新オズのつぎはぎ娘
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第二幕その五
「またね」
「楽しみにしておいてね」
「うん、その後でミュージッカーさんの動画も観るし」
「あの人のもなの」
「あの人の歌もいいからね」
「そうね、ただあの人は歌だけね」
つぎはぎ娘はくるくると踊りつつ言いました。
「踊りはね」
「踊ってるよ」
「けれどあたしみたいな踊りじゃないわね」
「だから君の踊りは特別だから」
「あたし以外には踊れない踊りなのね」
「そうだよ、だからまた別だよ」
「そういうことね、それとね」
こうも言うつぎはぎ娘でした。
「あたし色々な踊りも踊りたいの」
「君の踊りだけじゃなくて」
「そう、社交ダンスとか日舞とかもね」
「日舞っていうと日本のだね」
「オズの国にもあるでしょ」
その日舞がというのです。
「そうでしょ」
「オズの国にも日系人の人いるしね」
「その人達が踊ってるわね」
「そういうのを観てだね」
「あたしも踊りたいって思ってるの」
「そうなんだね」
「ラップは踊るしタップダンスもするけれど」
そういった踊りだけでなくというのです。
「中国の踊りもコサックダンスもサンバも」
「それで日舞もだね」
「歌舞伎とか能の踊りにも興味あるわ」
「色々知ってるね」
ジョージはつぎはぎ娘のそのお話を聞いて少し驚きました、そのうえで彼女に対してこう言うのでした。
「つぎはぎ娘が歌舞伎や能の踊りするんだ」
「ええ、機会があったらね」
「ううん、ちょっと想像がつかないな」
「貴女に歌舞伎や能ね」
ドロシーもつぎはぎ娘にお顔を向けて言います。
「どうもね」
「イメージじゃないかしら」
「私もね」
こう言うのでした。
「ちょっとね」
「そうなのね」
「ええ、悪いけれど」
「悪くないわ、あたしのイメージからよね」
「日舞にね」
それにというのです。
「歌舞伎や能はね」
「イメージじゃないのね」
「ちょっと想像がつかないわ」
「だから機会があればね」
その時はというのです。
「能を演じたりね、歌舞伎だと藤娘とか」
「藤娘なの」
「あの踊りをしてみたいわ」
こうドロシーに言うのでした。
「一度でもね」
「そうなのね、まあ機会があったら」
「踊るわ」
「それじゃあね」
「それじゃあ?」
「途中にダンスの村があるわ」
ここでドロシーはその村のお話をしました。
「このまま行けば明日には着くわ」
「そうなの」
「そこではオズの国の全てのダンスが踊れるから」
「じゃあ歌舞伎や能も」
「さっきもお話に出たけれどオズの国には日系人の人もいるから」
「日本文化もあるから」
「だからね」
それでというのです。
「踊れると思うわ」
「それはいいことね」
「じゃあ明日ね」
「その村に行くのね」
「そうしましょう」
楽しくお話をしつつです、一行は旅をしてです。
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