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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百八十四話 テストが終わってその十一

「女子寮は色々注意することが多いみたいよ」
「厳しいところなんだね」
「宝塚程じゃなくても」
 またこちらの話が出た、とにかく女の人の社会で厳しい場所というとここだという話に今の僕達はなっているからだ。
「厳しいわよ」
「そうなんだね」
「まあ宝塚もいじめの話あるけれど」
「それ聞いたことあるよ、僕も」
「嘘か本当かわからないけれど」
 それでもというのだ。
「宝塚もあるわね」
「そうでなくても上下関係厳しいっていうね」
「それはあっても」
 それでもとだ、僕にさらに話してくれた、
「厳しいということだとね」
「宝塚は凄いね」
「そのことは事実で」
「それで」
「例えに出したけれど」
 それはというのだ。
「実際にね」
「うちの学園の女子寮も厳しいんだね」
「そうみたいよ、いじめ防止のことで」
「上下関係もかな」
「やっぱり同じお部屋だとね」
「三年生の人が一番だね」
「偉いと思うわ」
 もうこのことはすぐにわかった、普通の学校生活でもそうだからだ。
「そのことはもう基本よね」
「三年生の人が部屋長で」
「二年生、私達がね」
「中間だね」
「それで一年生が指導を受けるのよ」
「やっぱりそうなるね」
「何かこの部屋割って天理高校がそうみたいなのよ」
 奈良県にある天理教の学校だ、野球にラグビーに柔道そして吹奏楽が有名だけれど弦楽や雅楽でも有名だ。
「あの学校もね」
「あっ、そういえば」
「義和も聞いたことあるでしょ」
「八条家って天理教だからね」
 明治の頃からの信仰だ。
「それで信者になってる教会の娘さんが天理高校出身で」
「お話聞いたことあるの」
「あちらの寮のお話もね」
 今これを思い出した。
「それでね」
「今言うのね」
「うん、あちらの寮もね」 
 天理高校の寮は五つあるとのことだ。男子寮に女子寮そして野球部とラグビー部そして柔道部の寮だ。
「三年生と二年生と一年生がね」
「一人ずつ三人でね」
「一緒にいるみたいだよ」
「そうよね」
「それで女子寮だとね」 
 この寮だとだ。
「他の寮より三年生の人が強いってね」
「聞いたのね」
「幸い娘さんが一年生の時の三年生の人は凄く優しい人で」
 娘さんが真剣にお話してくれたことだ。
「天理教のこともよく知っていてしかも美人さんで」
「そんな人だったの」
「しかも兵庫の人で」
 つまり娘さんと同じ出身地だ、神戸市ではないらしいけれど同じ県だ。
「色々すぐに仲良くなれてね」
「よくしてもらったのね」
「娘さんが言われるには凄くいい人みたいだよ」
「そうした人が同じお部屋で」
「よかったって言ってたよ」
 心からの言葉だった。
「だから悪く言われると嫌だともね」
「何か尊敬している感じね」
「実際にそんな感じがするね」
 僕にしてもだ。 
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