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新オズのつぎはぎ娘

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第七幕その一

                第七幕  二つ頭のドラゴン
 ドロシー達のお菓子の国を目指しての旅は続きます、その中で。
 ふとです、つぎはぎ娘はドロシーに言いました。
「何かね」
「何かっていうと」
「お天気よね」
「ええ、お空はね」
 ドロシーはお空を見上げて応えました、見れば快晴です。
「いつも通りね」
「確かにいいことだけれど」
 ドロシーの足元にいるトトがつぎはぎ娘にこう言いました。
「別にね」
「珍しいことじゃないっていうのね」
「オズの国は決まった時に雨が降るから」
「今は降らない時間ね」
「うん、だからね」 
 それでというのです。
「今晴れていてもね」
「別に言うことじゃないっていうのね」
「そう思ったけれど」
「いや、歌を思い付いたのよ」 
 つぎはぎ娘はトトに踊りつつお話しました。
「これがね」
「ああ、いつも通りに」
「そうなのよ」
「それで今から歌うんだ」
「そして踊ろうと思ってるけれど」
「じゃあそうしたら?」
 トトはつぎはぎ娘にこう返しました。
「君はそれが趣味だしね」
「もっと言えば生きがいよ」
「そうだよね、だったらね」
「そうしたらいいのね」
「別に誰も止めないし」
「悪いこともしていないわね」
「むしろ君の歌と踊りはね」
 トトはこのことは笑顔で言いました。
「人気があるし僕も好きだしね」
「楽しみにしてるのね」
「うん、だからね」
 それでというのです。
「そうしたいならね」
「やってみたらいいのね」
「今からでもね」
「じゃあね」
 つぎはぎ娘はトトの言葉を受けてでした。
 早速今自分達が歩いている煉瓦の道の上で歌って踊りました、つぎはぎ娘独特の明るい歌で跳んだり跳ねたりしています。
 その歌とダンスが終わってからです、つぎはぎ娘は皆に尋ねました。
「今回はどうだったかしら」
「うん、青空への賛歌だったね」 
 ジャックはつぎはぎ娘にこう答えました。
「今回は」
「ええ、青空を見て素敵だったからね」
「青空を讃えたんだね」
「奇麗なお空を見せてくれて有り難うってね」
 その様にというのです。
「歌ってね」
「踊ったんだね」
「そうだったのよ」
「ダンスの時の動きもよかったよ」
 かかしはそちらがいいとお話しました。
「君にしか出来ない動きでね」
「柔らかくてぴょんぴょんとしていて」
「うん、ポップでね」
「そして何度もくるくる回って」
「そのこともよかったよ」
「あたし身体の中に骨も筋肉もないから」
 ぬいぐるみの身体だからだというのです。
「どうも曲がるしね」
「そうだね」
「ぬいぐるみの曲がり方をするからね」 
 だからだというのです。
「踊りもよ」
「そうした動きが出来るね」
「そういうことよ」
「そうだね」
「あと身体を幾ら回しても目が回らないからね」
 樵はこのことについて言及しました。 
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