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レーヴァティン

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第百六十六話 全て整いその五

「邪教だと相場が決まっている」
「左様ですね」
「耶蘇教もだ」
「本来はそうでしたね」
「そうだ、それをおかしな坊主共がおかしくした」
「十字軍もそうでしたね」
「俺はそうした教えは否定しているしだ」
 それにとだ、英雄はさらに話した。
「幕府で認めることもな」
「しないですね」
「戦を煽る奴はただ戦を煽るだけじゃない」
「血生臭いことも煽りますね」
「だが自分はそこにはいない」
 戦の場、そこにはというのだ。
「安全な場所にいる」
「必ずそうですね」
「これは坊主でも誰でもだな」
「起きた世界では新聞記者にもいますね」
「マスコミは今の教会か」
 英雄はこうも言った。
「何時の時代でも何処でもそうした奴はいるか」
「我が国にも」
「そうした奴は見極めてだ」
 そのうえでというのだ。
「信じないことだ」
「それが第一ですね」
「だが俺は幕府の将軍としてだ」 
 治める者、この立場でというのだ。
「そうした奴は見付けたら切る」
「そのつながりも調べてっちゃな」
「碌でもない奴は禄でもない奴と付き合っている」
 今度は愛実に答えた。
「類は友を呼ぶ、だ」
「それはこの世の摂理っちゃな」
「だからだ、そいつの周りも調べてだ」
「周りもっちゃな」
「まとめて切る」
 その様にするというのだ。
「胡散臭い教えを説く奴はな」
「起きた世界では出来ないっちゃが」
「この世界ではそれが出来るしな」
「するっちゃな」
「そうする、邪教は認めない」
 戦やそれに伴う破壊そして血生臭い行いを煽る様な教えそしてそれを説いて人を煽る者はというのだ。
「決してな」
「そうするっちゃな」
「そうだ、ではこの度もな」
「兵を進めていくと共に」
「あらゆる勢力に降る様にな」
 その様にというのだ。
「勧めていく」
「そうっちゃな」
「そして東海と甲信を手中に収め」
 そのうえでというのだ。
「北陸もな」
「そうするっちゃな」
「話を第一にしてな」
 そうしてというのだ、こう話してだった。
 英雄は軍勢を動かした、大軍をそうして自身も仲間達と共にだった。
 出陣した、そうしつつ彼は天下に喧伝した。
「二十万の大軍が動いたのか」
「鉄砲は五万、大砲は千を超えているらしいぞ」
「それもどれも新しいものだ」
「威力がこれまでとは違うらしい」
「具足も槍もいいものらしい」
「馬も何万もいるらしいぞ」
「物凄い大軍が動いたぞ」
 この話を天下に流させた、それは大坂から広め。
 幕府の領内に含めそうしてだった。
 東海や甲信に届く様にした、するとだった。
「尾張でも美濃でも国人達が慌ててるっちゃ」
「二十万の大軍が来ると聞いてか」
「その様っちゃ」
「そうだな、実際に動かしているが」
 その二十万の大軍をというのだ。 
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