| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

レーヴァティン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百七十二話 甲斐平定その三

「今回もな、だから遊べ」
「今は」
「その姿を敵に見せる」
「そして知らせる」
「そうしますか」
「それも俺達の戦だ、干戈を交えずともな」
 それでもというのだ。
「戦だ、では遊べ」
「わかりました」
「それでは」
「俺もだ」
 他ならぬ英雄自身もだった。
「酒にだ」
「女も」
「そちらもですね」
「楽しまれますね」
「女は五人用意しろ」
 英雄は持ち前の好色さも出した、実は暫く女を抱いていなかったのでそれならとも思っているのだ。
「いいな」
「わかりました」
「ではお楽しみ下さい」
「上様も」
「是非な、ただな」
 英雄はこうも言った。
「遊びはしてもな」
「それでもですね」
「油断はするな」
「それは忘れてはならないですね」
「囲み続けろ」
 敵をというのだ。
「いいな」
「遊びつつもですね」
「警戒はしていく」
「囲みは解かない」
「緩やかにもしないですね」
「そうしろ、では俺もな」
 英雄はまた自分のことを話した。
「女達とだ」
「楽しまれますね」
「その様にされますね」
「これより」
「そうされますね」
「そうだ、では本陣に入る」
 自分のところにというのだ、こう言って実際にだった。
 英雄は夜に五人の女達と宴を楽しんだ、そうして女達を一通り楽しんでから女達に対してこう言った。皆服が乱れている。
「もう一度だ」
「私達をですか」
「それぞれですか」
「抱いて頂けますか」
「そうして頂くのですね」
「その様に」
「そうだ、まだ夜は長いしだ」
 それにというのだ。
「俺自身もな」
「楽しめますか」
「私達全員抱いて頂きましたが」
「もう一度ですか」
「私達全員をですね」
「抱いて頂くのですね」
「俺は女は好きでだ」
 そしてというのだ。
「そちらの欲が尽きることはない」
「それでは」
「今宵はですね」
「これよりもですね」
「私達をそれぞれ」
「そうして頂きますか」
「お前達さえよければな」 
 英雄は女達に答えた。
「そうする、いいか」
「喜んで」
「私達もそうして頂けるならです」
「望むところです」
「抱いて頂けるなら」
「お願いします」
「ではな、俺は嫌がる女を抱く趣味はない」
 そうした趣味は実際に一切ない。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧