践をしようとすると本当に駄目なのです。
「駄目だから」
「それはね」
「どうしてもね」
「先生にとってスポーツは」
「出来ることじゃないね」
「子供の頃からスポーツはからっきしで」
 とにかく何も出来ないのです。
「陸上も球技もね」
「駄目だよね」
「かろうじて泳げはするけれど」
「遅いしね、先生の水泳って」
「何か浮かんでるだけな感じだし」
「何も出来ないね」
「だからだよ」
 本当にというのです。
「スポーツは実践はしたことがないよ」
「ラグビーも野球もサッカーもね」
「バスケットボールも」
「マラソンなんて特にだね」
「本当に無理ね」
「うん、乗馬にしても」
 老馬に乗ることはといいますと。
「駆けることは出来ないからね」
「ただ乗ってるだけだよね」
「学生さんそれだけで凄いって言うけれど」
「他の馬じゃ落馬するしね」
「僕は老馬以外には乗れないよ」
 本当に彼以外にはというのです。
「だから全然凄くないしね」
「それでも理論はあるよね」
「トレーニングの方法も」
「そして食事のことも」
「それはわかるよ。例えばね」
 ここで先生がお話することはといいますと。
「野球選手には野球選手のトレーニングがあって格闘選手にはね」
「格闘選手のトレーニングがあるよね」
「ちゃんとね」
「そうよね」
「そう、格闘選手でもボクシングとレスリングで違うんだ」 
 そのジャンルによってです。
「それでね野球選手もポジションによって変わるよ」
「それがわかっていないとだね」
「トレーニングをしても駄目ね」
「それは先生いつも言ってるね」
「野球選手なのに格闘選手のトレーニングをして得意になっていたら」
 そうしたケースはといいますと。
「どうかってなるよ」
「だよね」
「見当違いもいいところだよね」
「野球選手には野球選手のトレーニングがあるから」
「格闘選手のトレーニングをしても」
「筋肉の使い方がそれぞれのスポーツであって」
 そしてというのです。
「それがわかっていないとね、食事もね」
「格闘選手って鶏のささみやゆで卵の白身食べるね」
「高たんぱく低カロリーで」
「それを食べるけれど」
「野球選手だとどうか」
「そうしたことを考えないで」
 先生は首を傾げさせつつ言います。 
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