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ドラえもん のび太の転生ロックマンX(若干修正版)

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アイゾック

21XX年 

イレギュラーハンター 復興作業現場

「エックス隊長、これが今日の作業現場の地形です。」

ビートブードは作業現場のすぐ近くに建てたテントの中で、マップを表示させて本日の作業内容を報告する。

「今日はいつもより被害が少ないエリアだな。」

「そうですね、優先的に行ったのはひどい状況の場所ばかりでしたから。ですから今回は休息を入れながら作業の予定です。昼ぐらいにイーグリード隊長のデスログマーが資材と一緒に弁当も届けてくれるそうですし。」

「じゃあ、取り敢えずみんなは撤去作業、残ったメンバーは周囲の警戒でいいわね?」

「たまには休日が欲しいよぉ~。」

マンドリラーは欠伸を掻きながらも瓦礫の撤去作業に取り掛かり始める。

「17部隊、今日は楽だからって気を抜くんじゃないわよ!!」

「「「「はい!」」」」

今日の作業現場はイレギュラーを一通り一掃したため、残党に備えてエックスたち上級ハンターが警備に付き、作業は一般ハンターたちが行う。いつもと変わらわぬ一日が始まろうとした中、現場にあった大型モニターが復興への応援メッセージのコマーシャルから突如どこかの施設の演説へと切り替わった。

「ん?」

「なんなのかしら?こんな時期に演説なんて。」

『放送を見ておられる視聴者の皆様方。番組の途中ではあるが突然のご無礼を申し上げます。私は、ナイトメア調査員の取り締まりを務めるアイゾックという者です。この放送は現在地上にいるレプリロイド諸君に聞いていただきたい。』

アイゾックと名乗る老人型レプリロイドは、回線を通じて各地に放送を流していた。

『地球上に残ったレプリロイド諸君、既に知っていると思うが今各地で不可解な現象が起きている。我々はその現象を「ナイトメア」と呼ぶことにした。それは人間で言うところの「夢」・・・・・いや、「悪夢」に似た幻をレプリロイドに見せることによって、混乱や、酷い時には暴走を始めたり、自らをデリートしてしまうこともある。』

「ナイトメア・・・・・」

「確か昨日の会ったハイなんとかが言っていた言葉よね?」

エックスたちは作業を中断して、アイゾックの演説を聞く。

『先のスペースコロニーの破片落下事件及び世界中へのウィルス汚染により、レプリロイドは甚大な被害を受けた。もう、これ以上の犠牲を出すことは出来ない!!』

アイゾックの演説は何か妙な魅力を感じられた。しかし、それは惹かれるという意味ではなく何か危険な誘惑にも聞こえた。

『今度こそ地球の存亡の危機に関わるであろう・・・・・・そこで事態を重く見た我々はナイトメア現象の謎を解明すべく、疑いのある8つのエリアに調査員を送り込んだ。何せナイトメアはあの名を馳せたイレギュラーハンター ゼロ・・・・・彼の亡霊が原因であるという情報もある。』

「「「なっ!?」」」

「ゼ、ゼロ隊長の亡霊!?」

アイゾックの言葉を聞いて一般ハンターたちとビートブードは目を大きく見開く。

「俺には何を言っているのか全然わかんないよ~。」

マンドリラーは別として。

「ゼロの亡霊だって!?勝手なことを!」

「あのジジイ、一体なんの根拠で言ってんのよ!」

エックスとマーティも面白くなさそうな顔をする。頭に来てモニターを壊そうかと思ったがその直後にエイリアから通信が入る。

『エックス、マーティ、落ち着いて。』

「「エイリア!」」

『二人の気持ちはわかるわ。でも、最後まで聞いてみましょう。』

二人はゼロに濡れ衣を着せられたことにいら立ちながらも演説を聞き続ける。

『さて・・・・ここで有志を募るとしよう!!我々と志を共にする者達よ、力を化してもらいたい!この8人の調査員の下に集え!!我々の目的はナイトメアの撲滅。そして、ゼロの亡霊を消すことである。未来のため、来たれここに!!』

「ふざけやがって!!」

「ゼロ隊長を犯人扱いしやがって!デタラメ言うな!!」

エックスの部隊のハンターは怒りのあまりにモニターに向かって石を投げるものまで現れ始めた。それとは裏腹に演説現場ではアイゾックを支持することを決めたものが多いのかモニター越しにレプリロイドの歓声が上がっていた。

「はあ・・・・・もう、アンタたちそう言うのはやめ・・・・・」

『なお、このハイマックスが調査員のリーダーとして参加しておる。』

「!?」

「あれは!?」

アイゾックの隣に映るハイマックスの姿を見て、エックスとマーティは同時に彼の危険性を感じ始めた。

『我らのところに来れば身の安全は保障しよう。イレギュラーハンターもレプリフォースも壊滅は免れたものの機能を維持することが限界・・・・・・未来は我らと共に自らの力で守ろうではないか!!待っているぞ!諸君!』

それだけ言うとアイゾックの演説は終了し、モニターはまた復興応援のためのコマーシャルに戻った。呆然とするエックスたちだったがすぐに我に返ると怒りが込み上げてくる。

「・・・・ふ、ふざけてる!ゼロを・・・・ゼロのことをそんな風に!!」

「全くよ!みんなを救うためにゼロはアイリスやアタシたちと一緒に命を懸けて戦ったのよ!それを!!」

「エックス隊長、副隊長、落ち着いてください!!二人の怒りの顔で部下たちが怯えています!?」

怒りの形相をしている二人に対してビートブードは必死に落ち着かせようとする。その後ろでは全員が二人の顔を見て怯えている。

『・・・・い、今は何を言われても仕方ないわ。私はモニター越しで姿は確認できなかったけどエックスたち二人
の目の前にゼロの姿をしたナイトメアが現れたんでしょ?』

「・・・・・くっ。」

『私達も調査する必要があるわね、ナイトメアの正体を。今はアイゾックやハイマックスのことに関しては放っておきましょう。』

「うぅ・・・・・・いまいち納得できないけど、エイリアの言うとおりね。っで、疑いのあるエリアって言ってたけど、一体どんなところよ?調べられない?」

『ちょっと待ってて・・・・・・・・・・駄目だわ。激しい電波障害が起こっていてここからでは調べる事が出来ないわ。』

「・・・・なら乗り込むしかないか。直接ナイトメアに触れる事が出来るかもしれないし、さっきの調査員って言うのも気になるしな。」

『だったら、二人は一回ハンターベースに戻って来てちょうだい。丁度フォースのアップデートも終わったところだし。』

「わかった。ビートブード、悪いけど現場の指揮を任せるよ。」

「了解、隊長たちも気を付けて行って来てください。」

二人に対してビートブードは敬礼する。

「すまないな。最近変なことばかり起こっているというのに。」

「えぇ・・・・・・・あの事件の後、墓地に行ったら兄貴とアルマージ含めるレプリロイドの亡骸が盗まれたり、今回のナイトメアといい、いい話ではありませんからね。」

「ほんと、最近妙なことばかりね。早いとこ終わらせて羽を伸ばしたいわ。」

「そうですね。」

そう言うとエックスとマーティは先に転送装置でハンターベースへと戻って行った。

































22世紀 タイムパトロール本部 尋問室

「・・・・・呼び出しが来るまで待機と言い渡したはずだがよりによって怪我をしているロボットに攻撃を加えようとするとは一体どういうつもりかね?キッド君。」

翌日、キッドはタイムパトロール本部からの呼び出しで出頭していた。しかし、それは現場復帰ではなく、先日の問題行動についての尋問だった。

各署の復旧作業が終わっていないこともあり、キッドの尋問を行っているのは長官であった。

「・・・・・・キッド君、私は別に君の言い分を疑っているわけではないのだよ?ただね、君の証言によれば本部を襲ったのは黒い体色のはずだ。それに対して昨日搬送されたロボットの体色は赤、それに恋人と思われる女性型と一緒にだ。とても同一人物だとは言い切れないのではないかね?」

「で、でもよ!」

「今、病院で彼ら二人のメモリーバンクに接続して映像記録を取らせている。それによっては本部を襲ったのと同一かどうかわかるだろう。尋問についてはこのくらいにしておくが今後はこう言った行いは謹んでくれたまえよ?君を逮捕するということはしたくないのでね。」

「長官!俺はアイツがどうしても別人だとは思えないんだ!!現に俺は奴の目の前で攻撃を受けた!姿だって目に焼き付いている!忘れたくても忘れられねえ・・・・・・・アイツがもし同一の存在だったら修理した時取り返しのつかねえことになる!!その前に・・・・・」

「言ったはずだよ?君たちロボットも我々人間のように平等に権利を持っている。彼らを一方的に排除するなどそれはもってのほかだ。」

「・・・・・・・だったら!あの人を呼び戻してくれよ!!」

部屋を立ち去ろうとする長官に対してキッドは机を叩きつけながら言う。

「・・・・あの人とは?」

「長官だってわかっているはずだ!元タイムパトロール所属の警部のあの人を!俺の先輩で当時の新人からは『輪っか警部』とかって呼ばれていたあの人を!!あの人だったら奴に十分対抗できる!!」

キッドの言葉に長官は足を止めるがすぐに答えた。

「・・・・・彼はもう引退した身だ。呼び戻すにしても失礼だろう。」

「そんなこと言っている場合じゃないんだ。仮に大丈夫だったとしても奴が手に負えない奴だったらそれこそ・・・・・」

「それに彼は今家族持ちだ。彼の方も家族を大事にしたいと思う年頃だろう・・・・」

「長官!!」

一歩も退かない長官に対してキッドは苛立つ一方だった。

「もういい!!長官が呼び戻す気がねえってんなら俺が説得しに行く!!」

「キッド君!?」

尋問室から走って出て行くキッドを長官は、呼び止めようとしたがキッドの耳には入ってこなかった。

彼ならあのロボットに対抗できるかもしれない。

「先輩なら対抗できるはずだ・・・・・・・リング先輩なら・・・・・・・」






























21XX年 ハンターベース

ハンターベースに戻ったエックスとマーティは、エイリア、シグナスとナイトメアの調査を行うべく、調査員のいるという8つのエリアを確認していた。

「我々はこれからナイトメアの実体を突き止めるべく、アイゾック達が送り出した8体の調査員のいるエリアに乗り込む。しかし、今のイレギュラーハンターの状況からして、このミッションを実行できるのはお前たち二人が限度だ。レプリフォースもフクロウルが迅速に再編を行っているがペガシオンなどの指揮官が前線に復帰できない事態で支援はないと思った方がいいだろう。危険が伴う任務になりそうだが正体を突き止め、被害を最小限に抑えなければならない!奴の言っていたようにこれ以上レプリロイドを失わせるわけにもいかないからな。やれるか?」

「・・・・・・やるよ。ゼロナイトメアの正体を突き止めてゼロの無実を晴らさなければ気が済まない!」

「あの爺さん、何か怪しいしね。きっとどっかで良からぬことを企んでいるに違いないわ。とっちめてやらなくちゃ!!」

二人の反応を見てシグナスは少し安心する。

「・・・・・・その意気なら問題なさそうだな。だが、無理をするなよ。今はお前たちが頼りなんだ。」

「たった今ナイトメアエリアと調査員のデータがわかったわ。でも、ナイトメアエリアは電波障害で詳しい状況が分からないわ。」

「直接乗り込んで見れば問題ないでしょ?アタシたちに任せればどうといったことはないわ!!ねっ!エックス!!」

「マーティ・・・・・ちょっと、言い過ぎじゃないか?」

「いいの!このくらいで行かないと!」

「・・・・・・・」

意気揚々に言うマーティを見ながらエイリアは複雑そうな表情で確認したデータを見る。

「じゃあ、取り敢えず調査に行ってくるよ。」

「今回は一人で行かない方が賢明だろう。ナイトメアがどのような影響を与えるか分からないからな。」

「・・・・・あー、あの・・・・・エックス・・・・・・」

「ん?」

「う、ううん・・・・・何でもないの。・・・・・・気をつけて2人共・・・・・」

「あ、あぁ。行ってくる。」

(・・・・・あのエイリアの態度・・・・・なんか一瞬変に見えたような・・・・・・・)

二人はエイリアの態度が少しおかしいと感じながらも調査へと出発する。二人が立ち去り、シグナスとも別れるとエイリアは、一旦自室へと戻りあるデータ端末を取り出す。

『レプリロイド工学研究所 試作型レプリロイド報告書』




























???

ハア・・・・・ハア・・・・・・・

また、この夢か。

いつも目を閉じて眠りにつくたびにこの悪夢・・・・・いや、あの残酷な光景を見る。

吹雪が吹き荒れる雪山の中をある場所を目指して逃げる私たち、私たちを狩るべく政府が開発した情けなどの感情を一切持たない殺戮マシーンの集団。

抵抗を試みるものの私たちは一人、一人と次々に破壊されて行く。

水中探査用に作られた身でこんな雪山で満足に体が動かせないほど凍りかかっているにもかかわらず自分から囮に出たダイブ。

自分の腕のドリルがなくなるまで攻撃をやめなかったドリル。

残ったエネルギーをすべて使い果たして逃がしてくれたファラオ。

碌に武装もしていないのに自分から囮になって破壊されたトード。

・・・・・・そして、負傷した私を自分のパーツで修理してくれた後、私から遠ざけるために八つ裂きにされたブライト・・・・・。

逃げる以前にいたもう一人の兄弟は作業現場で破壊されて合流できなかった。

ブライトの最期を見たとき、私の中の何かが吹っ切れ、怒りのあまりに奴らを破壊した。ボロボロに傷つきながらも・・・・・一人・・・いや、一体でも多く道連れにするために。


何故、私たちが破壊されなくてはならないのか?

博士が一度とはいえ世界征服に手を貸したせいか?

Dr.ライトが無責任に世間から消えたせいなのか?

奴らに両腕を破壊され、体をハチの巣にされながら私は泣きながら言葉を漏らした。




『博士・・・・・お嬢様・・・・スカ・・ルマン・・・・教えてくれ・・・・・・・ なぜ・・・・・・・何故、私たちはこの世に生まれたのだ・・・・・・・・・』

その後私は、崖から落ちてその意識を途絶えた。

























22世紀 とある会社

「・・・・・・にん、主任。リング主任!」

「はっ!?」

ある旅行会社で一人のロボットが部下の女性ロボットの声で目を覚ます。

「ま、また、夢か・・・・・・・・・」

「大丈夫ですか?あまり顔色良くないようですけど?」

女性ロボットは、彼をジロジロ見る。

「い、いや、すまない。最近どうもよく眠れなくてな、睡眠不足なんだ。」

「リング主任が仕事中に寝るなんて珍しいですね。奥さんと喧嘩でもしたんですか?」

「そんなことはないさ。私は喧嘩など一度もしたことがないんだぞ。妻の方からも喧嘩など一度も吹っ掛けられたことがない。」

「それもそうですね。主任、みんなからも愛妻家として知れ渡っていますし・・・・・」

「からかうんじゃない!さっ、さっさと今日の分を終わらせるぞ。」

彼は、そう言うとパソコンの操作を再開する。

「確か次の団体の深海旅行プランの打ち合わせだったな?向こうの業者とも確認しないといかんな。後、来年以降の月旅行のコースの取り決めも控えていたな・・・・・・・」

彼は夢の出来事を忘れようと仕事に打ち込む。

しかし、その手は誰にも見えないところで震えていた。


























???

一方別の場所では、不気味な作業台から一体のロボットが目を開いた。

「・・・・・・・・」

ロボットは目を覚ますと自分の体を見始める。

「・・・・・どうなってやがんだこりゃあ?」

「お目覚めかしら?」

「!」

彼が声のした方を見るとそこにはベルカナが待っていた。

「・・・・・・・・・」

「いやねぇ、そんな怖い顔しないでちょうだいよ。」

「・・・・・・・お前、何者だ?ワイリーの手先じゃなさそうだが。」

「えぇ、その通りよ。私は貴方の味方、貴方をあんなくらいカプセルの中から・・・・・あら?」

ロボットは腕からガトリング式のバスターを展開してベルカナに向ける。

「余計なことしやがって・・・・・誰が生き返らせてくれって頼んだ?」

「ちょ、ちょっと・・・・・・・武器を向けなくてもいいじゃない。私、女よ?」

「女?フン、お前みたいな得体の知れない女に武器を向けねえバカなんていねえよ。」

ロボットは起き上がってベルカナにバスターを突き付けたまま脅す。

「さあ、お前の製作者様の所に案内しろ。さもねえと、この施設を徹底的に・・・・・・・」

「次に目覚めた方は随分と攻撃的なようですね?」

「!」

ロボットは、ベルカナの肩を掴みながらバスターを向ける。そこには別のロボットたちが立っていた。

「データから考えると私たちよりもかなり・・・・いや、それ以上に旧式のようですがスペックはそれ以上はありそうですね。」

「何だお前たちは?」

「貴方の同類・・・・とでも言いましょうかね?もちろんあなた同様に一度処分という形で死にましたが。」

「・・・・・・・・」

「彼女を破壊するのは容易なことでしょうが私たち全員を相手にするのなら分が悪いと思いますよ?何しろここにいる方々は全員戦闘型ですからね。」

「何?」

ロボットは驚いた表情でバスターを戻して言う。

「貴方の時代では珍しいようですが我々は元々戦闘することを前提に開発されている存在です。」

「・・・・・・・・それは本当か?」

「えぇ。まあ、オペレーターなどの非戦闘用は存在しますがね。」

「・・・・・・結局歴史は繰り返されるってか。」

そう言うとロボットは抵抗する気をなくす。その目は何かに失望しているようにも見えた。

「・・・・っで、俺をどうしようって言うんだ?」

「何もしませんよ。ただ、我々の息を吹き返させた博士に挨拶していただくだけですよ。」

「・・・・・・碌でもねえ奴しか想像できねえな。」

そう言いながら彼は、他のロボットたちについて行く。

「はあ・・・・・もう、一言ぐらい謝りなさいよ!」

さり気なく文句を言うベルカナを無視して。
 
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