ドリトル先生と琵琶湖の鯰
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第五幕その十二
「もう他の人から見ればです」
「悪ですか」
「それも吐き気を催す位のものか」
先生はさらに言いました。
「自分が悪とは気付いていない」
「そうしたですか」
「最もドス黒い悪になっています」
「魔女狩りはそうですね」
「そうした人はもう手遅れかも知れません」
「暴走しても自分達が正しいと言うのなら」
「悪事を繰り返し」
そしてというのです。
「果ては破滅です」
「そうなりますか」
「そこまでの悪はもう神も救えないでしょう、むしろ」
「神の裁きを受けますか」
「そうした人こそです」
こう田中さんにお話するのでした。
「僕はそう考えます」
「そうですか、確かにそうですね」
田中さんも先生にその通りだと答えます。
「ヤクザ屋さんは自分達は悪だとわかっているので」
「自覚していると違いますね」
「案外そこにある悪意も歯止めが効きます」
「そうですね、しかし自分が悪と気付いておらず」
「暴走してもいいというのなら」
「もう止まりません、悪意がそこにあるなら」
その場合はといいますと。
「悪意も歯止めが効かず」
「何処までも肥大化しかつ暴走しますね」
「そして最後はです」
「最もドス黒い悪になりますか」
「僕はそう思います、何はともあれ正義も理性や良識、客観性がなくてはなりません」
こうしたものが備わっていないといけないというのです。
「若しそうしたものがなければ」
「正義ではなく」
「最悪の悪となるでしょう」
「原発反対もヴィーガンも同じですね」
「環境もです、文明にしても」
「自分が絶対に正しいと思うなかれ」
「常に間違いはないかと意識して」
そしてというのです。
「考えていき行いに注意する」
「そうでないと駄目ですね」
「僕はそう考えます、そのうえで」
「文明を発展させてですね」
「環境を保護していくべきです」
田中さんに落ち着いた声でお話しました。
「まことに」
「そこまでお考えとは」
田中さんは先生の考えに感嘆しました、そうして人類の文明と環境のお話をさらにしていくのでした。
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