X Dimensions SoldierS Re: Xros Rays
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第1章 邂逅編
第2話 旅立つ戦乙女達と、死から蘇りし2人の『装者』
午前の訓練を終えた響やなのは達シンフォギア装者&魔導師組はシャワーで汗を流し終えた後コテージの食堂に集まり、昼食を食べ始めようとしていた。
?「お待たせしました。今日のお昼はカレーライスよ♪」
?「多めに作ったから、おかわりして大丈夫よ!♪」
?「たくさん食べてね、皆♪」
調・切歌『ありがとうございます(デス)♪』
?「はい、響。ご飯大盛りにしといたよ♪」
響「ありがとう、未来!♪」
はやて「ほんなら頂こうか♪」
なのは「うん♪」
フェイト「それじゃあ……♪」
『いただきまーす(デス)♪』
その言葉と共に一同は昼食のカレーライスを食べ始めた。
ここで響やなのは達が訓練している間に昼食を準備してくれた4人について紹介しよう。
まず短い黒髪の後頭部に大きな白いリボンを結んでいる少女は『小日向未来』。
響の小学校時代からの幼馴染にして親友で、何かと響に世話を焼く未来は響にとって『陽だまり』のような存在で、帰るべき日常の象徴である。
S.O.N.Gの民間協力者でシンフォギア装者では無いが、1年前のフロンティア事変でマリア達がかつて所属していたフィーネに囚われたことがあり、その際にフロンティア事変の黒幕であるアメリカの聖遺物研究機関『F.I.S.』の研究者ーー『ウェル博士』の手によって洗脳改造される形で『神鏡獣(シェンショウジン)』の装者にされ、響と望まぬ戦いを強いられたが、響の命懸けの行動により神鏡獣とウェルの洗脳改造から解き放たれ、現在は新たな戦いに臨む響を支えていた。
次に紹介するのは金髪のショートカットの女性ーー『アリサ・バニングス』と紫色のロングヘアーの髪をした女性ーー『月村すずか』、なのは・フェイト・はやて、そして翼の小学生時代の頃からの友人で、彼女達の良き理解者である。
アリサとすずかはなのは達のような戦う力は持っていない為、未来と同じように自分達の出来ることで世界の脅威に立ち向かう親友達を支えており、響やなのは達が合宿地であるこのコテージも彼女達が提供してくれたものである。
そして、最後に紹介するのがおっとりとしていて、母性的な印象が強いふんわりとしたピンクのロングヘアーをした女性ーー『エルシャ・バニングス』、アリサの義姉にしてS.O.N.Gの潜水艦の操舵手兼砲手を務めている。
3年前に異世界からこの地球へ怪我した状態でやって来た次元漂流者で、元の世界で帰る場所が無く、何処にも行く宛も無かったエルシャは、自身を保護してくれたバニングス家の養子となった。
それからエルシャはバニングス家にて療養生活をしながら自身のやりたいことを探していたところ、1年前のフロンティア事変の光景が全世界に中継された際、完全聖遺物『ネフィリム』との最終決戦に臨む響達シンフォギア装者やなのは達魔導師の姿を目撃したことがきっかけで……そして個人的な『理由』もあってS.O.N.Gへ入ることを決意し、S.O.N.Gと繋がりがあるアリサの協力もあって現在に至る。
エルシャは元の世界ではパイロットのようなことをしていたことからS.O.N.Gに入るまでの間様々な免許を取得しており、車は勿論ヘリや潜水艦などS.O.N.Gのメンバー達が移動で利用している乗り物に対しての免許も持っていた。
わずか3年間でそれだけの免許を取得できるのも凄いのだが、エルシャには自慢とも言える特技があった。
響「ん〜〜〜! やっぱりエルシャさんの作ったカレーは美味しい!♪」
アンジュ「ええ、本当に美味しい♪」
アリサ「流石は義姉さんね♪」
エルシャ「ふふふ、ありがとう♪」
それは料理で、エルシャは料理好きであることからその腕前は高く、S.O.N.Gの食堂の料理長も兼任で務めていた。
はやて「久しぶりにエルシャさんとレシピ交換したいなぁ〜♪」
調「私もエルシャさんに色々料理教えて欲しいです♪」
アニュー「それなら次の非番の時に一緒に料理研究しましょう。私もエルシャさんやはやてさん達から色々教わりたいですし♪」
エルシャ「良いわね。是非やりましょう♪」
はやて・アニュー・調もエルシャと同じく料理好きで、4人はよく非番の時に集まって料理研究をしたりする仲であった。
フェルト「アニューさん達4人が飲食店を経営したら大繁盛しそうですね♪」
アインス「確かにそうだね♪」
リイン「ですぅ♪」
ギンガ「こんなに料理が美味しいんです、絶対繁盛しますよ。あ、すみません、お代わりお願いします♪」
エルシャ「はーい、ちょっと待っててね♪」
カレーを美味しく平らげたギンガはエルシャにお代わりを要求した……読者の皆さんならお気付きだと思うがギンガは大食いで、カレーのお代わりは10杯目……しかもご飯は特盛である。
クリス「初めてS.O.N.Gに来た時もびっくりしたけど、凄え食べっぷりだよな……」
マリア「そうね……あれだけ食べても体重が変わらないなんて、羨ましいわ……」
クリスはギンガの大食いっぷりに苦心し、マリアはどれだけ食べても体重が変わらないギンガを羨ましそうに見ていた。
響「未来! 私もカレーお代わり! 今度は特盛で!♪」
未来「だ、大丈夫? 食べられるの?」
切歌「あたしも特盛でおかわりデース!♪」
調「切ちゃん、太るよ?」
翼「まったく……立花も暁もナカジマに対抗してどうする? 食べすぎは良くないぞ?」
アンジュ「そう言うあんたはもう少し食べた方が良いと思うわよ。ある部分を見れば♪」
クリス「確かにな♪」
翼「な、何のつもりの当てこすり!?///」
マリア「はいはい、アンジュもクリスも翼を弄るのはそこまでにしなさい」
アンジュ「はーい♪」
クリス「へーい♪」
翼「ぐぬぬぬ……!///」
そんなこんなで一同は談笑しながら昼食を食べ終えた。
すずか「ところでなのはちゃん達は午後どうするの? また訓練するの?」
なのは「ん〜……そうしようかなぁと思ったけど……」
フェイト「今思えば、私達キャロルやオートスコアラー達との騒動で息つく暇が無かったし……」
はやて「偶には息抜きもせえへんとなぁ〜」
響・切歌『(キラーン!)と言うことは……!』
はやて「うん、午後は自由時間にしよっか。訓練したい人は訓練してもええし、遊びたい人は思いっきり遊んでええよ♪」
響・切歌『ん〜〜〜! やったーーー!!♪』
午後が自由時間になったことに響と切歌は大喜びしていた。どうやら遊ぶ気満々のようだ。
アリサ「あ、そうだ。どうせなら今日の夕飯はバーベキューなんてどうかしら?♪」
響・切歌『おお〜! バーベキュー!♪』
調「良いですね♪」
すずか「それなら食材の買い出しとか、薪を集めとか色々しないとね♪」
エルシャ「ふふふ、そうね♪」
未来「じゃあ、私達は食材の買い出しと下ごしらえですね♪」
はやて「ほんならシンフォギア装者&魔導師組は自由時間を過ごす前に、食後の運動として薪集めに行こうか♪」
アインス「了解です、我が主」
翼「ふむ、そうだな。これだけの人数がいればすぐに終わるだろう」
マリア「そうね♪」
リイン「あ、はやてちゃん、私はシャーリーとエルフナインちゃんの様子を見てくるですぅ♪」
はやて「あ、そう言えば、2人はデバイスとシンフォギアのさらなる改修案で盛り上がって徹夜してもうたんやったね。わかった、シャーリーとエルフナインちゃんのこと頼むで、リイン♪」
リイン「はいですぅ♪」
響「それじゃあ、薪集めに行きましょう!♪」
こうしてシンフォギア装者&魔導師組は薪集めに向かうのだった……この後に新たな出会いと戦いが待ち受けているとも知らずに……
それから30分後……
なのは「ふう、大分集まったね」
フェイト「そうだね」
翼「これだけ集めれば十分だな」
マリア「それじゃあ、そろそろコテージに戻りましょうか?」
響「そうですね♪」
クリス「だな。早くとこ自由時間を過ごしたいしな」
切歌「デスデース♪」
シンフォギア装者&魔導師組は薪集めを終え、コテージに戻ろうとした時……
フェルト「っ! 皆、あれ!」
フェルト以外『ん?』
フェルトが何かを見つけたらしく、フェルト以外の一同は彼女が指差した方向へ視線を向けると……
クリス「お、オーロラ!?」
響「えええっ!?」
切歌「おお〜っ!♪」
調「綺麗だね、切ちゃん♪」
日本では絶対に見られないオーロラに響とクリスは目を見開いて驚き、調と切歌は初めて見るオーロラに目を輝かせていた。
翼「だが、可笑しいぞ。日本でオーロラが見られるなど……」
マリア「ええ。一体どうなってるのかしら……?」
翼やマリアが信じられないと言いたげに呟いた……その時だった。
アンジュ「! 皆、あそこを見て!」
アンジュ以外『っ!?』
アンジュが指差す方へ視線を向けると、オーロラの向こうに渦のような物が見えていた。
そして、その渦から複数の光がシンフォギア装者&魔導師組に向かって勢いよく降ってきた。
なのは・フェイト『きゃっ!?』
アインス「な、何だ!?」
その威力は凄まじく、一瞬周囲が見えなくなるほどの煙が舞い上がった。
ギンガ「けほっ、けほっ! 皆さん、大丈夫ですか!?」
ギンガが全員の安否を尋ねる。
クリス「あ、ああ、大丈夫だ」
マリア「え、ええ。見たところ皆怪我は無いみたいね」
調と切歌を庇ったクリスとマリアがそう返した。
そんな中……
アニュー「? 光が落ちて来たところに何かあるわね」
フェルト「これは……?」
光が降って来た場所に何かが落ちており、シンフォギア装者&魔導師組はその物体を持ち上げた。
それは……
クリス「機械?」
アンジュ「何か不思議な形してわね」
マリア「液晶の周りに刻まれているこの文字は何かしら?」
翼「見たことない文字だな」
はやて「アインス、古代ベルカにこう言った文字はある?」
アインス「いえ、私の知る限りこれは古代ベルカの文字では無いと思います」
中央の液晶を囲むように特殊な文字が刻まれた丸型の装飾が施され、それ以外は丸みを帯びた十字型の形をした小さな機械であった。
そして、その機械の配色は……
フェルトのはピンク色をベースに、中央部の液晶周りの装飾の色が翡翠色
アインスのは藍色をベースに、中央部の液晶周りの装飾の色が白銀色
マリアのは白色をベースに、中央部の液晶周りの装飾の色が白銀色
フェイトのは黒色をベースに、中央部の液晶周りの装飾の色が金色
アニューのは菫色をベースに、中央部の液晶周りの装飾の色が赤色
アンジュのは白色をベースに、中央部の液晶周りの装飾の色が金色
クリスのは白色をベースに、中央部の液晶周りの装飾の色が赤色
なのはのは白色をベースに、中央部の液晶周りの装飾の色が桜色
はやてのは白色をベースに、中央部の液晶周りの装飾の色が藍色
翼のは白色をベースに、中央部の液晶周りの装飾の色が青色
ギンガのは白色をベースに、中央部の液晶周りの装飾の色が藍紫色
調のは白色をベースに、中央部の液晶周りの装飾の色がピンク色
切歌のは白色をベースに、中央部の液晶周りの装飾の色が翡翠色
響のは黄色をベースに、中央部の液晶周りの装飾の色が橙色
……と言う風に、それぞれ違っていた。
調「これ、何なのかな……?」
アニュー「さっきまで無かったのを見ると、あのオーロラから降って来たと見て間違いなさそうね」
切歌「オーロラから機械が降って来るなんて、どんなアハ体験デスか!?」
フェルト「と、兎に角、オーロラもそうだけど、コテージに戻ってこの機械を調べ……」
フェルトがそう言いかけたタイミングで……
ピピピピ……!
『っ!?』
突如機械が鳴り始めたのだ。
さらに……
響「ああああっ!?」
クリス「どうした!? って、ええええっ!?」
マリア「なっ!?」
翼「な、何だと!?」
切歌「デデースッ!?」
響が突然指差しながら大声を上げ、一同は何事かとその方向へ視線を向けると……突如目の前に津波が現れ、真っ直ぐにこちらへ向かって来ていた。
あまりに突然のことで対応が遅れた一同は……
フェルト・なのは・フェイト・はやて・アニュー・ギンガ・マリア・アンジュ・調『きゃあああああああああああああっ!!!』
アインス・響・翼・クリス『あああああああああああああっ!!!』
切歌「デーーーーーーーーーーーース!!!」
為す術がなくその津波に飲み込まれる他なかった……
そして、オーロラと津波が消え去った時にはシンフォギア装者&魔導師組の姿が何処にも無かった。
こうして、14人のシンフォギア装者と魔導師は未知なる世界へと旅立つのだった……
?「ん〜……ここは何処だ? って言うか、何であたしは生きてんだ? 確か絶唱を歌って死んだ筈なんだが……もしかして、ここは天国か地獄なのか?……いや、肌に感じる感触が生きている時と変わらないし、たぶん違うな」
とある森の中、燃えるような長い赤髪をした女性が自問自答しながら辺りを見回していた。
彼女の名は『天羽奏』……響より前のガングニールの装者で、かつてツインボーカルユニット『ツヴァイウィング』として翼と共に歌っていた『片翼』である。
新暦世界の奏は3年前のツヴァイウィングのライブ時に襲撃して来たノイズとの戦闘時に、ガングニールの欠片が刺さって重傷を負った響を救う為に、シンフォギアの決戦機能で多大な負荷のかかる切り札ーー『絶唱』を歌い、そのバックファイアに耐えられずに戦死し、肉体も灰となって散った……しかし、彼女は何故か生きており、気がつくと見知らぬ森の中にいたのだ。
何故自分は生きて、こんな森の中にいるか等、奏にわかる筈も無かった。
奏「うーん……このまま考えてもしゃあないし、取り敢えず動くか……」
奏はこのまま考えても答えは出ないと判断し、辺りを散策する為に動き出そうとした……その時。
「炎真〜」
「お〜い、大丈夫か〜?」
奏「ん? 誰かいるのか?」
何処からか声が聞こえて来て、気になった奏はその方へ向かう。
そこには……
奏「……え?」
「炎真〜」
「お〜い、しっかりしろ〜」
「ん……んん……」
気絶しているのか大の字に倒れている赤髪の少年と、その少年に声をかける竜の翼のような形をした耳がある小さな紅い恐竜のような生物と、その紅い生き物より少し体が大きく腕に赤い革ベルトを巻いた黄色のトカゲのような生物がいた。
それを見た奏は……
奏「な……何だこいつらああああああっ!!?」
驚きのあまり絶叫するのだった。
死から蘇った片翼の装者はこの時運命の出会いを果たしたことを……そして、この後もう1人の片翼と3年の時を超えた再会することをまだ知らない……
?「ん……んん……あれ? ここは、どこだろう……?」
奏から離れた場所にて、セミロングの茶髪をした少女が目を覚ました。
彼女の名は『セレナ・カデンツァヴナ・イヴ』、マリアの妹でかつてアガートラームの装者だった少女である。
彼女は7年前、F.I.S内の起動実験で暴走した完全聖遺物ネフィリムの暴走を止めるべく、エネルギーベクトルを操作する特性を持った絶唱を放ち、暴走するエネルギーを操作しながらネフィリムを蛹状の基底状態にリセットするも、絶唱のバックファイアと燃え盛る炎に撒かれ、その直後に瓦礫の落下に巻き込まれてマリアの目の前で命を落とした……だが、彼女もまた奏と同様何故か生きているのだった。
セレナ「私、確か暴走するネフィリムを止めようと絶唱を歌って……っ! そうだ! マリア姉さん!」
セレナは姉のマリアのことを思い出し、辺りを見回すがセレナ以外誰もいなかった。
セレナ「マリア姉さん……何処にいるの……会いたいよ……」
セレナは1人ぼっちの寂しさから……そして、最愛の姉への恋しさに泣きそうになっていた……そんな時であった。
?「あの〜……大丈夫?」
セレナ「え?」
突如誰に声をかけられ、その方へ視線を向けると……そこには頭に長い角を持ち、白い毛皮らしきものを頭から被っているのが目立つ生物がいたのだった。
その生物を見たセレナは……
セレナ「……きゃあああああああああああっ!!!」
?「うわあああっ!?」
驚きのあまり悲鳴を上げるのだった。
声をかけた毛皮の生物もセレナの悲鳴に仰天していた。
そして、セレナはそのまま……
セレナ「きゅうう……」
仰向けに倒れて気絶した。
?「うわあああっ!? だ、大丈夫!? しっかりして!」
毛皮の生物は慌てて気絶したセレナを介抱するのだった。
そんなセレナと毛皮の生物がいる場所の近くには寂れた研究施設があるのだった。
セレナはこの世界にて、運命的な出会いを果たすことを……そして、最愛の姉との7年の時を超えた再会を果たすことをこの時知る由も無かった……
『デジタルワールド』
そこは新暦世界に見えない形で隣接し、あらゆるものが全てデータで構成されている世界。
そのデジタルワールドにはデータで構成されているにも関わらず、人間と同じように笑ったり、怒ったり、泣いたりする等人間と同じ心を持つ不思議な生命体『デジタルモンスター』……通称『デジモン』が暮らしていた。
そんなデジタルワールドに異世界から選ばれし戦乙女達、そしてその戦乙女達を守護する勇者達が集結しつつあり、これから始まる冒険をきっかけに全ての次元世界を賭けた戦いが、今始まりを告げるのだった……
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