転生したらビーデルの妹だった件
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第三話
三年後。
この三年間、色々な事があったが割愛する。
直接関係ある事と言えばパパが第24回天下一武道会で優勝していた。
名前がいつの間にかリングネームであったサタンになってしまっているのだが…まぁミスターサタンの方がわたしもしっくりくるし良いか。
ついでに子供の部でビーデルが優勝していた。
…もしかしてわたし、普通に格闘技で戦ったらビーデルに負けるんじゃないか?
そして人造人間編が始まる。
気を感知する事は得意なのだが、気を発しない人造人間を発見する事はやはり難しく、起動前に倒す事はモンテには無理だった。
休眠状態のセルも同様だ。
とは言えわたしの灰色の脳細胞がズノー様に聞けば保存場所は分かったんじゃないかと気が付いたのは大分後になってからの事。
…わたしがドクター・ゲロに勝てるかどうかと言う問題もあるけれど。
まぁ、ここで悟空達がレベルアップしなければブウ編で死ぬ。
しかし、心配していた人造人間編も悟空が生きている、たったそれだけで事態は好転していた。
確かに初動は遅れたがその後は事態の収拾に悟空達が動き、セルが暗躍し、セルゲームが行われた。
悟空さんは死んでしまったがセルは悟飯くんが倒したようだ。
ありがとう。悟飯くん。
パパの映ってるテレビ映像と一緒に永久保存しておくわ。そしてビーデルの結婚式で流してあげる。
表向きパパによって倒されたことになっているセル。
セルゲームで英雄になったパパは調子に乗って住んでいる街をサタンシティにする事に同意してしまうし、はぁ、お調子者ここに極まるってね…まぁお金持ちになったのは嬉しいんだけどね…部屋数いくつあるか分からない豪邸とかね。
自分の部屋は一番狭い角部屋を貰っている。何となく落ち着くのだ。
そんな感じで七年後。
料理はお手伝いさんが作ってくれるのだが味気ない。
自分好みにするべく基本わたしが作っていた。
パパはおいしいおいしいと言って食べてくれるのだが…
「ビーデル、たまには手伝おう?そんなんじゃ結婚出来ないよ?」
「だって、パパが自分以上の男じゃないと結婚させないなんて言ってるでしょ?世界最強のパパに勝てる相手なんていないんだから私、一生独身なんじゃないかな?」
「だから料理はしないって?」
「料理はモンテがしてくれればいいもん」
いいもんって…おーい、ビーデルさん。あなた悟飯くんと結婚しますからー。
そんなこんなでサタンシティでオレンジハイスクールに通っている。
ある日、黒髪の少年が転校してきた。
孫悟飯その人である。
その日、ビーデルはピリピリしていた。
なんか銀行強盗を捕らえそびれたらしい。
現着すると噂の金髪の戦士に先を越されたとか。
次の日から金髪の戦士の噂の代わりにグレートサイヤマンなる変た…いや戦士が現れたそうだ。
悟飯くん…わたしはあのかっこどうかと思うよ?
「あれ、ビーデルどこか行くの?」
「ちょっと悟飯くんの家に」
「え、男の子の家に行くの?」
あーそう言えば舞空術を習いに行くんだっけ?
「うーうー…そんなんじゃないからっ!あ、そうだ」
「何?」
「モンテも行こう。うんそれが良いわ」
「はい?」
なぜかジェットフライヤーに乗って悟飯くんの家に向かっている。
「何しに行くの?」
「飛び方を教えてもらいに」
だよねー
真剣な表情でジェットフライヤーのハンドルを握っているビーデルにそれ以上つっこみを入れる事は出来なかった。
パオズ山のふもとに到着すると悟飯くんの家に突撃を仕掛けるビーデル。
出迎えてくれたチチさんの機嫌が悪い悪い。
慌てて駆けつけて来た悟飯くん。ごめんなさいうちの姉が…
そしてその隣には小さな悟空さん…じゃなくて悟天くんが居る。
社交辞令的な約束を鵜呑みにしてやって来た我が姉はさっそく悟飯くんに舞空術を習っているようだ。
ビーデルは気の存在でトリックを疑い、悟天くんの気功波で驚愕の表情を浮かべていた。
気の扱い方を知らないビーデルは先ず気の扱い方から悟飯に習っている。
「あーっ難しいわっ!ちょっとモンテもやりなさいよ」
のほほんと草むらに寝転がっていたのがいけなかったのだろうか、ビーデルが突っかかって来た。
わたしは教えてもらいに来たわけじゃないのだけれど…
「ごめんビーデル、実は黙っていたのだけど」
「何よっ」
「わたし、出来るから」
「は?」
キュポっと音を立てて気の塊が指の先に集まっている。
「えええっ!」「はぁああああっ!?」
「い、いつの間にそんな事が出来るようになったのよっ!」
「ビーデルが格闘技の練習している間に練習した。何となく出来るようになった」
「はぁあああ!?」
驚愕のビーデル。
「あ、じゃあモンテさんに教えてもらえば…」
「わたし教えるのには向いてないから無理」
「えー…」
悟飯くんがガックリしていた。
「ま、負けないんだからねっ!絶対絶対出来るようになって見せるし、モンテより早く浮ける様になるんだから」
「ごめん、わたし飛べるから」
「うっうう…」
フワリと浮き上がるともうビーデルは涙目だった。
しばらくするとビーデルが気球(きだま)は作れるようになったところでひと休憩。
「さすがビーデルさん、格闘技をやってるだけあってのみ込みがが早いな」
「そう?もう飛べるようになる?」
「そ、それはもうちょっと気のコントロールが上手くならないと無理かな~なんちゃって」
困ったように返す悟飯くん。
「そう言えば、気になってたんだけどソレ」
と言って悟飯くんはビーデルさんの臀部を指さした。
「悟飯くんのえっち」
「ち、違うよビーデルさんっ!そうじゃなくてっ」
「じゃあ何よっ」
「モンテさんもだけど、その…そこに何を隠しているのかなって」
「ああ、別に隠している訳じゃ無いんだけどね」
そう言うとビーデルはTシャツの裾の中からするりと尻尾を取り出した。
「し、しっぽぉ!?」
「や、やっぱり変かな…尻尾のある女の子って」
「い、いやっそう言う訳じゃ無いけど」
「だからビーデル切っちゃおうって言ったのに」
とわたしが言う。
「でもモンテは切らないんでしょ?」
「それは勿論」
するりと取り出した尻尾を伸ばしながら答えた。
「それに切るのは痛そうだしね」
「と言うか悟飯くん、獣人系の人なんて結構いるし珍しいかもしれないけど普通だと思うけど?」
「そ、そうなんだけど…えっと…ボクも昔は尻尾があったから」
「え、悟飯くんにも尻尾が?…無いじゃない」
ビーデルが悟飯くんの臀部をまさぐりながら言う。やめてあげて。
「子供の頃に切っちゃったから…ってそれよりもその尻尾は生まれつきなの?」
「え?うーん…どうだろ、昔は無かったような?でもいつの間にか生えてたわね」
「いつの間にか生えてたって…サイヤ人じゃないんだから」
「サイヤ人?」
「あ、いやいや、何でもないっ」
悟飯くん、迂闊すぎです。うちのビーデルって結構鋭いんだからね。
それと正解です。うちのビーデルさんエセだけどサイヤ人だから。
主にわたしが迂闊だった為に…う、頭が…思い出したくない過去が…
「ビーデル、わたし帰るね。逢引の邪魔しちゃ悪いし」
「あ、逢引じゃ無いわよっ!って言うかジェットフライヤー持っていかれると困るんだけどっ!」
「大丈夫。わたし飛べるから。もうバレちゃったしいいかなって」
「あーなーたーはーっ!」
「ははは」
「待ちなさいっモンテっ!降りて来なさいっ!」
「ビーデルが上がってきなよ」
「あ、ちょっと待ってください」
悟飯くんだ浮かんできた。
「何?」
「モンテさんって昔お父さんに弟子入りしていたモンテさんですよね?」
「違うわ…」
それだけ言うとギューンと舞空術で帰路に着いたのだった。
後で瞬間移動した方が速いと気が付いて再びへこんだんだけどね。
帰って来たビーデルは美容室に直行。戻って来たビーデルはショートカットになっていた。
ああ、悟飯くん…言ってしまったのね。
十日ほどしてビーデルは自在に舞空術を使いこなせるようになっていた。
自分の時との差に才能の差を感じてしまってイヤになる。悲しい…
と言う訳で天下一武道会である。
え、訳が分からない?
ブウ編が始まるのだから天下一武道会でしょう。ねぇ?
ブウも居るのよね…ズノー様に聞いたから確定している。助けてください…
まぁ、冗談はさておき。ここ数日ビーデルはいつもよりも増してトレーニングに励んでいたのはこの為だったのだ。
悟飯くんにも発破をかけて出場するようにせがんでいたのだ。結構本気である。
本気で優勝を狙っているのである。
お願い、実力差に気が付いてー…悟飯くん、人の皮を被った化け物だから。
それくらい実力差が有るからっ!
観客席から子供の部を眺めている。
まぁ子供のお遊びだ。
しかしその中で決勝戦だけその様相が違っていた。
悟天VSトランクスの一戦は昔の悟空VSマジュニアよりもレベルが高いんじゃないかな?
子供の部はトランクスが優勝で決定。惜しくも悟天は場外負けをきしてしまった。
とは言え、舞空術、気功波、超サイヤ人と突っ込みどころ満載だったのだけど…原作を知っているとただただ感動ががががが…ふぅ…
予選が終わったビーデルに付き合って控え室について行くと合流した悟飯くんを伴って進む。
すると当然の様に悟空一派が控室でご飯を食べていた。
悟空と一緒にメシを食べているベジータ。プライドとかはどこに行ったのだろうか?まぁ彼も地球生活も長いしね。
「む、お前は…」
気付かれたか?
「いや、そんなはずはないな。あの女は金髪だったはずだ」
それ、気のせいです。ベジータさん。
あの時はずっと超サイヤ人状態だっただけです。
天下一武道会の試合も進みビーデルとスポポビッチの試合が始まる。
種族変化をしてるしもしかしたら善戦するかも?
…
……
確かに善戦はしていた。
だけど…
くっ…
「きゃあああああっ」
ズザザーと武舞台を転がるビーデル。
しかし場外に出る事は無く、その寸前で追いついたスポポビッチに蹴り上げられた。
いったん傾いた戦闘をビーデルは立て直す事は出来ず、しかし負けを認めない彼女は失格になる事もなくただただ武舞台の上で一方的な残虐ファイトが続けられている。
「もういいだろ、ビーデルっ!」
「ま…まだ…」
傷つきながらも立ち上がるビーデル。
「きゃああ」
しかしすぐに拳で吹き飛ばされて武舞台を転がる。
「ビーデルさんっ!」
隣の悟飯くんも叫んでいた。
「きゃあああ…」
あ…
子供の頃から一緒だったビーデルがスポポビッチに頭を踏みつけられるのを見てわたしの中で何かが煮えたぎる。
「超サイヤ人…だと?」
金色に染まったモンテの周りにスパークが散っている。
「モンテさん、その姿は?」
ベジータの呟きと悟飯の問いかけを無視したわたしは夢中になって武舞台へと翔ける。
そこには今まさにその巨体でビーデルを踏み潰そうとしているスポポビッチの姿があった。
武舞台に一迅の風が舞う。
「なんだ?」
踏み潰さんと繰り出されたその足を右腕一本で受け止めビーデルを抱き起しているのはモンテだ。
「なんだオメェ、邪魔するのかっ?」
それを無視してわたしはビーデルの向き直った。
「ごめんね、お姉ちゃん…我慢出来なかった」
「なっ…潰れねぇ…」
ギリギリと力を掛けてくるスポポビッチだが、超サイヤ人状態のわたしにその程度は効かない。
「ぐあっ!?」
そのまま無造作に振り払うとスポポビッチは場外へと吹き飛ばされ壁に激突してようやく止まった。
「モンテ、その姿は?」
「今は医療室、行こう?」
「私、負けちゃったのね」
「ごめんね」
「何でモンテが泣いてるの?ぐふっ…泣きたいのは…私の方なのにモンテが泣いてたら泣けないじゃない」
涙を涙腺に溜めながら必死に零すまいとしているビーデルを抱きかかえると武舞台を降りて医務室へと駆けこむ。
『ビーデル選手、反則により…勝者はスポポビッチ選手です』
ウォオオオオオオオオオ
歓声とも怒声とも聞こえる声を背にモンテは走って行った。
医務室に駆け込んでベッドにビーデルを寝かせると、意識は朦朧としつつもしっかりしているようだった。
「ビーデルさんっ!」
次に駆け込んできたのは悟飯くん。
「悟飯くん…あいつを…やっつけて」
「二回戦に勝ち上がったら絶対に勝ちます、それよりもこれを」
「何…?それ」
「こ、これを食べてください」
仙豆ですね。
「こら君、おやつを食べている場合では…」
医務室の担当医が悟飯を制止するが…
「わたし、もらうわ…」
悟飯くんの事だからきっと不思議な事が起こるのでしょう?とビーデル。
まぁ、仙豆ですしね。
「うん…」
神妙な顔つきで仙豆を食べさせた悟飯くんは次の試合が有るからと医務室を出て行った。
「な、治ってるーっ!」
シャキーンとベッドの上に立ち上がるビーデル。
「戦闘力が上がっているな」
「だ、誰?」
振り返るといつの間にか壁にもたれ掛かるように立っているベジータさんが居た。
「サイヤ人は瀕死から復活すればするほど戦闘力が上がる。やはり…」
あ、本当だ。ビーデルの戦闘力上がっているや。
も、もしかしてだけどノーマル状態だとわたしより戦闘力高かったり…?うそだぁ…
「それにそっちの女、お前さっきのは超サイヤ人だろ」
げぇっ!バレてるっ!
「そ、そうよ。あの金髪の変身は何?モンテが金色の戦士だったの!?」
「ち、違うよっ!金色の戦士はわたしじゃ…あ、そうだ悟飯くんの試合みないとっ!回復したみたいだし、行こうよ」
そう言ってビーデルを医務室から押し出す。
「仙豆の効果になんの疑問も浮かばん事も後で聞かせてもらうぞ」
あっ…そうね。そうよね…原作知識ェ…
ベジータも悟飯くんの試合は気になるようでそれ以上ここでの追及はしなかったのは幸いだ。
舞台袖に戻ると、悟飯くんの試合が始まろうとしていた。
武舞台上でキビトに挑発されて超サイヤ人をさらに超えた超サイヤ人になってやろうと言っている悟飯くん。
どうしてサイヤ人ってここぞと言う時にこう…偉そうと言うかナメプと言うか好きなのだろうか。
まぁ、かっこいいけど…
悟飯くんの髪が金色に逆立ち体をスパークが覆っていた。
「悟飯くんが金色の戦士だったの?」
ビーデル…今更だよ。金色の戦士とグレートサイヤマンが一緒に居るとこ見たことないでしょ?
変身したかと思ったら悟飯くんは二人の禿の選手…えっと…スポポビッチと……ヤムに取り押さえられて何かを押し付けられていた。
ランプの魔人でも入っていそうなそんな何かだ。
すると急激に悟飯くんの気が吸い取られたかのように減衰していきついには倒れ込んでしまう。
スポポビッチとヤムは空を飛んでどこかへと飛び去りそれを追う様に界王神さまと悟空、ベジータ、ピッコロが飛んでいく。
「ご、悟飯くーん!」
駆け寄っていくビーデル。
怒っているのか毛が逆立ちし始めてるような…?
悟飯くんはキビトさんに回復してもらうと悟空さんを追ってキビトさんと供に飛んでいく。
「モンテも行くわよ」
「はい?」
なぜかこっちに駆け寄って来たビーデルに引かれて連れていかれるモンテ。
腕を掴まれるとふわりと宙吊りに…
「うわっとと」
慌ててわたしは舞空術を使い並走する。
「そう言えば、先ほどの変身ですが」
とキビトさんが飛びながらこっちを見て言う。
げ、それを今蒸し返すの!?
「悟飯さんと同種の変身でしたよね?」
ぐぅ
「そうです、あれは確かに超サイヤ人…いや、超サイヤ人を超えた超サイヤ人でしたっ!」
「悟飯くん。もうそれ何を言っているか分からないから超サイヤ人2って事でお願い」
超サイヤ人をさらに超えた超サイヤ人…ながいよっ!
超サイヤ人ゴッドの力をもったサイヤ人の超サイヤ人とかねっ!いいよサイヤ人ブルーでっ!
「え?あ、…はい」
「つまりあなたもサイヤ人と?」
とキビトさん。
「えええっ!そうなんですかっ!?じゃ、じゃあビーデルさんもっ!?」
「えええっ!」
「なんでビーデルさんが驚いているんですかっ!」
「だって私も知らなかったものっ!と言うかサイヤ人って何?」
「別の惑星で進化した人類だ。特徴としては猿の様な尻尾が有る事だな。純粋なサイヤ人はもう数えるほどしか生き残っていないはだが…ふむ」
と考え込むキビト。
「尻尾って…」
ニュルンとスパッツの上に巻かれていた尻尾をはだけるビーデル。
「でもパパは純粋な地球人だよ。尻尾もないし」
「ではハーフと言う事か」
キビトさん、わたしハーフじゃないんだ。純サイヤ人?なんだ。
シェンロンも戦闘力がゴミの子供をサイヤ人にする事は出来たようなんだ…たぶん。
と心の中でだけ呟いた。
「でも死んだママにも尻尾は無かったよ?」
「お父さんもベジータさんもボクも尻尾は有ったはずですけど、切ったらなぜか生えてこなかったし、切っちゃってたのでは?」
「そうかなぁ」
「それで超サイヤ人2ですが」
そっちに話を戻すなよぉ…
「あ、そうですよ。モンテさんは超サイヤ人になれるんですね、それも超サイヤ人2に」
その問いかけにはぁとため息を一つ。
「まぁ、なれるね…はっ!」
一瞬で髪の毛が金色に染まり逆立ち、スパークが体を覆っている。
「すごい…こんな短時間で超サイヤ人2に…ってあれ?」
「どうしたの悟飯くん」
「あ、ビーデルさん…えっとあの…確かに超サイヤ人2なんですが…えっと」
「あんまり強くない?」
「あ、…はい」
わたしの問いかけにすまなそうに答える悟飯くん。
「そりゃね。わたし格闘技とかしてる訳じゃ無いから、素の戦闘力なんて悟飯くんの何十倍も下だもの。いくらわたしの戦闘力を100倍にした所で普通の超サイヤ人の悟飯くんにも勝てないわ」
「いいっ!?じゃ、じゃあ何で変身できるんですかっ」
「修行したの。変身のっ!かっこいいからっ!」
「カッコイイからってそれだけで超サイヤ人2に…」
「モンテ、お姉ちゃん変身できるって聞いてないんだけど…?」
げ、ビーデルが自分の事をお姉ちゃんと呼んでいるときは結構本気で怒っている時っ!ご、悟飯くん助けてっ…って首を振るなっ!
「と言うかどうしてモンテはそんな事を知っているのかしら?」
「う、うーん…」
あ、そうだっ!
「昔わたしが一年くらい居なかったことあったじゃない」
「あの時ね」
「う、うん…実はねあの時悪い宇宙人に攫われて他の星に行っててね、そこで色々教えてもらったんだ」
どうよこの完璧?な言い訳はっ!
「まぁいいわ。その…私もなれるのよね、その超サイヤ人に」
「悟飯くんに教えてもらって」
「ええっ!ボクっ!?ちょっとモンテさんっ」
バカ話はここまで。
一連の騒動でどうやらビーデルは父親の幻想に気が付いたようだ。
そう、セルを倒したのは悟飯くんだって事に。
超サイヤ人2状態のわたしが悟飯くんにはグーパン一発でやられるのだ。パパなんてデコピン一発で脳みそ飛び出しちゃうよ。
そしてこの衝撃が憧憬になり恋心になる訳だ。うんうん。間近で見ているわたし、役得だわ。
何の役ももらってないけど。
途中で悟飯くんとキビトの飛ぶスピードに付いていけなくなったビーデルはあとを悟飯くんに頼み離脱する事に。
「モンテまで残る必要な無かったのよ?あなたなら追いつけるんでしょ?」
「あー…あはははは…でもまぁ行ってもやれる事少ないしね」
「?…いいけどね」
武道会の会場へと戻ったわたし達は、突然現れた悟空さんとベジータさんの戦闘で吹き飛ぶ観客を空から見ていた。
「何…なんで…?」
「ビーデル…大丈夫だから…ね?」
「大丈夫ってっ!どうしてよっ!」
「大丈夫だからブルマさん…ベジータさんの奥さんの所に行こう?」
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