高コスト
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第二章
「防衛費をその分防衛の色々な分野に回せるからね」
「安く出来ればですね」
「その分違うし」
「やっていきますね」
「うん、しかし小銃まで高いね」
大泉は八九式小銃や六四式小銃のコストも見て言った。
「こうしたものまで」
「とかく何でも高価なのですね」
「自衛隊で使っている兵器はね、国産が特にね」
それがというのだ。
「本当に凄いコストになってるよ」
「イージス艦にしても戦車にしても」
「航空機は多くがアメリカから購入しているけれど」
それでもというのだ。
「国産のものもあって」
「その国産のものがですね」
「高いからね、何とかして」
「そしてですね」
「改善していこう」
「そうしていきますか」
「今結構有権者の人達から要望が来ていることも」
地元の人達だけでなくサイトにもメール等で色々来ているのだ。
「そうしたことも勉強して政策や法案を出していくけれど」
「自衛隊の兵器のこともですね」
「勉強してね」
そしてというのだ。
「さらにね」
「政策として提議されますか」
「僕は野党の人達みたいにはなりたくないよ」
彼等を反面教師としているというのだ。
「あの人達が政権を担っていた時にしたことはね」
「最低でしたね」
「本当にあんな風にはなりたくないから」
だからだというのだ。
「学んでね」
「そのうえで」
「提議しよう」
こう言ってであった。
大泉は党内でもこのことを話し自身のサイトでも問題として挙げた、するとそれなり以上に反響があった。
松田はサイトの掲示板やメール、そして党内での意見を大泉に話した。
「結構です」
「この話はだね」
「その通りと言われていますね」
「そうだね、アメリカ軍の戦車が日本円で五億だよ」
大泉は比較対象としてこの国の兵器の名前を出した。
「M-1がね」
「あの有名な戦車がですね」
「それで我が国の九〇式は十億だったんだよ」
「一〇式でも七億で」
「ドイツ軍を見れば」
今度はこの国を出した。
「レオパルド2が三億数千万」
「九〇式一両で三両買えますね」
「うん、ただね」
ここで大泉はこうも言った、移動中の車の中で松田と話している。
「ドイツは平地でね」
「日本は山ばかりですからね」
「平地で戦う為の戦車は山で使えるか」
「その問題はありますね」
「だからドイツ軍の戦車は買えないにしても」
「自衛隊の戦車は高過ぎますね」
「ちょっとない位にね」
そこまでコストに問題があるというのだ。
「勿論他の兵器もだからね」
「どの兵器も優秀ですよね」
松田は大泉に肝心の性能のことを問うた。
「自衛隊のものは」
「うん、そのことはね」
「間違いないですね」
「世界でもトップクラスの兵器ばかりだよ」
大泉もこのことは事実と断言した。
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