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re:俺の幼馴染は童顔過ぎて同じ歳にはみえない

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ひふみ編
俺の幼馴染は人見知りでコミュ障なんだが
  俺と幼馴染との偽物の恋人関係

 
前書き
ハーメルンから読んでくれてる方には分かってると思います。
私は番外編ばかり書く変体だと。

今回の話はハーメルンで書いた番外編の『もしもシリーズ』のひふみ編のリメイク作品になります。

 

 
俺の名前は須藤陸斗、転生者だ。
転生作品によくあるトラックに轢かれて神様に出会って転生した。そして神様に前世の記憶と色々な能力を強化されて転生させられた……。

俺は前世からイラストレーターやゲームのキャラクターデザイナーとかになりたいと思い小学校の時から頑張って絵の勉強や特訓をしてきた。そして転生してからも幼稚園に入る前から今日までずっと特訓している。前世で叶わなかった夢を今世で叶える為に。


幼稚園の時、妙に懐かれてしまった女の子が一人居る、その子の名前は滝本ひふみ。ひふみは人見知りで誰とも話しかけようともしなかったし、先生にも話しかけられても、あわあわして震えていた。
そんなひふみと仲良く慣れたのは偶々だった、俺が一人で絵を描いていると誰かが俺の方を見てきていた。気になって前を向くと、そこにはひふみが居た。ひふみは目を輝かせながら俺の描いた絵を見ていた。俺の描いている絵は子供から大人まで大好きなアニメのキャラクターの絵だ。
するとひふみは「す、すごく……絵をかくの上手……だね」と言った。俺は初めてひふみの声を聞いて驚いた。俺はお礼を言ってから他に描いた作品を見せる為にひふみにスケッチブックを渡した。ひふみは楽しそうに俺の絵を見ていた。それをきっかけに俺はひふみと仲良くなった。

ひふみは周りの人達とは話しかけずに俺の所に来て少しはこもりながらも話しかけて来るようになった。俺ばかり話しかけて来て他の子と話そうとしなかったひふみに「他の子とお話しないの?」と聞くとひふみは頬をブルーにして顔を横にブンブンと振って「ほかの子と話すと……きんちょうしちゃって……うまく話せないから……みんなに嫌われちゃう……」っと言った。俺はひふみに「ひふみちゃん話をするのは嫌いじゃないから嫌わないよ」と言った。ひふみは嬉しそうな顔をしてお礼を言った。そして俺はひふみとばかり遊んだり話すようになった。


ひふみと過ごす時間が増えて一緒に絵を描くようになり、ひふみもゲームのキャラクターなどを描く仕事に就きたいと言ったから俺はひふみに絵の描き方などを教えた。今更ながら園児にこんな勉強を教えるなんておかしいだろ。

ひふみの上達も早くて小学一年生の時に県の交通安全のポスターのコンテストで金賞を受賞して表彰される事になった。俺は表彰とか面倒だったからポスターは適当に煙草をリアルに描いて提出した。
表彰される当日にいつも通りにひふみの家に来て一緒に登校しようとやって来たのだが、ひふみが部屋に閉じこもって出て来なかった。


ひふみは俺の予想以上に人見知りだった。そしてその際で他人と殆ど会話しなかった為コミュニケーション障害になっていた。取り敢えず俺は出来るだけひふみの話し相手になってあげようと思った。






時は流れて俺もひふみは高校生になった。
ひふみのコミュニケーション能力は向上せず、今もまだコミュニケーション障害のままでまともに話せるのは俺を含めてひふみの両親と俺の母親からくらいだ。俺の父親には少し緊張してしまう、まぁ、父親が酔った勢いでぐいぐいとひふみに話しかけねひふみに苦手意識を持たせたのが悪いんだけどな。


「た、滝本ひふみさん……あなたの事が好きです。俺と付き合ってください」

「え……その……」

担任に頼まれてゴミ出しにゴミ捨て場に行ったら幼馴染の滝本ひふみが見ず知らずの男子に告白されてた。ひふみは結構モテる、男女問わずモテる。まぁ、見ず知らずの奴らがひふみに話しかけても無視されるという結果に終わる。学校では俺くらいにしか話せないからなアイツ。だからだいたいの奴らは無視されてそれで諦める。だが、そうでない奴も居る。今告白している奴もその諦めなかった奴らの一人だろう。
さてと、取り敢えずこの告白の状況について一言だけ言いたい事がある……ゴミ捨て場の前で告るなよ。ムードもクソもねーだろ。今掃除中だろ、ちゃんと掃除しろよ、時と場所を考えろや!

「あ、あの……私……り、りくと……陸斗くんと……。」

「やっぱり須藤と付き合ってたのか、ごめん滝本さん」

そう言って男は肩を落として立ち去って行った。
……あの、意味がわからないんだけど。何故告白をされたひふみは俺の名前を出して、俺の名前を聞いた男は何故か納得して諦めて帰っていくんだよ。色々と疑問に思う事はあるけど、そろそろこのゴミを捨てたいからひふみの前に出よう。

「よし」

「何が“よし”なんだ?」

「はわぁぁ!!」

するとひふみは驚き妙な悲鳴を上げてあわあわし始めた。
うん、思っていた通りのひふみの反応だな。取り敢えず今はこれ以上ひふみを責めるのはやめておこう……今は。

「まぁ、どうでもいいか。悪いがこのゴミを捨てたいからそこ通るぜ」

そう言ってから俺はひふみの隣を通ってゴミ捨て場の前に立ちゴミ袋をポンッと投げてゴミを捨てた。
その光景を見ているひふみは何処か安心したのか『ふぅ〜』と息を吐いていた。さてと、そろそろ聞こうか。

「なぁひふみ、俺はいつからひふみと付き合い始めたんだ?」

「ひゃあ!?」

さっきまで安心していたひふみの顔は突如絶望へと変わった。さてと、ひふみはどういう説明をしてくれるのだろうか?
そんな事を考えているとひふみの瞳から涙が流れ出した。

「ご、ごめん……なさい……。ごめんなさい……嫌わないで……」

予想と違ってひふみは泣いてしまった。俺は忘れていた……ひふみのメンタルは豆腐だって事を。
俺は慌ててひふみを慰めてから事情を聞く事にした。






ひふみを落ち着かせてから事情を長々と聞いた。聞き終えた時には掃除時間が終わって放課後になっていた。

ひふみの説明によると初めて男に呼び出された。ひふみは見ず知らずの男に呼ばれる事に加えて見ず知らずの男と二人っきりなり、ひふみは俺の想像を遥かに超えるくらい緊張してしまったのだろう。そして男はひふみに告白をする前に俺と付き合っているのかと関係を聞かれてひふみは頭が真っ白になってただ首を縦に振る事でしか出来なかった。男はそれに納得して諦めたらしい。
それからはひふみは男に呼び出された時は俺と付き合っているふうに言って断っていたらしい。


「なるほどな」

「ご、ごめんね……怒ったよね陸斗くん」

「怒ってねーよ」

怒ってはないよ……怒っては。物凄く呆れているだけだよ。流石に知らない所で付き合う事になっているなんてひふみに対して呆れる事しか出来ないよ。怒ったら泣いてしまうからな……

「それで、これからも告白されたら俺の名前を出し続けるのか?」

「えっ……それは……その……」

ひふみは目を泳がせて困った顔をした。
これからの事も考えたらひふみを助けない方がいい。だけど、ひふみが一人で解決しようとすれば更に拗らせて面倒な事になるだろうな。
それにひふみの両親や俺の親からひふみの事を任されてるからな、ひふみに何かあったらうちの親にドヤされるからな、うちの親はひふみLOVE勢だからな……全く自分の子をもっと優しくしてくれよな。


「はぁ〜、いいよ」

「えっ?」

「だからこれからも俺の事を隠れ蓑にしていいよ」

「えっ!?」

ひふみは俺の言った言葉の意味が分からなかったようだ。ひふみが分かるように説明しないとな……ひふみに分かるように……はぁ〜。

「簡単に言えば……ひふみの彼氏役になってやるよ」

「えっ、ええぇぇぇ!?」

ひふみは驚く程に大きな声を出した。

「えっ……その……り、り……陸斗くんが……彼氏?」

「偽物のな、それでひふみはこれまでどおりに俺を使って断ればいいよ。今までどおり何も変わらないただの幼馴染という関係だよ」

「そ……そう……なんだ」

ひふみは何処か悲しそうな表情をしていた。
何故そんな顔をするんだよ、何か文句あるのかよ……まぁ、あるよな。

「悪いな俺が彼氏役で」

「ち、違うよ……陸斗くんが彼氏で嬉しいよ!」

「偽物の彼氏だけどな」

「う、うん」

そしてまたひふみは悲しそうな顔をした。
はぁ〜まぁ、これでこの案件は解決だな……その代わりにひふみと偽物の彼氏になったけど。
今回の事は取り敢えずひふみの親に話しておいた。何故か大喜びだった。そしてひふみの事をお願いと頭を下げられた。
何この展開、俺の予想していたのと全く違うんだけど。俺、殴られる覚悟で説明しに来たのに。
何この歓迎ムードは、喜ばないでくださいよ……偽物の彼氏ですよ俺。えっ、“今は”偽物の彼氏でしょって。今はって何ですか、これから進展すると?

そしてその夜はひふみの家でご馳走を頂いた。
解せぬ。



次の日にクラスの奴らから質問責めにあった。
まぁ、その話はまた今度する事にしよう。

 
 

 
後書き
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