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レーヴァティン

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第百七十話 甲斐攻めその二

「そうしたものを使うとな」
「まっこと美味くなるぜよ」
「その通りだな」
「和食はこの二つ特にお醤油に頼り過ぎているという意見もあるんじゃが」
 それでもというのだ。
「それでもぜよ」
「そうしたものを使うとな」
「美味しくなるぜよ」
「全くだな」
「それで今食っちょるほうとうも」
 これもというのだ。
「まっことぜよ」
「味噌を使っているからな」
「尚更美味しくなってるぜよ」
 そうなっているというのだ。
「まっことのう」
「野菜のだしが出ていると共にな」
「あと鰹節でもだしを取っちょるが」
 それに加えてというのだ。
「そこに加えてぜよ」
「味噌も入れたからな」
「余計に美味いぜよ」
「全くだな」
「しかもお味噌がいいので」
 謙二はにこりと笑って述べた。
「尚更ですね」
「いいな」
「はい」
 まさにというのだ。
「このほうとうは」
「しかも味噌の味がな」 
 英雄はここで酒を飲んだ、そうしてまた言った。
「酒に合う」
「そりらもいいことですね」
「酒は大好きだ」
 英雄はこうも言った。
「俺は甘いものも好きだが」
「お酒もですね」
「こちらも好きだ」
 その両方がというのだ。
「それでだ」
「今も飲まれていますね」
「日本酒にはどうしても甘いものは合わない」
 その味故にだ、これがワイン等洋酒になると違う。
「しかし俺はな」
「おはぎや羊羹も召し上がられますね」
「そしてこうしてだ」
「お酒もで」
「このほうとうの味噌の味付けもな」 
 これもというのだ。
「いい」
「左様ですね」
「だからほうとうが好きになった」
「よいことですね」
「甲斐では主食というな」
「あと男爵芋や薩摩芋もです」
 謙二はこの作物達の名前も出した、言いつつ鍋の中から里芋を取り出してそれを自分の碗の中に入れて食べた。
 そうしつつだ、こう言った。
「主食です」
「米が採れない地域も多くてだな」
「確かに中央には大きな川が流れていますが」
「それだけではな」
「南北の山地の民達はとなりますと」
「米がどうしても少なくな」
「そうしたものを食べています」
 ほうとうや芋をというのだ。
「そうしています」
「そうか」
「ですから甲斐ではです」
「どうするかだな」
「山地も実は水はあるので」
「水田を作られる位のだな」
「ただ銭がなく」
 それでというのだ。 
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