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凍り豆腐

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第三章

「ですから」
「わかっておる、わしもな」
「それは、ですな」
「せぬわ、しかし会うことはな」
 このことはというのだ。
「するぞ」
「左様ですか」
「だからな」
 政宗はさらに言った。
「一つ考えがある」
「お考えといいますと」
「それは」
「触れを出す」
 政宗は明るく言った、そしてだった。
 早速自分が書いて触れを出した、城の正門の前に触れ書きを出したが仙台の民達はその触れ書きを見てこれはと思った。
「何と、雪女に会いに来いとは」
「殿様も妙なことをされるな」
「結構奇矯な振る舞いもある方と聞いておるが」
「これはまた奇矯な」
「雪女と会われるか」
「城に入れて」
「この様なおかしなことじゃ」
 民達はその触れ書きを見て言った、そして。
 片倉と成実も政宗に城の中で言った。
「まさかです」
「雪女を城に招くとは」
「そうされるとは」
「これはまた」
「そうは思わぬな、雪女が来たならな」
 その時のこともだ、政宗は幼い頃より共にいる両腕とさえ頼む二人に対して話した。
「共に酒を飲みながらな」
「話されますか」
「宴を開かれて」
「お主達も付き合え」
 政宗は笑って二人にも言った。
「よいな」
「それがし達もですか」
「雪女と会えといいますか」
「そうせよ、妖怪と会うなぞ滅多にない機会であろう」
「それは確かに」
「その通りですが」
「この機会を逃せば損じゃ」
 だからだというのだ。
「お主達もじゃ」
「左様ですか」
「三人で、ですか」
「雪女と会って話してな」
「共に飲む」
「そうせよというのですか」
「左様、よいな」
 こう言ってだった、政宗はまずは夜に雪が降るのを待った。そしてその日はすぐに来た。それでだった。
 政宗は自ら厨房に入り包丁を振るって料理の用意をした、そのうえで酒を用意して正門の方から人が来るのを待った。
 するとだ、片倉と成実が彼のところに来て言ってきた。
「女が正門に来ました」
「白い服に白い髪の毛の女で」
「肌も白いです」
「そして自分も雪女と名乗っています」
「通せ」
 政宗は二人に答えた。
「よいな」
「はい、それでは」
「これより」
 二人も応えてそうしてだった。
 早速何もかもが白い女が連れて来られた、部屋に入るとすうっと冷気が部屋に入ってきた。政宗はその冷気を感じて女に言った。 
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