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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百八十五話 色鉛筆その五

「幻覚や幻聴に身体もボロボロになって」
「廃人になるのよね」
「歯がボロボロになって」
 僕はその中の例えの一つを話した。
「全部入れ歯になって」
「身体がボロボロになるから」
「勿論骨もね」 
 そして骨の一部である歯もだ、括約筋も緩んで失禁もしょっちゅうになって普通のベッドじゃ寝られなくなったりもするらしい。
「そうなってその入れ歯から電波が来たとか言って」
「それが電波の語源?」
「みたいだよ、覚醒剤やってる人ってそう言うらしいから」
 そう思うと余計に怖い。
「東京から新幹線で九州まで行ってまた帰って」
「電波を受けてなの」
「敵が九州にいるとか何とか言って」
「それで新幹線まで使って行って」
「それで帰ってね」
 東京までだ。
「そんなことばかりで」
「滅茶苦茶ね」
「他にも幻聴とか観てね」
 こちらもある。
「それで暴れたりして」
「通り魔殺人もするのよね」
「そんな事件もあったね」
 その電波を受信したとかいう話のはじまりだ。
「全裸で街で暴れて」
「そうだったの」
「そう、それでね」
 そのうえでだ。
「何人も刺し殺したんだ」
「無茶苦茶ね」
「その無茶苦茶なことになるから」
 だからだ。
「麻薬はするなってね」
「そう思うでしょ」
「僕もね。けれど昔は合法だったから」
 その昭和二十年代はだ。
「やってる人いたんだ」
「昔はそうだったのね」
「うん、煙草屋さんでも売ってたし」
「それ言われてるわね」
「戦前なんて台湾だと阿片合法だったしね」
 ただし免許制で阿片は総督府の専売にしてそしてその免許も新たに出さないという長期的な阿片撲滅策であったのだ。
「そういうことも時代によって変わるよ」
「麻薬についても」
「阿片戦争にしても」
 この戦争もだ。
「確かにとんでもない理由で起こった戦争でも」
「阿片合法だったの」
「当時のイギリスでもね」
 そして清でもだ、林則徐が排除に乗り出すまでは。
「そうだったから」
「煙草みたいな感じだったのかしら」
「みたいだよ、シャーロック=ホームズでも出るし」
 イギリスに阿片窟がだ。
「ホームズもコカインやってるから」
「あっ、それはね」
「有名だよね」
「あの人そうよね」
「あと金田一耕助も」
 この人もだ。
「麻薬やってたね」
「その人もだったわね」
「アメリカ留学で覚えたらしいけれど」
 それでもだ。
「戦前の日本ではね」
「麻薬はよかったのね」
「だからそうした設定も付いたと思うよ」
「そうなのね」
「問題なかったから」
 流石に日常的に犯罪を犯している人を事件を解決する探偵にはしないだろう、マイク=ハマーも悪人を始末することもアメリカだから通じるのだ。日本でああしたことはそもそも銃を持っていないので出来ない。
「それでね」
「あの人も麻薬やってるのね」
「コカインだったかな」
 ホームズと同じくだ。
「やってるのは」
「それだけでも今じゃアウトだけれど」
「本当に当時はよかったからね」
「麻薬もよかったのね」
「だから坂口安吾もしてたし」 
 無頼派で有名なこの人もだ。 
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