曇天に哭く修羅
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第四部
課題 4
前書き
_〆(。。)
「ところでどんな修業を? 今までやったことの無いものなのは解るんですけど」
紫闇がレイアに尋ねる。
「【神が参る者】というのは力を使う度に融合した上位存在へ人格や肉体の主導権が奪われていくんだけど、その目安となるのが紫闇の右腕全体に広がる痣なんだ」
上位存在からの侵蝕を防ぐ方法。
それは上位存在と対決して勝つことで上位存在を支配することである。
「それが出来ると神が参る者として成長し、今よりも遥かに強くなれるよ」
これが修業の第一目標。
以前にレイアが紫闇の外装を改造した時に紫闇と融合した上位存在を倒して支配権を奪ったので上位存在はかなり弱っているらしい。
「つまり今がチャンス。もし弱らせてなかったら先ず勝てなかったろうから」
「そんじゃ次はウチの番ネ。第二の目標は黒鋼流の【真打】を会得すること。焔と戦る時に使って驚かせてやると良いヨ」
《白鋼水明》の言葉に紫闇が驚く。
「えっ? 水明は黒鋼流を学んだわけじゃないのに黒鋼の真打を?」
「知ってるし使えるヨ。お前や焔と違って努力なんて要らない才能が有るからナ。けど先に上位存在を倒してからの話。別にそうしなくても真打を覚えられるけど、その方が確実だかラ」
「じゃあ早速やろう。そこに寝て」
レイアの指示に従い仰向けに寝転がった紫闇の額に水明の手が当てられる。
「白鋼は黒鋼の親戚で二つの一族は同じ先祖から派生したらしイ。だから同じ【練氣術】も使えるヨ。その一つを使ってお前の意識を死の淵まで沈めル。そこまで行ったら自分の上位存在と会えるから戦って勝テ」
「上位存在は【珀刹怖凍】と【融解】を使ってくるだろうが奴の能力枠を潰して発現した【超能力】は使えない。それでも厄介だが今の紫闇なら弱った上位存在を倒せる筈だ」
もしもの時は紫闇の外装に付けたレイアの疑似人格が力を貸してくれるという。
「そんじゃあ頑張レ」
水明の手から赤い光が放たれると紫闇の意識は瞬時に暗転してしまった。
「ここは……」
紫闇が気付く。
何処を見ても黒い空間。
そこに赤黒い靄が現れた。
人の形を為す。
黒い髪の紫闇だが今まで会った彼とは違い、会ったことの無い別人らしい。
スイッチを入れて黒い【魔晄】を出し、『鬼』と化した紫闇に近いようだ。
狂暴な笑みに歪む顔。
激しい戦闘の意思。
いつ襲ってくるか解ったものでない。
「お前が俺の中に居る上位存在なのか? 初めて会ったけど物騒だな」
「その答えは合ってもいるし間違ってもいるって言えるんだよなぁ~。けどさあ、そんなこたぁどうでも良いことだろう? お前は俺を倒しに来たんだから」
「……確かに、そうだ……」
黒鋼流四形ノ一・青龍。
右手は顎下に左手は下げる。
双方とも同じ構え。
「自分と喧嘩する機会なんざ、こんなことでもないと有り得ないからな。お前も俺との戦いを楽しんでくれよ?」
二人の紫闇が拳を交錯させた。
後書き
_〆(。。)
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