八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百八十一話 三人になってその十一
「元々日本になかったし」
「聖バレンタインが死んだ日よね」
「殺されたんだよね」
ローマ帝国によってだ。
「キリスト教徒の結婚を許して」
「そうなった日よね」
「うん、ただね」
「ただ?」
「実は殺されてないし」
この聖バレンタインという人はだ。
「これがね」
「そうだったのね」
「うん、実はね」
「じゃあこのお話は」
「伝説なんだよね」
「そうだったのね」
「コーランだったらもうね」
さっきのお話を思い出しながら話した。
「バレンタインさんそれでもだ、って燃えて」
「逆境に打ち勝つのね」
「うん、恋人同士を結婚させたら」
コーランだとどうなるか、香織さんにこう考えつつ話した。
「自分もね」
「結婚するのね」
「それかね」
本当にコーランの展開から考えて話した。
「弾圧しようとした人達も改宗させる」
「そうして万々歳ね」
「それで終わるよ」
これがコーランだ、本当にハッピーエンド志向だ。しかもギリシア悲劇みたいに誰かが死ぬハッピーエンドではなく万全のそれだ。
「まさに」
「凄い展開よね」
「コーランは凄いからね」
「ハッピーエンドが」
「ちょっとやそっとじゃ神罰ないし」
殆どないと言っていいと思う。
「もう誰もが彼もが明るくて」
「前向きで」
「逆境にへこたれないで」
というか逆に燃え上がる。
「勝利を勝ち取る」
「その展開ね」
「そして悪人はね」
何かその悪人も結構憎めない感じだ。
「最後反省して改宗する」
「そうなるのね」
「日本の童話より凄いよ」
現代に改編されたものだ、昔の日本の童話はかちかち山の原本みたいに残酷だったりする。かちかち山は極端にしても。
「その結末は」
「イスラムってそうなのね」
「だから聖バレンタインも」
この人もだ。
「殺されたって話はね」
「最初から出ないのね」
「キリストも生きてる世界だから」
コーランではイーサーとなっているのは前に思って通りだ。
「だからね」
「死なないのね」
「コーランでバッドエンドって」
それこそだ。
「ライトノベルよりないからね」
「少年漫画みたいなのね」
「もうそれに近いかもね」
逆境に打ち勝つそれがだ。
「友情、努力、勝利もね」
「あるのね」
「友情展開もあるって言えると思うし」
モーゼ、コーランのムーサーとアロン、コーランのハールーンの兄弟のそれがもう兄弟にしても友情展開だと思う。
「少年漫画的展開はね」
「あるのね」
「だからこの日もね」
バレンタインにしてもだ。
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