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レーヴァティン

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第百六十三話 治の仕組みその十二

「しかしだ」
「それがたいな」
「酒で暴れ職を失い」
「それからも飲んで」
「そして遂にな」
「若くしてだったたいな」
「世を去った」
 肝硬変だったという、まさに酒の為に世を去った。
「そのことも思うとな」
「あんたもたいな」
「飲まない日をもうけよう、健康でないとだ」
「ことを為せないたい」
「だからだ」
 このことを頭に入れてというのだ。
「俺もだ」
「そうした日ももうけるとよ」
「酒、そして女もか」
「そっちは夜を更けさせなければとよ」
「いいか」
「そっちは夜を更かすからよくないとよ」
「寝ないでずっと遊んでいるからか」
 そう言われるとだった、英雄も心当たりがあった。それで飲みつつ冷静な目になってそのうえで述べた。
「確かにな、一晩中起きてだ」
「遊んでいるとたいな」
「身体が相当に疲れる」
「心もたいな」
「そうなる」
 実際にというのだ。
「何度かしたが」
「それたい、だからたい」
「女の方はか」
「夜更かししなければ」
 それでというのだ。
「よかとよ」
「そうだな」
「それでたい」
「俺もだな」
「色は適度に寝たらよかとよ」
「そういうことだな」
「そこば弁えて」
 そうしてというのだ。
「遊べばよかとよ」
「そちらはそうだな」
「あんたはそっちもかないたいからな」
 香織は英雄に笑って話した。
「むしろお酒よりもたいな」
「どちらかというとな」
「好きたいな」
「実際にな」
「ならたい」
「そちらのことはか」
「そうすればよかとよ」
「わかった、ならな」
「とにかく夜は寝ることたい」
 このことが大事だというのだ。
「これは一番大事な養生とよ」
「その通りだな、では酒を控える日をもうけて」
「夜は寝るたい」
「そうする」
 実際にと言ってだった。
 英雄は今は酒を飲んだ、だが実際に酒を飲まない日ももうけていった。そのうえで今は政を進めていった。


第百六十三話   完


                 2020・5・23 
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