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レーヴァティン

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第百六十七話 近江に入りその二

「尾張もそうしてだ」
「それからさらにですね」
「東に向かっていき」
「東海は三河、遠江、駿河と進み」
「甲信の信濃と甲斐もですね」
「手に入れる、この度はこの八国を攻める」
 東海と甲信のというのだ。
「そうして次の北陸攻めにかかる用意をする」
「左様ですね」
「ではですね」
「今はですね」
「東海と甲信ですね」
「この二つの地域の八国ですね」
「完全に手に入れる、だが東国はな」
 この地域はというと。
「まだ進まない」
「まずは西国ですね」
「箱根から西ですね」
「その国々ですね」
「一気に攻めることはしない」 
 それはないというのだ。
「東国は先だ」
「東海と北陸ですね」
「この二つの地域を手に入れる」
「それからですね」
「東国に進むことは」
「関東に奥羽に蝦夷は」
 この三つの地域はというのだ。
「先だ、だからいいな」
「はい、それでは」
「今は東国のことは考えず」
「それで、ですね」
「八国を手に入れる」
「そのことに専念しますね」
「そうする、ただ問題は越後だな」
 北陸のこの国だというのだ。
「佐渡も手に入れるが」
「越後は広いですから」
「南西から北東にかけて広がっています」
「越中との境から奥羽との境までかなりの距離があります」
「だからですね」
「手に入れるには時間がかかる」
 その全体をというのだ。
「だからだ」
「それで、ですね」
「あの国をどう手に入れるか」
「それが一番の問題ですね」
「それに佐渡もだからな」
 この島もというのだ。
「何でもあの島の金山はこの世界でも屈指というが」
「恐ろしいまでに金が手に入ります」
「無尽蔵とさえ言われています」
「石見の銀山もかなりですが」
「佐渡の金山もかなりです」
「佐渡を手に入れれば」 
 即ちそこの金山をというのだ。
「我等の富はかなりのものになります」
「何しろ無尽蔵に金が掘れるのです」
「ですから」
「何としてもです」
「手に入れるべきだ、だがその金山は」
 まさにとだ、英雄はまた言った。その頭の中にはこの浮島の地図がある。その地図を頭の中に浮かべつつそうして話しているのだ。
「手に入れるにはな」
「越後から離れていますし」
「船を進めなくてはなりません」
「時はかかりますね」
「そして佐渡の国人達もどうか」
「そこを考えている、どうして手に入れるか」
 その佐渡をというのだ。
「それが問題だ」
「越後全体もそうであり」
「佐渡もですね」
「あの島もですね」
「どう手に入れるかが問題ですね」
「その通りだ、だからだ」
 それで故にというのだ。 
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