レーヴァティン
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第百六十六話 全て整いその六
「そう聞くと誰でもな」
「驚くっちゃな」
「勝てないとなる」
「そして使者が来て寛大な条件なら」
「降る者が多い」
「それで喧伝もするっちゃな」
「大規模にな」
その様にしていくというのだ。
「そしてだ」
「どんどん降らせていって」
東海や甲信の国人達をというのだ。
「そのうえで」
「勢力を拡大していく」
その様にしていくというのだ。
「まさにな」
「そうっちゃな」
「これまで通りだ」
「戦よりもっちゃな」
「政によってな」
「組み込んでいくっちゃな」
「俺は戦を好んでしたりはしない」
あくまでというのだ、英雄はこの考えは一貫していた。
「話で済めばだ」
「それで最善っちゃな」
「その方が手間も銭も遥かにかからず」
「血も流れないっちゃ」
「だからそうする、禍根を残さない場合は戦うが」
そうした場合もあることは考慮に入れている。
「しかしだ」
「やっぱり戦はしないことっちゃ」
「そういうことだ」
「ではだ」
幸正も言ってきた。
「水軍はな」
「尾張から駿河の湾にだ」
「進めていけばいいな」
「攻めることはない」
「まずはだな」
「鉄甲船を前に出してな」
そうしてというのだ。
「あえてその姿それに数を見せてな」
「勝てないと思わせることだな」
「湖の方でもな」
「今はそうしていくな」
「何時でも陸に上がれる」
「それも楽にだな」
「それだけの力があるとだ」
その様にというのだ。
「相手に思わせることだ」
「東海の大名や国人達にだな」
「そうしてもらう、いいな」
「わかった」
幸正は英雄に確かな声で答えた。
「すぐに水軍を動かす」
「それで頼む」
「伊勢の水軍だけでなくな」
「四国や瀬戸内、九州の水軍もだな」
「既に伊勢に集めてある」
幕府の水軍の主力をというのだ。
「山陰の方は置いているが」
「北陸とのことに備えてだな」
「そうしているがな」
「北陸も湖からも仕掛けたいが」
「まずはだな」
「東海だ」
「だからだな」
「それでいい、では伊勢に集めている水軍をな」
その彼等をというのだ。
「動かしてだ」
「相手を威圧するな」
「そうしてくれ」
「そして攻めて来ればだな」
「叩くだけだ」
「それでいいな」
「その時は一切容赦せずな」
攻めてきた敵をというのだ。
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