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レーヴァティン

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第百七十話 甲斐攻めその五

「ならないわね」
「そうだな」
「今も何だかんだでね」
「飯と一緒に食っているしな」
「そうね」
「やはり米だ」
 またこう言うのだった。
「それは本当に強く思う」
「そうね」
「酒も米のものだからな」
「そのことから考えても」
「米は絶対だ」
 この浮島ではというのだ。
「だから甲斐でも主食になる様にする」
「そうなるわね」
「あの虫がいないなら有り難いしな」  
 日本住血吸虫がというのだ。
「何よりもな」
「あの虫ね」
「何よりも有り難い」
 この虫がいないことはというのだ。
「まことにな」
「それは本当にね」
「聞けば聞く程恐ろしい虫だ」
「命に関わるし」
「しかもだ」
 それに加えてというのだ。
「根絶することもな」
「物凄く手間がかかるわね」
「この世界の技術ではほぼ不可能だ」
 そこまで難しいというのだ。
「上下水道を徹底して普及させないとな」
「出来ないから」
「だからだ」
 それでというのだ。
「この世界にあの虫がいなくてな」
「よかったわね」
「実にな、ならな」
「そのことにも安心して」
「治水を行う、川にいる魔物や獣はな」
 彼等のことも話した、確かに日本住血吸虫はいないがそれでも川や池にそうした存在がいるのがこの世界なのだ。
「倒す」
「そうしてよね」
「安全にしてだ」
 そのうえでというのだ。
「そしてだ」
「治水ね」
「安全に川に入れないとな」
「どうしてもね」
「民は安らかになれない」
 だからだというのだ。
「ここはだ」
「魔物達についても」
「倒してだ」
 そうしてというのだ。
「それからだ」
「治水をするのね」
「そうしていく」
「そういうことね」
「川や池には魔物や獣は少ないがな」
「あまり出ないわね」
「湖もな」
 浮島を囲んでいるそれもというのだ。
「然程出ない」
「草原よりもね」
「草原はあまり出ず森はそれなりに出てだ」
「山にね」
「結構出る」
「そうね」
「そしてこの浮島は山が多い」
 このこともだ、英雄は指摘した。
「どうもな」
「というかぜよ」
 当季が言ってきた。
「この浮島はのう」
「大きく四つの島があるがな」
「そのどの島もぜよ」
「山が多いな」
「七割はぜよ」
 それこそというのだ。
「山ぜよ」
「そうだな」
「そこに魔物や獣がよおさんいるぜよ」
 そうだというのだ。
「まっことのう」
「そうだな」
「だから結果的にぜよ」
「魔物や獣が多いな」
「そうした浮島ぜよ」
「そうだな」
「まあ多くの民がおるところには殆ど出んきに」 
 当季は飲みつつさらに話した。 
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