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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百八十三話 テストも終わってその三

「何か故郷ではです」
「神童と言われていたそうですね」
「ご存知でしたか」
「斎藤茂吉は好きでして」
 小野さんは僕に笑って答えてくれた。
「それで作品もです」
「読まれていたんですか」
「それで生い立ちも知っていますが」
「子供の頃はそうで」
「ですが」
 それがだったのだ。
「東大医学部では」
「普通だったとか」
「その様ですね」
「何かですね」 
 僕は斎藤茂吉が言われたか誰かが言ったかの言葉を思い出した。
「田舎の神童都会の凡人」
「そうも言われますね」
「上には上がいる、ですか」
「そうです、ですから」
「経理学校でもですか」
 その東大より入ることが難しいところに入ってもだ。
「まだですか」
「上の人がいて」
「追試がしょっちゅうの人もですね」
「いました7」
「そうなんですね」
「世の中往々にしてです」
「上には上がいますね」
「はい」
 まさにというのだ。
「そういうものです」
「凄いことですね」
「例えばプロ野球選手になっても」
「もっと凄い人がいますね」
「イチロー選手みたいな人がいますね」
「ああ、もうあんな人には」
 この人については僕はこう言えた。
「上には上があるの」
「最高峰ですね」
「そう言っていいですよね」
「そうですね」
「まさにそうですね」
「ですから」
 本当にというのだ。
「私はいつも慢心しない様にです」
「頭に入れておられますか」
「はい」
 そうしているというのだ。
「まことに」
「そうですか」
「そしてその上を目指して」
「努力していかれているんですね」
「その人も言っていました」
 経理学校に行ったその人もというのだ。
「経理学校に入ってよかったとなられたそうですが」
「それでもですね」
「経理学校のレベルは流石に高く」 
 そしてというのだ。
「まさにです」
「上には上が、ですね」
「おられて」
 そしてというのだ。
「経理学校では最下位に近かったとのことです」
「物凄い世界だったんですね、経理学校は」
「はい、伊達にあの海軍のエリート中のエリートではです」
「なかったですね」
「兵学校、機関学校と並んで海軍士官を育成していました」
 あの帝国海軍の士官の人達をだ、それこそ日本で最高とまで言われたエリート中のエリートの人達だったのだ。
「それだけに授業の内容もです」
「かなりのレベルだったんですね」
「それで、です」
「本当に斎藤茂吉みたいにですね」
「学校の中では」
「そういうことですか」
「ただ、入学出来ただけでも」
 それでもというのだ。
「凄かったのですが」
「そうも言えますね」
「というか殆どの人はです」
 それこそ海軍の人達がというのだ。 
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