ドラえもん のび太の転生ロックマンX(若干修正版)
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合流
メカポリス郊外 飛行場
人間収容所から脱出したゼロたちはトラックを飛ばし、郊外にある小さな飛行場へと逃れていた。
「ゼロ、大丈夫?」
アイリスはシャドーブレードを引き抜いて応急処置を行う。
「掠っただけだ。・・・・・尤もこれの切れ味なら俺に致命傷を負わせることも可能だったがな。悪運がいいものだ。」
「問題はどうやってブリキン島まで戻るかね。飛行場だから飛行機の一、二台はあるかもしれないけど・・・・・」
応急処置を済ませると四人は、飛行場の周囲を探る。すると丁度飛ばす予定だったのか少し大きめの四人乗りのプロペラ飛行機が置いてあった。
「おい、スネ夫。あの飛行機でブリキン島に戻れるんじゃないのか?」
「うん。運転ができればだけど・・・・・」
四人は警戒をしながら飛行機へと乗り込む。乗り込むとゼロとアイリスは操縦機器と燃料を確認する。
「ふん・・・・・思っていた以上に簡単な造りになっているな。」
「燃料も丁度満タンだわ。」
「よし、見つかる前にさっさとずらかるとするか。」
ゼロはエンジンをかける。するとプロペラが動き出し、飛行機自体も動き出した。
「エンジンはかかったようだな。」
プロペラは回転率が高くなり、飛行機は滑走路から浮き上がり、空へと飛び出していった。
「やったわ!」
「このままうまく離脱するぞ。」
ゼロたちを乗せた飛行機は上空の彼方へと姿を消して行った。
????
「・・・・・・そうか、ゼロの奴。やはり、この星にまで来ておったか。」
「はい。しかし、よろしいのですか?回収せずに泳がせておくのは・・・・・・」
「まあ、よい。ワシらも忙しいからのう。それにこちらももうすぐ完成する。」
薄暗い空間の中で巨大な何かが静かに鼓動を響かせる。
「・・・・・それはそうとクイックマンが右腕を失った状態で戻ってきました。」
「・・・・全く、言う事を聞かんのはあのバカと一緒じゃな。すぐに直してやるから来いと言っておけ。」
「御意。」
「・・・・やはり、ライトの遺した遺産・・・・・只者ではないのう。こちらも早くゼロを本来の力に目覚めさせねばなるまい・・・・・・だが、それは飽くまで今ではない・・・・・・ヌフッフッフッフッフッフ・・・・・・・」
チャモチャ星 海中ゴミ捨て場
ミニドラをドラえもんの体内に送って約三時間。
結局マイマインは発見できなかったもののドラえもんの目が動き出し、どうやら修理はうまく言っているようだった。
「ハッ、ハッ・・・・・・・はっくしょん!!」
ドラえもんは水中でありながら大げさなくしゃみをする。同時に体内から出ようとしていたミニドラはそのまま飛び出してケインの頭の上に落ちた。
「あれ・・・・・?」
「ドラえもん!!」
「僕は一体何をしていたんだろう?」
「これ、しっかりせんか。儂らのことを覚えておらんのか?」
「ん?・・・・・・あっ!ケイン博士!玉美ちゃん!!」
「ドラえもん!!」
やっと目を覚ましたドラえもんに玉美は思いっきり抱き着いた。
「会いたかったよぉ!!」
「ドラちゃん直ったのね!」
「しずかちゃんも助けに来てくれたんだ!!ありがとう!」
「ゴホン・・・・修理はこのミニドラがやってくれたんじゃ。」
ケインは頭の上に指をさす。
「ドラララ!!」
「ありがとう。」
「早くお兄ちゃんたちの所へ行こう!!サピオお兄ちゃんの方にも・・・・・・・」
「サ・ピ・オ?」
「説明したい所じゃが時間がない。このままブリキン島へ急ぐぞい!!」
「わかりました、いいものがある。」
ケインに言われて状況がいまいちわからないもののドラえもんはポケットに手を入れる。すると何やら少し大きめの瓶を出す。
「絶対安全救命いかだ!!」
「まさか・・・・・そんな空き瓶でブリキン島へ行くなんて悪い冗談じゃないじゃろうのう?」
「フッフフ・・・・まず、瓶の口に手を当てて・・・・・」
ドラえもんが早速瓶の口に手を触れると瓶の中へ吸い込まれて行った。
「ぬっ!?」
「「わあぁ!」」
『さあ、みんなも瓶の口に手を触れて。』
瓶の中から聞こえるドラえもんの言葉を聞いて三人は瓶の口に手を触れる。中に入るとそこには筏に乗ったドラえもんが待っていた。
「相変わらずずごいもんを持っておるのう・・・・」
「では、ブリキン島に向けて出発!」
ドラえもんが掛け声をかけると瓶はゆっくりと海上の方へと浮かんで行く。
「どんな波が来ようと瓶は確実に目的地へとたどり着く。」
「ねえ、ドラえもん。もっと早く進めないの?」
ゆっくりと移動する瓶に対して玉美は聞く。ドラえもんは筏に置いてあるオールを手に取る。
「このオールで漕げば、スピードが上がるよ。」
「どれ、今度こそ儂の腕前を披露しようではないか。」
ケインはオールを受け取ると漕ぎ始める。すると少しずつではあるが瓶は移動スピードを速める。
「あら?飛行機よ。」
外の方を見ると一機の飛行機が飛んでいた。
「ロボットの空軍の仲間かのう?この瓶が見つからなければいいんじゃが・・・・・・・・」
「大丈夫だよ、外からはただの空き瓶にしか見えないから。」
ゼロside
「・・・・・なあ、ゼロ。この飛行機本当にブリキン島に向かって飛んでるんだろうな?」
広々とした青い海を飛んでいる中、ジャイアンは不安そうに運転しているゼロに聞く。
「さあな、正直言って辿り着ければ幸運だ。何しろ行きは潜水艦でガイドが付いていたからな。」
「北に向かっているから少なくとも途中で確認はできると思うけど・・・・・・いやな雲が出てきたわ。」
アイリスは、機器を確認しながら前方の雲を見る。
「まずいな・・・・・あの大きさじゃ中を通り抜けるしかないぞ・・・・・・・・」
エックスside ラビリンス内
「うっ!」
「エックス!?」
倒れたエックスをマーティは慌てて抱き起す。
「大丈夫!?」
「あぁ・・・・・・・だ、大丈夫・・・・・ぐうっ!」
アルティメットアーマーを解除してノーマルの状態で移動していたが鬼化の影響でクイックマンとの戦闘で負った傷は予想以上にひどくなっていた。エックスは、脇腹を押さえながらも立ち上がる。
「うぅ・・・・・」
「アタシに摑まって。」
マーティに肩を貸してもらいながらエックスは、ぎこちない状態で移動を再開する。
「・・・・・・ごめん。」
「いいのよ、夫婦なんだから。旦那が困っているときに支えるのが妻の流儀でしょ?」
マーティは、会話で傷の痛みを少しでも忘れさせようとする。
「ケイン博士としずかちゃんたち・・・・・どの辺まで行ったのかな?」
「さあ・・・・少なくともさっき出た休憩所よりは奥へ行ったと思うけど・・・・・」
マーティは、持っている小型ライトで周囲を照らしながら歩き続ける。
ドラえもんside
天気は嵐となり、周囲の波は激しさを増していく。
そんな中、瓶だけは沈むことなくゆったりと進み続ける。
「どんな嵐が来ようと瓶の中は揺れ一つないんだ。」
ドラえもんはランプを点けて言う。
「ドラえもん、お腹空いた。」
玉美は、両手をお腹に合わせながら言う。そう言えば休憩所で軽食を取ってからいろいろあって何も食べていなかった。
「そろそろ食事にしようか。」
「そう言えば腹が空いたわい。」
「OK。上を見て。」
ドラえもんたちが上を見ると筏に生えているヤシの木が大きな果実を実らせていた。
「このヤシの木はね、こう軽くたたくと・・・・・・」
試しに叩いてみるとヤシの実は簡単に幹から取れ、ドラえもんの手元に落ちる。
「この実の中身を食べるの?」
「正解だけど正確には違うよ。」
ドラえもんが果実の節目を開くと中からいい匂いと共に湯気が立ち上る。
「わあ~!」
「はい、中身は出来たてのスパゲッティナポリタン!」
ドラえもんは、ナポリタンの実を玉美に渡すと次々と叩いて実を落とす。
「今度はぷりぷりのエビが入った海老ドリア!次は、ホクホクご飯に美味しいたれがたっぷり塗られたうな重。そして、もちろんどら焼き。」
「うほほ~!!ウナギなんてもう天然が絶滅してから二度と食えんと思っておったぞ!?」
ケインは、嬉し涙でうな重の実を受け取る。
「それでは」
「「「「いただきま~す!!」」」」
四人は食事を始める。
ゼロside 飛行機
「ゼロ、高度が落ちてきたわ!機体をもう少し上にあげて!」
「あぁ!」
そんな楽し気な食事をしている一方、空の上ではゼロたちが嵐の中悪戦苦闘で操縦をしていた。
「母ちゃ~ん!!」
「ママ~!!」
機体が激しく揺れている中でジャイアンとスネ夫は誤って機体の外へ放り出されないように辺りの物に摑まっている。
「くっ!俺たちが先に墜ちるか嵐が先に治まってくれるか・・・・・・もはや運に任せるしかないな。」
ゼロは必死に操縦桿を握って操縦を続ける。
地球 新ハンターベース
「第8ゲートにデスログマー・改が着艦!」
「イーグリードたちか。」
ハンターベースの管制室の中でシグナスはエイリアと共に着陸したデスログマーを見る。
「イーグリード隊長から通信が入ります!」
「映せ。」
シグナスの命令でエイリアは、通信を繋げる。
『こちら第7空挺部隊、イーグリード隊。ただいま帰還しました。遅くなって申し訳ない。』
「いや、よく戻ってきてくれた。早速ですまないがすぐにこちらに来てくれ。」
『了解。』
通信を切るとシグナスは、椅子に座る。
「エイリア、戦闘チームの他に救護班の編成も行っておいてくれ。ライフセーバーたちもだ。」
「別に構わないけど大丈夫なのかしら?復興作業中にこんなにメンバーを呼び戻したりなんかして。」
不安そうに聞くエイリアに対してシグナスは腕を組みながら答える。
「これは飽くまで私の推測に過ぎないが・・・・おそらくエックスたちは相当苦戦しているかもしれん。」
「でも、エックスとゼロは別として、マーティやビートブード達はこれまでの大戦で戦い抜いたベテランよ?そんな彼らを倒せるレプリロイドなんて・・・・・・」
「この世界で言えばだ。だが、我々の技術のすべてがどの世界でも最先端だとは限らない。もしかすれば、向こうの方が圧倒的に有利なのかもしれない。だから、こちらもできる限り手を打たねばなるまい。」
「・・・・・・・彼が聞いたらきっと飛びつきそうな話ね。」
シグナスの言葉にエイリアは寂しそうな表情で言う。
「・・・・・・・同僚の彼の事か?」
「えぇ・・・・・研究所を出ていってからもう随分会っていないわ。どこで何をしているのかも・・・。」
「悔やんでいるのか?」
「そうね。私なんかと比べたら彼の方が優秀だったわ。それは一癖二癖強い所もあったけど・・・・・・・」
「・・・・・・」
「ごめんなさいね、余計なことを言って。」
そう言うとエイリアは、作業へと戻る。
ドラえもんside
翌朝 ブリキン島
嵐は治まり、瓶はいつの間にかブリキン島近くにまで流れ着いていた。
「ほらね、暴風雨を利用してもうブリキン島にまで着いたよ。」
瓶がブリキン島に着くとドラえもんたちは早速瓶の外へと出てくる。
「どうやら、敵の軍隊は引き揚げたようじゃのう。」
四人がホテルの方へ行くとホテルは見事に破壊されていた。
「これはひどい。ホテルの見る影もない。」
「近くに倒れているはずビートブード達の姿も見えん。連れていかれたのか?」
ホテル近くで落ちていた部品を拾いケインは顔をしかめる。
「サピオって宇宙人とのび太君は?」
「サピオ君は儂の屋敷で休ませておる。じゃが、エックスはマーティと一緒に地下のラビリンスに残されておる。休憩所で隠れておるタップも。」
「早く、お兄ちゃんとお姉ちゃんとウサギさん探そう!」
「うん!」
四人は歪んだラビリンスの入り口まで行く。
「のび太さんたちのところまで行けるかしら?」
「詳しいルートを知っているのは壊れたガイドマウスとサピオ君の父 ガリオン侯爵しかわからん。ガイドマウスを直しても行けるかどうか・・・・・・」
「それならいいものがあります。」
ドラえもんは、ポケットに手を突っ込む。
「迷路探査ボール!!それ!」
ドラえもんがボールをラビリンスの前に置くとボールから煙が噴き出す。煙はラビリンスの中へと入り、瞬く間に迷路全域へと広がっていく。
「ラビリンスの隅から隅まで調べているところだよ。」
チン!
ボールから何か音がした。
「調査完了!これでこの機械は完全な迷路地図をインプットした。」
「じゃあ、初めにのび太さんとマーティさんと合流しましょう。」
ドラえもんはポケットからタケコプターを取り出し、全員に回す。
「のび太君の所へ。」
ピユッ、ポッポッ、ピピッ!
探査ボールは早速転がり始める。
「出発!」
ドラえもんは額にヘッドライトを取り付けると先頭に移動を開始する。ボールは道に迷うことなく進み、順調にエックスの所へと目指していく。
「ちょっと、あれ何!?」
「ストップ!」
ドラえもんの命令でボールは動きを止める。
明りで周囲を見ると倒れたロボットの兵隊たちと破壊されたドクロボットが複数倒れていた。
「おそらく儂らを追っていた部隊じゃろう。でも、兵隊の方はゼンマイが切れたとして、このドクロのロボットの方はなんじゃ?」
「あっ!」
さらに奥を覗いた玉美は休憩所のあった場所が大きく抉れているのに気がつく。
「どうなっているのかしら?」
「まさかエックスの奴・・・・・・・・無理したんじゃ・・・・・」
「この状況からすると二人はそう遠くへ行っていないはずだよ。探査ボール出発!」
ドラえもんが指示するとボールは再び進みだす。
エックスside
「ハア・・・・・ハア・・・・・グウ!!」
「エックス・・・・しっかり・・・・・」
エックスは、傷の痛みに耐えながらマーティと寄り添って壁に寄りかかりながらしゃがみ込む。エックスはダメージによる影響でエネルギー漏れを起こしていたが、マーティの方はエネルギーがほぼ底を尽きようとしていた。
「・・・はい。」
マーティは、万一に備えて持っていたエネルギーボトルをエックスに渡す。
「ダメだ・・・・・・・それは君の分じゃないか・・・・・・」
「でも、エックスの方が重傷じゃない・・・・・」
お互いの体を抱き合いながら二人はエネルギーボトルの補充を行う。
「このエネルギーが切れたら俺たちは動けなくなる・・・・・・・・・ごめん。俺のせいで・・・・・・」
「・・・・・・フフッ。でも、後悔はないわ・・・・・・最初から最後まであなたと一緒に生きてこれたんだから・・・・・それでも十分よ・・・・・・」
二人は機能が停止しても離れないよう手を強く握る。
「・・・・・・俺、君と一緒になれて・・・・・よかったよ。最後まで付いて来てくれてありがとう・・・・・・・」
「アタシも・・・・・・・」
「~~!!」
その時何かが遠くで呼んでいるような気がした。
「・・・・何か聞こえなかった?」
「君も聞こえた?俺も何かはわからないけど・・・・・・・」
「・・・・くん~!!・・・太く~ん!!」
声は徐々に近づいてきた。
「幻聴かしら・・・・・・」
「幻聴が聞こえてくるほど衰弱しているのかな・・・・俺たち・・・・・」
しかし、何かの明かりが見えてきたため幻聴ではないことに気づく。
「敵か・・・・・?」
「のび太く~ん!!のび太く~ん!!」
「ドラえもん?」
二人は、近づいてくる明かりをよく見る。それは探査ボールとともにやってきたドラえもんだった。
「ドラえもん!?うぅ・・・・・」
「のび太君!?」
起き上がろうとして倒れたエックスをドラえもんは支えた。しずかは衰弱しているマーティを抱える。
「ぶ・・・・・無事だったんだね・・・・・よかった・・・・・」
「ひどい傷・・・・・大丈夫!?」
ケインはエックスの傷の具合を調べる。
「随分手強い相手と戦ったようじゃのう。急いで修理せねば。」
ボールが次の反応を捉えて移動する。するとタップが隠れていた休憩所だった。一同が来たのを確認するとタップは顔を出す。
「タップ、無事じゃったのか!」
「はい!敵はみんな引き上げたようだったのですが二人がいつまで経ってもこっちに来ないものだったので探しに行こうと思っていました。」
「早速じゃがトランクを出しておくれ。儂の家に戻ってエックスたちを修理せねば。」
タップは口からトランクを取り出し、門を展開する。ドラえもんたちは弱ったエックスとマーティを担ぎこみながら門を潜り、今回はタップも門を潜り抜けて行き、その場にはトランクのみが残された。
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