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子供を守った名犬

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第二章

「果たして」
「それはな」
「お前も思うな」
「こうした時こそな」
 まさにというのだ。
「神様にな」
「何とかして欲しいな」
「ああ」
 こうオマリーに言った、周りはまさに一面真っ赤だ。
「本当にな」
「ならな」
「一刻も早くな」
「教えてもらった部屋に行ってな」
「女の子助けるぞ」
「そうするぞ」
 生きていてくれ、そう祈りつつだった。
 二人はその部屋に突入した、ベビーベッドが火の中にあった。二人はすぐにそこに行ったがそこには。
 赤子がいた、そして。
 その上に覆い被さる様にして茶色の長い毛の大きな犬がいた、その犬は背中や足を火傷しつつもだった。
 女の子を守っていた、火や熱から。フォーグラーはその犬を見てオマリーに言った。
「おい」
「ああ、これはな」
 まさにとだ、オマリーも答えた。
「こいつがな」
「女の子を守ってくれていたんだな」
「そうだな」
「女の子は無事だ」
「そうだな、じゃあな」
「女の子を救出して」
「こいつもだ」
 犬もとだ、こう言ってだった。
 フォーグラーが女の子を、オマリーが犬を抱いて脱出した、二人は再び燃え盛る炎の中を駆けてそうしてだった。
 アパートを出た、そうしてこう言った。
「犬が助けてくれた」
「それで女の子は無事だった」
「犬も大丈夫だ」
「背中や足を火傷しているが」
「クゥ~~ン・・・・・・」
 犬は火傷が痛そうだった、だが。
 それでも女の子が無事なのを見て嬉しそうだった、母親は娘を抱きながらそのうえで犬を見て言った。
「ポロ、有り難う」
「その犬の名前ですか」
「うちの愛犬で」
 飼っている犬でというのだ。
「一緒に避難した筈ですが」
「娘さんを心配してですね」
「火から守ってくれたんですね」
 部屋に戻ってというのだ。
「そうなんですね」
「そうみたいです」
「あえて部屋に戻って」
 燃え盛るその部屋にだ。
「そうしてくれたんですね」
「死ぬかも知れないっていうのに」
 オマリーもこう言った。
「凄い犬だな」
「全くだな、この犬がいないとな」
「女の子はどうなっていたか」
「わからないな」
「それでポロは」
 母親は犬のことについても尋ねた。 
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