ドラえもん のび太の転生ロックマンX(若干修正版)
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ROCKMANX6
ナイトメア
・・・・・・・それは3週間前の出来事。
チャモチャ星と友好関係を結び、大戦の傷跡を癒しつつあった地球の外に浮かぶスペースコロニー「ユーラシア」はシグマの策略により呆気なく占拠された。
シグマの雇った所属不明のレプリロイド ダイナモの操作によりユーラシアは地球へと急接近、地球滅亡のカウントダウンが開始された。
イレギュラーハンターの努力によりコロニーの激突は阻止され、地球は何とか滅亡を回避できた。
だが、その裏でシグマウィルスによって多くのレプリロイドが犠牲となり、暴走メカニロイドによる破壊活動によって各地にひどい爪痕を残した。
そして、シグマとの死闘の末エックスたちは命からがらシグマを倒すことに成功するが、帰還したのはエックスとそのパートナーマーティのみであった。
見覚えのある2本のセイバーを握り締めながら・・・・・・・・・
・・・・・・・3週間後の現在。
ウィルス汚染によって各地に大きな傷跡を残した地上はレプリロイドが辛うじて活動できる程度に鎮まりつつあり、イレギュラーハンター、レプリフォースが懸命に復興作業を開始し始めていた。
だが、その裏でまた何かが起ころうとしていた・・・・・・
別の世界でも・・・・・・・・・
ドラえもん のび太の転生ロックマンX6 「ザ☆ドラえもんズ 繋がる友情」
旧零空間跡地
地球各地で復興作業が開始されると同時に零空間があったこの場所は悔やまれながらも行方不明になったイレギュラーハンター ゼロとそのパートナー アイリスの捜索を打ち切られていた。
そんな場所へ興味本位で一人のレプリロイドが足を踏み入れた。
「一体・・・・・・この場所で何が起こったんだ?コロニーの落下は阻止できたと聞いていたが。暴走メカニロイドによる被害、破片の落下による被災を考えれば・・・・・・・結果は同じだったのかもしれない。人間の犠牲は少なかったようだが・・・・・今回の事件でどれだけのレプリロイドが犠牲になったのだろうか?」
そう言いながら僅かに残った破片を拾って見る。ちなみにほとんどの瓦礫は捜索が打ち切られると同時に撤去され、処分場で処分された。
「滅亡が免れただけでも良かったとでもいうのか?・・・・・・それだけじゃない、何かが起ころうとしている。この胸騒ぎは一体・・・・・・!」
彼は埋もれかけていた破片を拾う。それはほかの瓦礫とは違い、何かのパーツの一部だった。
「何かの破片だな・・・・・しかもこの状態から見ると戦闘によって破損したものだ。ここで何か激しい戦いでもあったのか?ん?待てよ・・・・・!?こ、これは!?」
レプリロイドは何かに気づいたのか驚きの声を上げながら破片を持ったまま、その場から去って行く。
その様子を遠くからシェードマンが見ていたというのも知らずに。
「やれやれ・・・・・また、良からぬことが起こりそうですね。博士に一応報告でもしておきますか。」
一週間後
ある研究所
「ハーハッハッハッハッハッ!遂に完成したぞ!!」
破片を持ち帰った青年レプリロイドは、破片を解析し導き出された答えを見て狂気の笑い声をあげる。それは科学者としての欲求なのか、それともただ狂っているのか。
「この冷静な僕があまりのことにおかしくなってしまいそうだ!ハッハッハッハッハッ!!」
彼はしばらく笑い続けるがふとしたことで笑うのをやめ、頭を押さえながら落ち着く。
「・・・・・・フウ、いけない。まだ、これからなんだ。・・・・・・・だが、これでいい。これで今まで僕の研究を理解すら出来なかった奴らを・・・・・この世の下等なレプリロイド達全てを僕の下に服従させるために!できる・・・・・クックククク・・・・できるぞ・・・・・・レプリロイドだけの理想の世界・・・・・僕が全てを支配する素晴らしい世界が!!ハッハッハッハッハッハッハッ!!」
その日、彼の笑い声は研究所の隅々まで聞こえていた・・・・・。
22世紀 ロボット病院
ここは、ドラえもんの故郷である22世紀の日本にあるロボット病院。
「・・・・ったくよぉ。別に迎えに来てくれなんて頼んでいないぜ。」
ドラ・ザ・キッドは、着替えながら愚痴る。謎のロボットがタイムパトロール本部襲撃の事件後、重傷を負った彼はこの病院に搬送され、今日まで入院していた。
「そうはいかないわよ!タイムパトロールの長官さんからキッドは元気になったからって無茶するから見張ってほしいって頼まれたんだから!」
そんなキッドを相手にロボットが返事をする。彼女の名はドラミ。ドラえもんの妹ロボットであり、キッドとはロボット学校の卒業式時に発生した大型コンピューター「ダディ13号」の暴走事件時に共に行動して以降、親しい間柄になっている。そんな彼女が彼の元に来たのはタイムパトロール本部からの頼みだった。
「けどよぉ・・・・・・・」
「本部が襲われて大怪我したって聞いたときはビックリしたんだからね。長官さんから戻って来ていいように言われるまで待機!」
「そりゃあないぜドラミ・・・・・・・」
「はい、セワシさんたちには許可もらったからしばらくは私の家で大人しくしてもらいますからね!」
ドラミは、そう言うとまとめた荷物をキッドに渡す。キッドは反抗する余地もなく素直に受け取る。
病院を出た後、二人はエアーカーをレンタルして街の方に買い出しに出かける。
「・・・・・なあ、ドラミ。ドラえもんの奴、元気か?」
「うん?お兄ちゃん?」
「かなり前に友達が亡くなったとかでひどく落ち込んでいた時期があったじゃんかよ。その友達の妹の世話をするって行ってまた過去に行ったそうだけど・・・・・大丈夫なのか?」
「あぁ・・・・・・大丈夫みたいよ、お兄ちゃん。この間帰ってきたんだけどすごく元気だったし。」
キッドの言葉に対してドラミは楽しそうに答える。
「そうか。」
「なんかね、死んだのび太さんに会ったんですって。」
「ん?さらに過去にでも行ったのか?」
「それが信じられない話なんだけどみんなと別世界に行ってきたんですって。」
「別世界?」
奇妙な顔をしながらキッドはドラミの話を聞く。
話によるとドラえもんは、タイムマシンで未来に帰ろうとしたところ時空間の歪みに掴まって別世界に飛ばされ、そこでロボットに生まれ変わったのび太に再会したという。
そして、タイムマシンを直している間、様々なロボットたちと戦ってきたんだとか。
「・・・・・・・すげえ、壮大な話だな。」
「でしょ?私はお兄ちゃんが態々作り話をしていたと思っていたんだけど話を聞くとどうしても本当に聞こえるの。」
「ドラえもんの奴、小説家になれるんじゃねえのか?最近はやってんだろ?異世界に飛ばされた主人公物の話。それぐらいの内容だったら食っていけるレベルだぜ。」
「どうかしらね?少し前にお兄ちゃんが健診受けに行ったとき玉美ちゃんのお世話に行ったんだけど絵見せられて・・・・・・・」
そんな会話をしながら二人はエアカーを駐車場に止めて買い物を始める。
「おっ!ガン〇ォルトの最新作じゃねえか。最近忙しくてやってなかったんだよな・・・・・・」
「ゲーム買いに来たんじゃないのよ?」
「わかってるよ。・・・・・まあ、買っても積みゲーにするのがオチだからな。」
一瞬ゲーム棚のソフトを取ろうとしたキッドであったがドラミに言われて渋々取るのをやめる。
「今日、セワシさんのお母さんたち遅いって言うから私が代わりに夕食作ってあげないとね。」
「へえ・・・・・・っで、何にするんだよ?」
「今日はお肉も安いからカレーにしようかしら?」
「いいんじゃねえか?ついでにデザートにどら焼き焼いてくれよ。お前の作るもん店のよりうまいからさ。」
「・・・・・・・」
キッドに言われてドラミは少し睨みつける。
「な、なんだよ?」
「キッド・・・・・そう言うけど、どうせまたケチャップとマスタードかけるんでしょ?」
「えっ!?何がおかしんだよ!?どら焼きにケチャップとマスタードなんて最高のコンボだろ!?」
「どこが最高よ!世界中のどら焼き職人に謝ってきなさい!」
「何だよそれ!?俺に言うんだったら王ドラやドラリーニョの方がよっぽど変だぞ!?あいつ等なんかラー油やタバスコかけてんだぞ!?俺の方がまだましな方だぜ!」
「はあ・・・・・・・・なんでドラえもんズってこうもどら焼きの食べ方に偏りがあるのかしら・・・・・・」
ドラミが頭を抱えながら呆れているとふと店に取り付けられているテレビのニュースに目が行った。
『臨時ニュース速報を申し上げます。本日、主婦層に話題のトランポリンとボクササイズを融合したエクササイズ「ホップボクササイズ」の生みの親として知られているラバーマン氏が昨日何者かに誘拐され、消息が不明となりました。ラバーマン氏は室内アスレチック「ポインポインパーク」のインストラクターロボを務めており・・・・・・・』
「ラバーさんが?」
ニュースを見てドラミは愕然とする。
「どうした?」
ドラミの態度の変化を見てキッドもニュースを見る。
「誘拐か・・・・そう言えば入院中も見ていたけどここ最近多いな。」
「・・・・・・みんな私の同級生なのよ。ロボット学校の・・・・これで八件目よ。」
ドラミは複雑そうな顔で言う。
「一体犯人は何が目的なのかしら?」
「さあな、ドラミも気を付けた方がいいんじゃねえか?まっ、こんなへちゃむくれを連れ去るような奴はいないと思うけどな。」
「キッド~~!!!」
「やべっ。」
ドラミの怒りの形相を見てキッドは素早く逃げ去って行った。
21XX年 ハンターベース
一方こちらは、ハンターベースのメディカルルーム。
ここでエックスは数日ぶりにメンテナンスカプセルの中で仮眠をとっていた。
『・・・・・・ックス・・・・・・・エックス。』
夢の中では聞き覚えのある声がエックスに呼びかけていた。
『目を覚ませ、エックス。今はお前たちしかいないんだ。お前たちが戦わなければ誰が戦うんだ?早く目を覚ますんだ、エックス!!』
(ゼロ・・・・・・ゼロなのか?一体・・・・・・・)
行方が分からなくなった戦友の幻聴を聞くエックスだったが何者かがカプセルを叩く音と同時に夢から現実へと引き戻されて行った。
「・・・・・ックス!エックス!起きて!!巨大メカニロイドが暴れているの!」
外からのエイリアの声にエックスは目を覚まし、カプセルから出る。
「エイリア、場所は?」
「ポイント2099367よ。すぐに現場に急行して!」
エイリアに言われてエックスは、急いで手渡されたファルコンアーマーを装着して出動する。
現場に到着するとそこは大気圏で燃え尽きなかったコロニーの残骸が落下によって赤茶けた大地と破壊された廃墟が目前に広がっていた。
「エイリア、ここのイレギュラー反応は?」
『このエリアのメカニロイドはほぼイレギュラー化しているわ。久しぶりの戦闘だから気を付けてエックス!』
「アーマーもセイバーもあるから大丈夫さ。」
『ごめんなさいね、本当ならフォースの方がよかったのにアップデート中で今外せないから。ファルコンの方も突貫工事で修復したからプログラムが不完全でフリームーブとスピアチャージショットの性能が低下しているわ。でも、ギガアタックとかは威力は落ちていないし、フリームーブには及ばないけどフォースよりも少し長めのエアダッシュが使えるわ。』
「落ちているところは自分の力で何とかカバーするよ。贅沢も言ってられないしね。とにかくメカニロイドを止めてみせる。」
『そうね、先にある廃墟の入り口まで急いで!』
エックスは、バスターを撃ちながら先へと進んで行く。途中には暴走したメカニロイドが何体かいたがあるものはバスターでそのまま破壊し、あるものはZセイバーで斬り捨てた。そして、しばらく進むとバスターで破壊できない特殊金属ブロックに差し掛かった。
「チャージショットが効かない・・・・・・・」
『そのブロックは特殊合金で加工されていてバスター系の光弾は拡散してしまうようね。でも、Zセイバーのようなものなら破壊することができるわ。』
「わかった。」
エックスはセイバーを振り上げてブロックを斬る。一撃では破壊できないもののブロックの表面が歪み、何度も斬りつけると切断することができた。
「ゼロのセイバーのおかげで何とかできた。本人だったら一撃で破壊できるかもしれないけど・・・・」
エックスはそう言いながらもダッシュをしながら天井から落下してくるドリル型メカニロイドの攻撃を避け、現場へと急ぐ。
奥まで進むと負傷して逃げ込んでいたハンター2人を発見する。
「お前たち、大丈夫か?」
「エックス隊長!」
「この先にお、大型メカニロイドが・・・・電波障害が発生していきなり暴れ始めて・・・・・不覚にも傷を負ってしまいました・・・・・」
「後は俺が調べる。お前たちはハンターベースに戻るんだ。」
負傷している方も考えてエックスは二人に簡易転送装置を渡す。
「すみません・・・・自分たちのは戦闘で壊れてしまったので・・・・・・」
「奴は何かに取り憑かれたように別物になっています。気をつけてください、隊長。」
二人が転送されたのを確認して奥へ入ると暴走メカニロイド D-1000がその巨体で眼前を塞いでいだ。
「コイツか。破壊しなければまた犠牲が出る。」
エックスはバスターを撃ちながらD-1000を迎撃する。D-1000もソニックウェーブや体当たりでエックスに反撃を仕掛けるが動きが単純なこともあり、意外に呆気なく撃破できた。
「・・・・こんなものか。」
エックスは沈黙を確認するとZセイバーを見る。
「君のおかげで切り抜けられたよゼロ・・・・・」
「あら?もう終わってた?」
そこへ遅れてマーティがラッシュを連れて現場に到着した。
「マーティ。」
「エイリアがエックスが出たって聞いたから急いで駆けつけたのよ。でも、心配なかったようね。」
「あぁ。ゼロとアイリスのおかげだよ。」
二人がそう言っている間にラッシュは機能を停止していたD-1000に対して警戒していた。
『ウゥウウゥゥゥゥゥゥウウ・・・・・・・・』
「ラッシュ?どうしたのよ、倒したイレギュラーに唸るなんて。」
『ワン、ワン、ワンワン!!』
ラッシュが吠えると同時にD-1000は突如再起動して誘爆しながらエックスたちへと突っ込んでくる。
「コイツ・・・・また!」
エックスはバスターで攻撃しようとしたがその直後、D-1000の目の前に何か現れその巨体を真っ二つに斬った。
「「なっ!?」」
『ワオッ!?』
一瞬にして斬った者は姿を消したがその姿は紛れもなくゼロだった。
「ぜ、ゼロ?いや、まさか・・・・・・・!」
『ワンワン!!』
戸惑うエックスたちだったがラッシュが今度は別な気配を察して吠える。警戒して上空を見ると見たことも無い全身黒に染められたレプリロイドが浮遊してきた。
「・・・・・やはり、ゼロの仕業だったか。」
「だ、誰だお前は!?」
「ハイマックス・・・・・そう呼ばれている。ゼロナイトメアを調べに来た。」
「ゼロナイトメア?」
「お前らの目的は何だ?ゼロナイトメアを使って何を企んでいる?」
「何訳の分かんないこと言っているのよ!?それはこっちが聞きたいわよ!何よ、あのゼロの色違いは!?」
得体の知れないハイマックスに対してマーティは声を荒げる。
確かにあのゼロは姿そのものはゼロそっくりではあったが何かが違う。何か別の・・・・・・
「・・・・・・お前らは危険だ。ここで処分する。」
「なっ!?」
「死ぬんだ。」
ハイマックスは腕から電撃弾を数発発射する。エックスとマーティは二手に回って射撃で迎撃しながら背後に回り込む。不完全のファルコンアーマーとはいえ、元々フォース以上の機動性があり攻撃を避けながら相手の懐に飛び込むのは簡単なことだった。
「喰らえ!アイススラッシャー!!」
エックスはハイマックスの右腕に向かって-200℃の冷気を発射し、凍らせる。しかし、ハイマックスは全く動じることなく氷を吹き飛ばした。
「なっ!?」
「効かん。デスボール。」
ハイマックスは、巨大な球状エネルギーを発生させてエックスに向けて放つ。
「くっ!なら、レーザートライデント!!」
デスボールを回避するとエックスは胸部に向かってあのファイナルシグマWの額を貫いたレーザートライデントを発射する。それでもハイマックスの装甲に傷一つつかない。
「貫通力が高いレーザートライデントも効かない。」
「無駄だ。」
「だったら、こっちはどうよ!」
マーティはラッシュジェットから飛び降りてパイルバンカーで連続で斬りつける。
「・・・・効かん。」
『ワオッ!(ガブリ!)』
「ヌッ!?」
ラッシュに噛みつかれて今まで無表情だったハイマックスは、一瞬表情を歪ませる。
「・・・・・・犬型風情が。」
『キャン!?』
ハイマックスは、ラッシュを放り投げると二人に向かってデスボールを放つ構えを取るがすぐに体勢をやめる。
「「?」」
「・・・・・・・帰還命令、了解。これより帰投する。」
ハイマックスは再度エックスたちの方を見る。
「ゼロナイトメアは俺たちが処分する。お前らは邪魔だ、手出しするな。」
それだけ言うとハイマックスは再び上空へと飛び去って行く。
「くっ・・・・全くダメージを与えられなかった・・・・。」
「無茶苦茶すぎでしょ、あの真っ黒の。」
「ハイマックスにゼロ・・・・ナイト・・・・メア・・・・・」
「・・・・・・そう言えば、アタシ。昨日ゼロとアイリスの夢を見たのよ。」
「えっ?マーティも?」
彼女が自分と似た夢を見てエックスは驚く。
「エックスも?」
「あぁ。俺もさっき出動前にゼロの夢を見たんだ。・・・・・何かが起こらなければいいんだが。」
エックスは嫌な予感を感じながらもマーティと共にその場から引き上げて行った。
22世紀 タイムデパート近くの公園
「もう・・・・・・・キッドなんか知らないんだからね!」
「悪かったよ、もういい加減に機嫌直せよ。」
あの後追いかけっこの末キッドは潔くドラミに謝ったのだがドラミの方は不機嫌なままだった。仲直りしようとキッドは途中の店で彼女の好物であるメロンパンを購入して公園のベンチに座る。
「ほら、この通りお詫びにメロンパンやるからさ。なあ?」
「・・・・・全く、今度あんなこと言ったら知らないからね。」
そう言いながら二人はベンチでメロンパンを食べ始める。近くには人間の子供がロボットとキャッチボールをしたりなど微笑ましい光景が目に映る。
「それにしてもこの世界は平和なもんだな。犯罪はあるけどそんなひどいもんじゃないし。」
「そうね。・・・・・・あら?何かしらあれ?」
二人は公園の外で何か人やロボットが集まっているところに気がつく。
「事故か?」
キッドは気になって行ってみるとそこでは警察が周りに見物に来た者たちを取り締まりながら何か調べていた。
「何の騒ぎだ?」
「あっ、これはキッドさん。確か今退院後の休暇なのでは?」
キッドに声をかけられて配置についていた警官ロボットが答える。
「ちょっと近くを通ったんだ。何があったんだ?」
「この現場でカップルと思われる二体のロボットが発見されたんですよ。しかも下半身が何の事故が完全に吹き飛ばされていて重傷なんです。今救急車を待っているところです。」
「そうか・・・・・ちょっと、見てもいいか?」
「構いませんよ。」
そう言われるとキッドは潜り抜けて現場の方へと足を踏み入れる。
「ここで見つかったのか?」
「えぇ。近くに爆発事件などはありませんでしたからおそらく別の現場からこの場所で投棄された可能性があります。」
そして、布で隠されている二つの担架を見る。
「これが見つかったカップルか?」
「はい、まだ辛うじて稼働していますがいつ止まっていてもおかしくない状態です。」
「ふうん。」
キッドは興味本位で一つの担架の布を捲ってみる。
「!?こ、コイツは!?」
キッドは驚きのあまりに布をそのまま取ってしまう。
そこには紅いアーマーに長い金髪を持ったロボットの上半身があった。
「似ている・・・・いや、アイツに瓜二つだ!」
キッドは思わず空気砲を構えようとする。それを見て警官たちは慌てて彼を止めようとする。
「き、キッドさん!どうしたんですかいきなり!?」
「てめえら、放しやがれ!!」
「何言ってんですか!?怪我人に空気砲向けるなんて問題ですよ!?」
警官たちの騒ぎを聞いて心配したのかドラミも現場の方へと入ってきた。
「キッド!何やっているの!?」
キッドの様子を見るなりドラミも取り押さえに加わる。
「放せ!アイツはここで撃たなくちゃならねえ!」
「どうしたのよ!?怪我人を撃とうなんて!」
「アイツが・・・・・アイツが本部を襲った犯人なんだ!」
キッドは数人で抑えられているにもかかわらず振りほどこうとする。
「・・・・・・・う、うぅ・・・・・・」
その直後、赤いロボットは僅かに目を開いて取り押さえられているキッドを見る。
「ド・・・・・ドラ・・・え・・・・も・・・・ん?」
「なっ!?」
「えっ?」
ロボットの声を聴いてキッドもドラミも愕然とする。
「エ・・・・・クスは・・・・・・・・・ぶ・・・じ・・・・か?こ、こは・・・・・・・・」
「お待たせしました!ロボット病院です!怪我人を搬送に来ました!」
丁度のタイミングでロボット病院行きの救急車が到着する。
「怪我人は?」
「この二人です。下半身が吹き飛んでいるうえにエネルギー切れ寸前です。」
警官の報告を受けると病院側は急いで二人を運んでいく。
「お、おい待て!?」
キッドが我に返って救急車を呼び止めようとしたが救急車はそのまま走り去って行ってしまった。
「・・・・・・・」
「あのロボット・・・・・・どうして、お兄ちゃんの名前を・・・・・・」
呆然としているキッドたちであったがあの姿は忘れることができない。
タイムパトロール本部を突如襲い、自分を赤子の如く捻り潰したあの黒いロボットと同じ姿をしたロボットを。
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