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新オズのつぎはぎ娘

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第四幕その二

「これでね」
「さて、よく見たらね」 
 かかしが言ってきました。
「周りに色々な生きもの達が寝ているね」
「眠り草に近寄ってね」
「それで寝てしまったね」
「そうよね」
「けれどね」
 それでもとです、かかしはそのムースやバイソンや兎達を見て言いました。
「もうこれでね」
「皆起きるわね」
「そうなるよ」
「眠り草がなくなったから」
「これで大丈夫だよ」
「しかし眠り草も急に生えてね」
 馬が困ったお顔で言います。
「それで生い茂るからね」
「大変よね、その時は」
「見付けたらすぐに伐採してね」
「燃やさないとね」
「周りの生きものや人が寝てしまうから」
「眠らなくて済む人達に動いてもらうか」
「防毒マスクだね」
 ジャックが言ってきました。
「あれを着けてね」
「やるかよね」
「それかオズマ達の魔法でね」
「一気に焼き払うかだけれど」
「火炎放射器もあるしね」
「ええ、けれどね」
「僕達がいるからね、今回は」
 それでというのです。
「何とかなったね」
「ええ、皆有り難うね」
「お礼を言われることじゃないわ」
 つぎはぎ娘はドロシ―に軽い調子で言いました。
「別にね」
「そうなの?」
「だってここで草を何とかしないとね」
「駄目だから」
「こうした時に何とかするのがオズの国の人でしょ」
 こう言うのでした。
「だからね」
「お礼はいいのね」
「そうよ」
 こうドロシーに言うのでした。
「別にね」
「そうなのね」
「あたしはお礼は人に求めないし」
「貴女はそうね」
「そう、それよりもね」
「踊って歌う」
「あたしがそう出来たらいいから」
 それでというのです。
「いいのよ」
「そうなのね」
「そう、そしてね」
 さらに言うつぎはぎ娘でした。
「これからだけれど」
「これから?」
「先に進むわね」
「ええ、そうするけれど」
「ちょっと寄り道するのもいいんじゃないかしら」
 こうドロシーに言うのでした。
「今は」
「そうかしら」
「だって今色々な生きものがいるから」
 それでというのです。
「今から皆起きてくるし」
「その生きもの達とお話しようっていうのね」
「そうよ」
 その通りだというのです。
「いいでしょ」
「そうね、言われてみれば」
「それじゃあね」
「いいね」
 ドロシーが頷いてトトもでした。 
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