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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百八十五話 色鉛筆その二

「早くね。とはいっても」
「月日が経つのは速くならないからね」
「だから気長に待ってるわ」
「あと三年だね」
「その三年ね。それも楽しくね」
「待つんだ」
「そうするわ。とはいってもこの町にいたら二十歳でなくてもお酒飲めるのよね」
 他のところだと二十歳からでもだ。
「町の条例で」
「ここは特別だよ」
「そうした条例があることは」
「うん、それはね」
 まさにだ。
「特別だよ」
「そうよね」
「八条町は昔からお酒をよく飲むから」
「昔はもう年齢制限なかったのよね」
「江戸時代とかはね」
 本当に皆が好きなだけ飲んでいたらしい。
「それで明治時代になって」
「お酒は二十歳からになって」
「そこで町の条例が出来たんだ」
「特別によね」
「十五歳からになったんだ」
 八条長ではだ。
「そうなったんだ」
「それでなのね」
「うん、それでね」
「私達も飲めるのね」
「そうなんだ、それで明日はね」 
 僕は香織さんにこのことも話した。
「飲んでくるよ」
「そうしてくるの」
「居酒屋でね」
「そうなのね」
「クリスマスは鶏肉と赤ワインでもね」
 この日はこの組み合わせで決まっているけれどだ、もっと言えば鶏肉はローストチキン以外にはないと言っていい。
「それとケーキでも」
「明日は」
「そう、クリスマスじゃないから」
 同じ十二月でもだ。
「そっちを楽しんでくるよ」
「義和結構居酒屋行くわね」
「好きなんだよね」
 香織さんに笑って答えた。
「だからなんだ」
「よく行くのね」
「そうなんだ、お刺身にね」
 居酒屋のメニューといえばまずはこれだ、僕としては。
「それでカルパッチョに枝豆に冷奴に卵焼きに」
「和食多いわね」
「そこにソーセージだね」
 これも個人的には欠かせない。
「後は焼きそばかな」
「そういうので飲むのね」
「飲むお酒はそれぞれだよ」
「日本酒とか焼酎とか」
「あと居酒屋だとワインは白だね」
 和食が多いからだ。
「唐揚げもイカゲソも食べてね」
「ワインは白ね」
「うん、赤だとね」
 どうしてもだ。
「和食が多いと合わないから」
「それでなのね」
「和食には赤ワインはね」
「確かにあまり合わないわね」
「和食は日本酒か」
 若しくはだ。
「白ワインかな、僕は」
「それか焼酎なのね」
「うん、焼き鳥も食べるし」
 こちらも好きだ。
「焼き鳥には焼酎が好きだから」
「成程ね、ただビールは飲まないの」
「あまり飲まないね、僕は」
「ああ、やっぱり」
「ビールは親父があまり飲まなくて」
「その影響なのね」
「親父が言うには痛風に気をつけているらしいよ」
 ビールの中のプリン体力が危ないということだ、実際にドイツ人はビールの飲み過ぎで痛風が国民病になっている。 
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