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ドリトル先生と琵琶湖の鯰

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第九幕その四

「本当の意味で紳士で」
「公平な人だから」
「僕達にもそうだしね」
 トートーも先生を笑顔で見て言います。
「そのことがどれだけ嬉しいか」
「それでビワコオオナマズについても」
 ジップは先生のすぐ傍にいて言ってきました。
「相手のお話を聞いてから決めたいんだね」
「先生がそうした人だから」
 それでとです、老馬も言いました。
「田中さん達も今回お誘いしたしね」
「だから僕達としても」
「ビワコオオナマズと会いたいよ」
 オシツオサレツも二つの頭で言います。
「水面に出て来てね」
「そこで会ってお話をしたいね」
「それで相手が納得したら」
 その時にとです、ダブダブが言いました。
「水族館に来てもらうってことでね」
「それでいけたらいいわね」
 ポリネシアもこうした考えです。
「本当に」
「けれど鯰だからね」
 チーチーは鯰の行動から思うのでした。
「それは中々だね」
「普段水底にいるし夜行性だったかな」
 最後にガブガブが言ってきました。
「なら見付けにくいね」
「うん、夜に水辺で何かすることは危険だから」 
 特に泳げない先生はです、そのことは本当によくわかっています。そのうえで今回琵琶湖で頑張っているのです。
「早朝にしているけれどね」
「そうそう、夜の水辺は危ないよ」
「下手にお水の中に落ちたりしたら」
「先生の場合特に泳げないから」
「よくないよ」 
 動物の皆も先生がカナヅチであることを知っていて言います。
「それは絶対に止めようね」
「何かあってからじゃ遅いから」
「確かに夜行性の生きものもいるけれど」
「夜の水辺は本当に危険だから」
「うん、夜釣りも夜行性のお魚を釣れるけれど」
 そのことが楽しみでもというのです。
「やっぱりね」
「夜だからね」
「見えないからね」
「本当に危険だよね」
「アカエイとか釣ってね」
 そうしてというので。
「アカエイは毒針があるね」
「そうそう、尻尾の付け根にね」
「鉛筆みたいな凄いのがあるから」
「そんなの下手に釣ったら」
「大変なことになりかねないよ」
「そう、だからね」
 だからだというのです。
「夜釣りも危険だよ」
「若し下手に海に落ちたりしたら」
「泳げなくても危険だし」
「しかも鮫だって実は夜の方が活動的だし」
「海に落ちたらね」
「本当に大変なことになるから」
 それでというのです。
「夜の水辺は気をつけないとね」
「若し万全じゃないと思ったら」
「絶対にしたら駄目だよね」
「先生もそれがわかっているからね」
「しないのよね」
「そうだよ」
 その通りだというのです。
「僕もね」
「そうだよね」
「先生にしてもだよね」
「今回も夜は動かずにね」
「ホテルで休んでいるんだね」
「そうしているよ、本当にね」
 実際にというのです。 
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