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新オズのつぎはぎ娘

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第四幕その一

                第四幕  困った草木達
 ドロシーは旅を続ける中で皆に言いました。
「ここから少し問題よ」
「どうしたの?」
「少し道を進んだらね」
 つぎはぎ娘に答えます。
「眠り草が密集しているところにあたるのよ」
「前にここに来た時はなかったよ」
 臆病ライオンがドロシーに言います。
「急に出たんだ」
「そう、最近ね」
 ドロシーは臆病ライオンに答えました。
「それでね」
「その眠り草にだね」
「注意しないとね」
 そうしないと、というのです。
「その場で寝ることになってしますわ」
「それは問題だね、寝てしまったらね」
 どうなるかとです、腹ペコタイガーも言います。
「そこからずっと進めないからね」
「ただの冒険なら一気に駆け抜けるけれど」 
 眠ってしまう前にです。
「それじゃあ後に行く人達が困るから」
「ここで草を刈ってね」
 樵が言ってきました。
「なくしておかないとね」
「ええ、後に来る人達の為にね」
「そうしておくべきよ」
「そう、僕達はオズの国の政治を行う立場にあるからね」
 かかしはその立場から言うのでした。
「ここは何とかしないといけないよ」
「後に来る人達の為に眠り草を何とかする」
「それも政治だね」
「ええ、それじゃあ」
「ここは草を刈って根を引っこ抜いてね」
「草をなくすべきね」
「そうしよう」 
 かかしはドロシーに言いました。
「ここはね」
「それじゃあね」
「じゃあね」
 ここで言ったのはジャックでした。
「僕達で引っこ抜いていくよ」
「貴方達でなの」
「そう、ドロシー達眠ってしまうけれど」
「それでもね」
「僕達は寝ない身体だから」
 このことから言うのです。
「眠り草も効かないから」
「それでよね」
「そう、僕達で何とかするよ」
「僕は草を噛んでから引っこ抜くよ」
 身体全体で引っ張ってとです、木挽きの馬もドロシーに言います。
「だからね」
「貴方達がそうしてくれるのね」
「是非ね」
「これだけ寝ないで済む人達が揃ってるから」
 つぎはぎ娘はくるくると踊りつつ言いました。
「すぐに終わるわよ」
「それじゃあ」
「ええ、そこに着いた時はね」
「僕達に任せてね」
 またジャックが言ってきました、そうしてです。
 一行は旅を続けてでした、それから。
 眠り草が見えてきたその時点で樵やかかし達がすっと前に出てです、眠り草、かなり伸びていて蔦みたいになっているそれ等をです。
 片っ端から全力で引っこ抜いていってでした、最後に。
 樵が他の皆を遠くにやってから油とライターを出してでした、集めた草達に火を点けて燃やしてしまいました。
 そして草達が燃えた後でドロシーに言いました。
「これで大丈夫だよ」
「眠り草はなくなったわね」
「無事に全部引っこ抜いて燃やしたよ」
「だからなのね」
「うん、もうね」
「安心ね」
「そうだよ」
 こうドロシーにお話します。 
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