ドラえもん のび太の転生ロックマンX(若干修正版)
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バーン・ディノレックス
ハンターベース
「以上が我々が把握したゼロとアイリスに関するデータです。」
「ふむ・・・・・」
ゼロとアイリスがレプリエアフォース基地からスペースラボラトリーへ移動を開始し始めた頃、ライフセーバーは二人のデータをまとめたレポートを持ってシグナスの部屋に来ていた。
ウィルスの反応と同時に二人が一時的とはいえ急激なパワーアップをしたことを危険だと察知し、対策を練るためだった。
「・・・・・ゼロは今までエックスともに何度もシグマと戦ってきた・・・・・今更多少のウィルスではビクともしないだろう?それにウィルスのことについてはマーティやビートブード達に関しても異常は無かった。」
「反応がないのならまだしも、ダメージを受けるどころか・・・・・パワー出力がアップしているのです。エックスとゼロの身体の仕組みは謎の部分が多すぎます。アイリスも完全とは言えませんがゼロとパーツが共有できるよう以前改修を受けています。今後何か起きるか分かりかねますのでここで何か対策を講じた方が良いかと・・・・・」
「・・・・・・・確かにあの二人に関しては謎が多い。だが、今になって珍しいわけではないだろう?」
シグナスの言うのは尤もなことだった。確かにエックスとゼロに関してはイレギュラーハンターの中で唯一製造元がわかっていない。エックスに至ってはケインに発見され、ゼロに関してはハンター時代のシグマに回収されたという経緯だけでその存在は大きな謎となっている。
しかし、ライフセーバーの言い方では大量のシグマウィルスが発生した中心地にエックスと共にいたマーティたちも同類に含まれることになる。マーティたちに関しては製造元も判明しており、あることと言えばマーティは戦闘用に改修してもらったこと、ビートブードとマンドリラーに関しては過去に一度イレギュラー認定されたことぐらいだ。
「ですが・・・・やはり、ウィルスでパワーアップするなんて危険すぎます!!せめて二人だけでも手を打たないと手遅れになりますぞ!」
「何の話をしているのかね?」
そこへハンターたちの応急処置を一通り済ませて報告しに来たドップラーが部屋を訪れてきた。
「ドップラー博士!?」
「博士、ベース内にいるハンターたちへの処置は?」
「大方の処置は終わった。イレギュラー化したものに関しては一時的に機能を停止させることでワクチンの不足は何とか免れた。・・・・・・っで、ウィルスがどうしたね?」
「!?」
ドップラーに質問をされてライフセーバーは一瞬驚く。
「すまないと思ってはいるが少し部屋の外で聞かせてもらったよ。あの二人がウィルスでパワーアップしたとね。私とて一度はウィルスで操られていた身だ。気持ちはわからんでもないが対策を立てるのは今ではないと私は考えるよ。」
「なっ!?何を悠長なことを・・・・・」
「シグマは我々の常識を遥かに凌駕した存在だ。かつて私が開発した試作アンチプログラムでさえ完全に消滅せず、今回はさらに地球全土に被害をもたらした。例え、ゼロを拘束したとしても何の解決にもならない。」
「し、しかし・・・・・」
「君たちはもう少し視野を広げて物事を見るべきだ。イレギュラーに関してもイーグリードのように止むを得ずなった者もいればレプリフォースのように正常なのにもかかわらず僅かな誤解で認定されるものもいる。それとも一度イレギュラー化した私の話は聞き入れないと言うかね?」
「うっ・・・・・・」
「ライフセーバー、確かにドップラー博士はシグマウィルスで操られた過去を持っている。だが、彼が正常に戻ってこちらに協力していなければワクチンプログラムは愚か、我々もすでに全員がイレギュラー化し、全滅していた可能性がある。一度操られた彼だからこそ言えるのだ。」
「・・・・・・・・・」
「ゼロのことに関しては、この事態が収束つき次第対策を検討する。もし、お前の言うとおりに危険な存在へと変貌した時は・・・・・・・・・・・・・・」
シグナスは、複雑な表情を浮かばせながらも言葉を続ける。
「ハンターベースの全戦力をもって、ゼロをイレギュラーとして処分する。」
マグマエリア
『ワンワン!』
「エックス、また来るわよ!?」
「みんな伏せろ!!」
エックスとマーティは、マグマエリアに高出力ブースターロケットを求めて奥へと進んでいた。しかし、エリア内は溶岩流が吹き上げており、移動用の通路すら、定期的に押し寄せてくる火山流が二人を襲ってくる。
「・・・・・・・・もう、大丈夫みたい。」
「よし、今のうちにできるだけ奥へ進もう。」
エックスは新たに装備したファルコンアーマーで飛行しながら進んで行く。チャージ攻撃できない代償として空中戦闘を可能にしたファルコンアーマーはその機動力上、ラッシュジェットに変形するラッシュよりも小回りが利き、スピアチャージショットに限っても貫通力の高さで大半のメカニロイドやイレギュラー化したレプリフォース兵士の乗ったライデンを容易に破壊することができた。
「ここからはどうやって行くか・・・・・・」
しばらく移動すると開けた場所に辿り着いた。近くにはちょうどライデンが置き去りにされている。
「ライデンでマグマの中を移動するか、それともこのまま足場を飛び移って移動するか・・・・・・」
ちなみにライデンは一機しかない。
「・・・・・・二人で乗る?」
「べ、別にいいけど・・・・間違ってマグマの中に出されそうで怖いわ。」
エックスはマーティと顔を合わせながら話し合う。ライデンでマグマの中を移動すれば最悪中破して動けなくなったとき脱出する手段が失われる。
「・・・・・・やっぱり、上を行こうか?」
「そうね。」
『ワン!』
二人はライデンに乗るのをやめて足場を飛び移りながら移動を始める。
しばらく進むと後方から防衛用に設置されていた翼竜型メカニロイド『プテラノイド』が火炎弾を吐きながら二人に襲い掛かってきた。
「くっ!地形が悪いせいで狙いにくいわ!」
マーティはバスターショットで応戦するがこの灼熱の環境に耐えられるように設計されたプテラノイドは、特にダメージを受ける様子無く地形を破壊しながら二人に迫ってくる。
「マーティ、俺に掴まるんだ!」
エックスに手を差し出され、マーティは彼に飛びつく。同時にエックスはフリームーブを作動して飛行し、プテラノイドとの距離を一気に離す。
「喰らえ!ギガアタック!!」
プテラノイドに向かって無数の貫通弾が放たれ、プテラノイドは体の至る所を誘爆しながらマグマの中に落ちて行った。
ドロドロに溶けながら沈んで行く姿は、ライデンを選択して移動した自分たちの行く末だと思うとエックスは背筋がゾッとした。
「・・・・・・・の、乗らなくてよかったわね。」
「う、うん・・・・・・」
「・・・・・・・これは・・・・・」
最深部近くにまでたどり着いたエックスは目の前の光景を見て驚愕する。そこには多くのレプリフォース兵士たちが同士討ちにで全員が無残な姿で死亡していた。おそらくイレギュラー化の影響で敵味方の判別がつかずに殺し合ったのだろう。元々このエリアにレプリフォースが動いていたという情報があったため、ワクチンを持ってきたがすべてが無駄になった。
「こんな・・・・こんな酷い死に方するなんて・・・・・」
マーティは目の前の光景を見て言葉を漏らすがエックスはそれ以上にショックだった。
「・・・・俺たちがもっと早く来ることができれば助けられたのかもしれないのに・・・・・」
エックスは破壊された彼らを見ながら悲しそうな顔をした。
『クゥ~~~~ン。』
そんな彼にラッシュは心配そうに寄り添ってくる。
「ラッシュ・・・・・そうだな、今は動かないといけないな。」
『ワンッ!』
「・・・・もう、ラッシュったら。本当は私がするべきところだったのに。」
さり気なく愚痴を漏らすマーティではあったがエックスは、足を動かす。
「ここからはロープか。」
二人はロープに掴まって上へと昇ろうとする。
「ん?エックス、ちょっと待って!」
「えっ?」
マーティに呼び止められてエックスは彼女が指さした場所を見る。マグマが吹き荒れている先にある陸地にカプセルがあったのだ。
「あんなところになんでカプセルが?」
「アーマーならもう完成しているはずなのに・・・・・・もしかして、アタシのアーマーのデータも分割していたのかしら?」
エックスは彼女を抱きかかえながらフリームーブでカプセルのところまで飛ぶ。二人が目の前に着地するとカプセルが開いてライトが姿を現した。
『エックス、よくここまで来てくれた。』
「博士、どうしたんですか?ファルコンアーマーなら完成したのに。」
『今回は戦況に応じて使い分けられるように二種類用意しておいたんじゃ。ここにはガイアアーマーのアームパーツのデータが入っておる。このアームパーツは、分けてあるボディパーツに搭載されている高出力ジェネレーターを利用した通常のチャージショットと比べて射程が短くなったものの威力がセカンドアーマーのダブルチャージショットを上回るガイアショットを撃ち出すためのものだ。破壊力も抜群のため、一部の障害物を破壊するのにも有効じゃ。ボディパーツの方は既にゼロに渡してある。』
「そうですか。」
『後、マーティのアーマーデータの残りを渡しておく。前回のアーマーは使いづらいこともあって今回はフォースアーマーとファルコンアーマーのデータをもとに製作した「ヴァリアブルアーマー」じゃ。ヘッドパーツは存在せず、アームパーツはフォースのストックチャージの改良を施したもの、ボディパーツはファルコンと同様の性能だがサードアーマー同様のディフェンスシールドで防御力を向上させている。フットはフォースとファルコンを掛け合わせたものでフリームーブも使用できるがオリジナルと比べて飛行時間が短いから気をつけて使っておくれ。』
「分かったわよ。」
そう言うと二人はカプセルの中にあるデータを受け取る。
『エックス・・・・辛い時かもしれんが諦めてはいかんぞ。お前には仲間もいるし、最愛の妻であるマーティもおる。こんな困難だからこそ、二人で乗り越えなければならんのじゃ。』
「ライト博士・・・・・・」
『わしも他にやらねばならんことがある。エックス、マーティと共に頑張るんじゃぞ。マーティもエックスのことを頼む。』
「「・・・・・・はい。」」
エックスはフリームーブでマーティを抱えると引き返していく。そのあとをラッシュはラッシュジェットに変形して追いかけていく。
『・・・・・ラッシュ、二人のことを引き続き頼んだぞ。』
『ワン!』
再びロープ地帯に戻り、エックスたちは、最上部へと昇って行く。扉が開くとそこには元レプリフォースの災害対策チームの一人であるティラノサウルス型レプリロイド バーン・ディノレックスがいた。
「何をしに来た!こんな所まで・・・・・・」
ディノレックスはエックスたちを見るなり警戒した態度をとる。
「お前が隠し持っている高出力のブースターロケットが欲しい。ここが秘密の武器倉庫になっているのは・・・・フクロウルの情報提供で調べがついている。大人しく渡すんだ!!」
「そうすれば、ウィルスのワクチンと交換してあげるわ。まあ、こんなところに隠し倉庫を作ったこと自体で首になるのは覚悟しておいた方がいいかもしれないけど。」
「てめえら、そういうことを人のとこに来てまで言うことか!って、言うかあのクソフクロウの野郎にバレてたのかよっ!?畜生!俺の唯一楽しみである武器の密売が・・・・・・・・」
「フクロウルから聞いたぞ。お前、軍の中でも規則を破って・・・・・・・」
「やかましい!!大体こんな時にブースターロケットなんざ手に入れてどうする!?まさか、シャトルにでも取り付けて小っちゃくなったコロニーの残骸にぶつけようってか?たかが役にも立たねえ人間共のためにそこまでするってシグナスも含めててめえら電子頭脳がイレギュラー以上にイカれちまってんじゃねえのか!!」
「「・・・・・・」」
『ウゥ~~~~!!』
「うっ!?」
二人と一匹に睨まれてディノレックスは、体が凍り付いたかのようにゾッとする。
「な、なんだよっ!?事実じゃあねえか!!どれだけシャトルをチューニングしようがあんなちっこい残骸を破壊するなんて無理ゲーじゃねえか!それに地球はどの道救われたんだろう!?だったら、もう命がけでやらなくたっていいじゃねえか!お前らバカなの?アホなの!?」
「「・・・・・・」」
二人は睨んだままディノレックスに近づいてくる。
「や、や、や、やる気か!?この俺とやり合うってのか!?やめとけよ!俺は素早いし、鋭いこのつ・・・・ブベラッ!?」
ディノレックスがオドオドしながら言いかけた直後二人の拳が彼の顔にクリーンヒットする。
「て、てめえら!こんなことして・・・・・・」
「ハードナックル。」
「ムゴッ!?」
ディノレックスは、怒りのあまりに叫ぼうとするがエックスのハードナックルを腹部に受けて膝をつく。
「グ・・・グオッ!?」
「はあぁ・・・・・・・コイツ、本当に救いようがないわね。フクロウルもどうしてクビにしなかったのかしら?」
マーティは頭を押さえながら槍でディノレックスの身体を針でも突き刺すかのように突く。
「こ、このや・・・・・・・」
「アンタさ・・・・・・一応災害対策チームなんでしょ?部下がウィルスで殺し合いしていたのに止めようとしなかったわけ?自分だけ倉庫にいてさ。」
「し、仕方ねえだろ!部下の面倒まで見きれるかってんだ!」
「ふ~ん~。」
マーティは、冷たい眼差しでディノレックスを見る。後ろではエックスがどこぞの魔神のように腕を組んでいる。
(や、やべえぇ・・・・・・コイツ等、目がマジでヤバイ!明らかに俺を殺す気だ!)
ディノレックスは、蛇に睨まれたカエルのように身動きが取れなかった。
「じゃあ、もう一度だけ言うわ。」
「・・・・・・・(殺される・・・・・・この二人に嬲り殺される・・・・・・)」
二人の顔を見てディノレックスは今まで生きてきた世界が天国に見えるほど恐怖を感じていた。死んだジェネラルやカーネルすらこんな威圧を感じたことはない。
「ブースターロケットはどこにあるんだ?」
「は・・・・・はい・・・・・・」
そこにはかつてレプリフォース内で上位に入れるほどの問題分子の面影はどこにもなかった。
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